86歳の母のガラケーに、自動音声の電話がかかってきた。
「この機種の電話はもうすぐ使えなくなります。1を押して設定してください」
母には心当たりがあった。何年か前、3G回線のサービス終了でガラケーを買い替えたことがあったから。
だから「大変だ」と思ったそうだ。
でも相手は自動音声。訳がわからなくて、電話を切った。
そしてすぐ私に電話がかかってきた。
話を聞いて、すぐに思った。
「それ、詐欺じゃない?」
前回の買い替えのときは、auから何ヶ月も前から何度もお知らせの手紙が届いた。
それが突然、自動音声で「1を押して」なんておかしい。
お母さんが切ったのは大正解だった。
ふと思う。若い人はすぐ「詐欺だ」とわかるのかもしれない。逆に高齢者は自動音声に馴染みがなくて、とにかく切るのかもしれない。
ちょうど真ん中の私たちの世代が、一番危ないかもしれない。自動音声にも慣れていて、「本物かも」とさっさと1を押してしまう。
微妙な年齢だなと、改めて思った。
気を引き締めて、詐欺に引っかからないようにしなければ。そう思わせてくれた、母からの一本の電話だった。








