86歳の母の運転免許更新。
後期高齢者は認知機能検査と実車指導があると聞いて、隣町の自動車学校まで送迎した。
母は普段、車を使うのは近所と姉妹の家に行くときだけ。「人様に迷惑をかけたくないから」と決めている。
だから隣町の自動車学校には、自分では行けない。
その日、母は受講者の中で最高齢だったそうだ。
結果は、認知機能検査も実車指導も無事に合格。
面白かったのが、母の話。
普段は軽自動車なのに、実車では普通車に乗ることになったらしい。それで教官にこう言ったそうだ。
「私はバックはせんで(しないよ)」
教官の返事が、
「ええよ。私がするから」
そう言って、助手席からハンドルを回してくれたという。
……それってOKなの? と思わず心の中でつっこんだ。
帰りの車の中で、母が言った。
「今回はもうダメかもと思って緊張しとった。ホッとした。あと3年、気を付けて運転しよう」
家に着くと、疲れがどっと出たみたいで、夕方6時ごろにはもう寝ていた。
86歳。あと3年、無事に運転できますように。
そして、そのあとのことも、そろそろ一緒に考えていかなきゃいけないんだろうな。
