こんにちは。
兵庫県の社会保険労務士の池田洋平です。
 

時間外労働や休日労働を命じても、最近は応じない若い社員が増えているように思います。社員はこうした業務命令を拒否できるものなのでしょうか?

会社が時間外労働や休日労働の命令を行うためには、労働契約および就業規則によりそれらを行わせる旨の定めがあることが必要となります。あらかじめ、所定労働時間や所定休日に労働させることが、労働条件の一つとして契約されていたかどうかが判断の基準となります。


労働基準法第15条では、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と規定されています。

ここでいう「その他の労働条件」には、所定労働時間を超える労働の有無が厚生労働省令で定められている為、労働契約を締結する際は所定労働時間を超えて労働することがあるのかないのかをあらかじめ明示しておかなければなりません。

所定労働時間を超える労働が「有り」であれば、労働者は時間外労働・休日労働の業務命令を拒否することはできません。


また、時間外・休日労働に関する労使協定(36協定)の締結および労働基準監督署への届出を行わなければ、法定労働時間(1日8時時間、1週40時間)を超える労働をさせることはできません。

それでは、社員が時間外労働を拒否できるケースはあるのでしょうか?

①雇用契約、就業規則に残業の根拠となる定めがなければ、業務命令権が発生しませんので、残業の強制はできないことになります。

②残業が違法なケースが考えられます。残業の上限規制を超えてしまって違法になるケースです。残業時間の上限は原則として、月間45時間、年間360時間です。

③誰から見ても業務上必要のない残業です。嫌がらせや、無意味な行為をさせるために残業を強制させることはできません。

④従業員が正当な理由を主張して残業を拒否している場合は強制できません。例えば、本人の体調不良や育児などの家庭の事情でやむを得ない場合などは、残業を強制することは認められないでしょう。



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