熊本地震で「震度6強」を記録した市町村はいくつかあるが、
実は、その中のひとつが、私の本籍地だった(^o^;)
つまり、亡父の実家のある町。
たいへんな被害を受けた。。。。
その間、ずっと一連の報道を見てきて、
私は、メディアの仕事に携わる人間の一人として、
今回ほど、メディアの横暴というものを感じたことはない

震災直後から、ホリエモンと尾木ママとの間で、バラエティ番組の“自粛”をめぐって、激しい応酬が行われていたことは皆さまご承知の通り。
言うまでもなく、ホリエモンは、自粛など馬鹿げていると批判し、
尾木ママは、被災地の方々に対する共感力の必要性を説いていた。
私は、2人の応酬を眺めていて、この人たちには、ひとつ非常に重要な視点が欠落していると感じないではいられなかった
大きな災害が発生して、命を落とし、あるいは苦難に直面した方々が多数発生したとき、
メディア、とくに、全国ネットのテレビ局として、
通常の番組を中止して(つまり、自粛して)、報道特別番組を組み、
終日、しかも、何日にもわたって、それを流し続けることが必要かどうか
一般的には、
被災地の方々に配慮し、通常の娯楽番組は自粛して報道特別番組を流すべきだと考える人が、比率的に多いと思うし、
それが、人として、当然の感情だと、多くの人が思いがちだ。
しかし、ほんとうに、そうなのだろうか・・・と、私は思う。
公共放送としての「使命」を有するNHKは、当然、そうした対応をすべきだと思うが、
民放キー局各局には当てはまらないのではないか
通常番組を“自粛”してまで報道特別番組を組むことの意義は、
それが、被災地の方々に対して、そして、被災地外の人々に対して、
重要な情報提供など、プラスの効果をもたらすことにこそ、ある。
明らかにプラスの効果を挙げているのなら、通常番組の“自粛”と、いつ果てるともなく続く報道特別番組には、意味があるだろう。
しかし、逆に、毒にも薬にもならない、もしくは、マイナスの効果しか挙げ得ていないとすれば、そんな“自粛”は、有害無益でしかあるまいと私は思う。
ホリエモンと尾木ママの議論の応酬に欠けていたのは、まさに、この視点だ。
NHKと比べて、圧倒的に優れた情報収集力や発信力をもつのならともかく、
同等以下でしかない民放各局が、そろいもそろって、大量の人員を被災地周辺に“現地取材”と称して送り込んでいたが、
結局、NHK、日テレ、TBS、CX、テレ朝、どこも同じような内容の番組ばかりだったし、それは過去のあらゆる災害報道・震災報道でも同じだった。
民放各局があえて現地に取材陣を送り込み、報道特別番組を流す“積極的意義”は、いったいどこにあるのか
問題はそれだけではない
民放各局の取材陣は、被災地での傍若無人な行動によって、
被災者の方々から、激しい怒りや憎悪を買っている
被災地上空を、絶え間なく、多数の報道ヘリコプターが飛び続ける「騒音」で、ガレキの下で救助を待つ人を探し、救出する作業に大きな支障をきたしていたし、
住民に重要な情報を知らせる町内・村内の放送が、ヘリの騒音で聞こえないという深刻な問題が生じていた
ヘリの騒音だけではない。。。。どれほど多くの迷惑をかけているか、ウェブサイトで調べれば、それこそ山のように事例は出てくる
東京から観光気分(
)でやってきて、
安全な場所の高級ホテル・旅館に宿泊し、
山海の珍味に舌つづみをうち、美味い地酒に酔い、温泉でゆったりと休んだ取材陣が、
翌朝、被災地へと出向き、まるで、テーマパークに来て興奮している子供のように、「ワクワク感」丸出しで、レポートしている・・・・
そんな風にしか思えないシーンに、何度も出くわし、テレビを見ていて、非常に不快な、嫌な気分にさせられたのは、私だけではない( ̄∩ ̄#
その証拠に・・・というか、ある情報番組の生放送中に、地元の被災者が激怒し、現地からの中継が中止に追い込まれた“事件”も起きている。
明らかに、視聴者はもとより、被災地の方々に対しても、マイナスの効果しか与えていない民放各局の震災報道
実は、阪神淡路大震災の頃から、それは問題視されていて、
民間企業による震災報道に、一定の規制をかけようという動きもない訳ではなかったようだ。
ところが、、「知る権利」や「報道の自由」を盾に、
メディアが一斉に反発したために、
何ら改善されることなく、現在に至っているという。
「知る権利」や「報道の自由」は、もちろん大切だが、
しかし、それが被災者の犠牲・不利益の上に成り立つべきものなのか、
私は非常に疑問を感じざるを得ない。
被災者が不利益を被ることなく報道ができるのなら、それに越したことはないが、いまだに実現していないということは、「できない」ということなのだろう。
そうであるのなら、“自粛”すべきは、バラエティ番組などの通常番組ではなく、
むしろ、民放による「被災地現地取材」」と、それにもとづく「報道特別番組」なのではないのか
いずれ、東京にも大震災がやってくるだろう。
そのとき、
今回、熊本で傍若無人に振る舞い地元の激しい怒りを買った民放各局の人々は、ガレキの下から、いったい、どんな思いで、上空を乱舞するヘリコプターを眺めることになるのだろうか