ジョルジュ・プレートルの指揮ぶりが大評判となった今年のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートでしたが、早くも、来年の公演が話題になり始めていますね。
来年の指揮者は、地元オーストリアのフランツ・ウェルザー・メストです。
今年から小澤征爾さんの後任として、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任する中堅指揮者ですが、ウィーン・フィル・ニューイヤーにいきなりの登場で、期待の高さがうかがえます。
かつては、ウェルザー・メストという名前をもじって、レスザン・ワースト(Less than worst)などと新聞で酷評されていましたが、スイスのチューリッヒ歌劇場の音楽監督になってから、メキメキと頭角を現わし、この歌劇場の公演レベルを、ヨーロッパ・トップ・クラスにまで引き上げることに成功しました。
その実績を買われて、ウィーン国立歌劇場の新総監督マイヤーのもとで音楽監督に就任することが決まったのです。
地元オーストリアの指揮者が、この歌劇場の監督職に就くのは、実にヘルベルト・フォン・カラヤンが1964年に退任して以来ということになるでしょうか。。。
ウェルザー・メストの音楽は、音の厚み・重みよりは、透き通るような澄んだ薄い響きに特徴があります。そして、音楽の運びは、軽妙です。
そういう意味では、優れて「いま風」と言えるでしょうか。
得意分野は、自己申告によれば、19世紀末以降のオーストリアの近代作曲家の作品とのこと。
そう言えば、ウィーン・フィル・デビュー演奏会でも、フランツ・シュミットの交響曲を振っていましたから、よほど自信があるのでしょう。
そんな彼がウィンナ・ワルツを振ったら、いったい、どういう演奏になるのか、なかなか興味深いものがありますが、どちらかと言えば、より個性の強いウィーン・フィルの方が主導するカタチになるのかな・・・・・指揮者よりもオーケストラの個性が強く出るんじゃないかな・・・とも想像されます。
そうなったら、本当に久しぶりに、ウィーン情緒の漂う演奏を満喫できるかもしれませんね。
ちなみに、ウィーン国立歌劇場の新シーズンのラインナップも、新監督就任初年度ということもあってでしょうが、極めて強力なもので、これはかなり期待できそうです。
ウェルザー・メストを中心にしつつも、ティーレマン、ラトル、ムーティ、ミンコフスキー、サロネン、ド・ビリーを初め、現在考えられる限りの指揮者陣を揃えており、非常に楽しみですね。
病気がちだった小澤さんの時代から、若いウェルザー・メストの時代へとシフトしつつあるウィーン。
世界のクラシック音楽界に重大な影響を及ぼす存在だけに、今年のウィーンは、要注目です。