こんにちは。
兵庫県三田市で社会保険労務士をしています
池田洋平です。



これからは副業・兼業がスタンダードになる時代が来ると思います。
企業が副業・兼業を許可する上での注意点もいくつかあり、それがまだ認知されていなく運用出来ていないという実態もあります。


副業・兼業を許可する上での注意点は、労働時間をそれぞれ通算する必要があるということです。労基法第38条第1項で「労働時間は事業場を異にする場合においても労働時間に関する規定の運用については通算する。」と規定されています。


〈労働時間通算のルール〉
・所定労働時間内の通算→労働契約の時期の前後で判断
・所定労働時間外の通算→時間外労働をしたその日の時間の前後で判断

例①

              A社    B社


労働契約の時期      2017年  2021年


所定労働時間    16時〜21時 8時〜12時

          (5時間)   (4時間)



まずはそれぞれの所定労働時間を通算します。所定労働時間の通算は労働契約の時期の順番に通算しますので、A社の5時間+B社の4時間という順番で計算します。この時法定労働時間内の8時間を超えていますので、割増賃金の支払いが必要です。この割増賃金はB社が1時間分支払います。


例②
             A社    B社
労働契約の時期     2016年  2021年
所定労働時間    16時〜18時 8時〜12時
          (2時間)   (4時間)


この場合に所定労働時間を通算すると、A社の2時間+B社の4時間で6時間となり、法定労働時間を超えていません。その後、所定労働時間では業務が終わらず、B社は12時〜14時で2時間の残業、A社で18時〜19時の1時間の残業があったとします。

この所定労働時間を超えた時間に関しては、1日の中で時間が早い方から通算しますので、まずは6時間+B社の2時間で8時間となり、法定労働時間内に収まっていますので、B社には割増賃金を支払う必要はありません。その後8時間+A社の1時間で9時間となり、法定労働時間の8時間を超えるため、A社には1時間の割増賃金の支払いが必要となります。


副業・兼業をする労働者がいる場合は、労働時間の通算が必要なため、労働者へ労働時間の申告をするように依頼することが必要となります。


本日もご覧いただきありがとうございました。


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