妹友「明日一日は、お兄ちゃんにあげますから」

妹友「だから、約束してください」

妹友「絶対私を、もう一度妹に会わせてくださいね?」

男「……。」

妹友「今日妹を怒らせちゃったことは、その時に謝ります」

妹友「妹とのこんな別れ方は、絶対に嫌だから…」

男「……。」

妹友「返事はもらえますか?」

男「…分かった、約束するよ」

妹友「…ふふ、そうですか。これで安心です」

男「…そっか」

妹友「約束破ったら天誅ですからね?」

男「それは遠慮したいところだな」

妹友「じゃあ破らないでください」

男「そうだな、それしかない」

妹友「…ふふ、じゃあお兄ちゃんはそろそろ妹のところに行ってあげないと」

男「だな、今頃カンカンに怒ってるかも」

妹友「…ごめんなさい」

男「謝るなって」

妹友「…お兄ちゃん、これから私に出来ることは何かありますか?」

男「…そうだな」

妹友「なんでもします、妹の為なら」

男「…じゃあ、一つだけ」

妹友「…それだけですか?」

男「うん、頼むよ」

妹友「それを頼むってことは、妹の隠してることはやっぱり…」

男「どんな風になるかは分からないけどね」

妹友「…分かりました、絶対にします」

男「心強いよ」

妹友「じゃあ…私はここで」

男「あ、送ってくよ」

妹友「良いですよ、お兄ちゃんは早く妹のところに行かないと」

男「……。」

妹友「あとは、任せましたから」

男「…分かった」

妹友「では、さようなら」

男「……。」

男「妹友ちゃん」

妹友「…なんですか?」

男「きっと妹が妹友ちゃんと友達になったのは偶然じゃないよ」

妹友「……。」

男「妹と一番の友達になれるのは妹友ちゃんだけだと思うから」

男「だからきっと、妹が妹友ちゃんと友達になれたのはサンタの気まぐれなんかじゃない」

妹友「…ありがとう、お兄ちゃん」

男「うん…じゃあ」

妹友「じゃあ、私も一つ」

男「…ん?」

妹友「そろそろ妹の気持ちに気付いてあげてください」

男「…気持ち?」

妹友「いえ、もう気付いてるのかもしれないけど…ちゃんと向き合ってあげてくださいね」

妹友「妹、あの通りにちょっと…素直じゃないから」

男「……。」

妹友「…ふふ、じゃあまたねお兄ちゃん」

男「ああ」

妹友「……。」ピタッ

男「妹も、妹友ちゃんの話をたくさんするよ。きっと妹友ちゃんのこと、一番の友達だと思ってる」

妹友「…だと嬉しいな」

男「大丈夫、俺が保証する」

妹友「…私、妹の友達になれて良かったです」

男「うん」

妹友「きっと私が友達になれたのはたまたまですけど…それこそ、サンタの気まぐれで選ばれたようなものなのでしょうけど」

妹友「でも、妹の友達になれて、本当に嬉しかった」

男「…うん」

妹友「だから、妹に会えるのが今日で終わりなんて絶対に嫌です」

男「……。」

妹友「まだまだ、妹とやりたいことがあるのに、話したいことがあるのに」

妹友「…明日で消えちゃうなんて、私絶対に認めません」

妹友「だって…だってまだ、してないことがいっぱいあるんです」

妹友「一緒に映画も見に行ってないし、一緒に食べようって言ったパフェもまだ行ってないし」

妹友「飛行機に乗ってどこかに行きたいねって話もしたし、今度連れて行くねって言ったアクセサリー屋さんにもまだ行けてないし」

妹友「あ、お化粧の仕方も教えるって言ったんですよ?えへへ、あの子高校生になってもまだまだ子供だから」

男「……。」

妹友「妹とはたくさん約束をしてるんです。一年間だけじゃあ守れないようにって、私、妹とたくさん約束したんですから」

妹友「だから、それを守る前にいなくなっちゃうなんて許さない」

妹友「もし約束破ったら、妹となんて絶交なんだから、もう二度と…遊んでなんてやるもんか」

男「……。」

妹友「そうだよ、まだ言ってないこともいっぱいあるんですから」

妹友「妹って嘘つきなんです、知ってましたか?すぐ嘘をつくんですよ」

妹友「悲しいのに強がるし、泣きたいのに笑うし。なんなんでしょうね、あれ。何度言っても治らないから、本当にイライラするんですよ」

妹友「友達なんだから我慢しなくて良いんだよって言わないと、素直に泣いてすらくれないし」

妹友「これで文句を言わせる前に消えたら…私は誰に言えば良いんですかぁ…」

男「……。」

妹友「…お兄ちゃん、明日は妹と二人で一緒にいるんですよね」

男「…うん」

妹友「私は行っちゃダメなんですよね」

男「いや、それは…」

妹友「いいです、行きませんから。私はまた今度妹と遊びます」

男「……。」

妹「…むー」

妹友「あ、妹がいじけてるー」

妹「そ、そんなことないもん!」

妹友「分かれ道まで来ましたねー」

妹「あ、あそこがネコを見付けた場所だね」

妹友「ミャーは元気?」

妹「元気だよ!」

男「妹が可愛がりすぎてはじめはぐったりしてたけどな」

妹「さ、最近は気を付けてるもん!」

妹友「ふふ、じゃあ私はこっちなのでー」

男「送らなくて良いのか?」

妹友「妹に風邪を引かせちゃったら困るのでー」

妹「大丈夫、そんな簡単に引かないから」

男「って、言ってるけど?」

妹友「でもー…あ、だったら!」

男「ん?」

妹友「お兄ちゃん一人に送って欲しいなー」

妹「…え?」

男「ん、俺だけ?」

妹「な、なんで?」

妹友「妹に寒い中歩かせるのは嫌だし、あと…」

妹「あと?」

妹友「一回お兄ちゃんとお散歩デートがしたかったんだー」

妹「で、ででで…デート?」

妹友「ダメかな、お兄ちゃん」

男「デートはともかく、家まで送るのは構わないよ」

妹「だ、ダメぇ!」

妹友「え、なんで妹がダメって言ってるのかなー?」

妹「…うー」

妹友「嫉妬ー?」

妹「し、嫉妬なんかしてないもん!」

妹友「だったらお兄ちゃんと帰っても良いよねー」

妹「……。」

男「……?」

妹友「ん?どうしたの妹?」

妹「…も、もう知らない!」

男「あ、おい妹!」

妹「私先に家帰ってるからねッ!」

男「いやだから一人で帰るのは危ないって」

妹「危なくないもん!」

男「…え」

妹「にいさんはデートでもなんでもしてくれば?」

男「え、え?」

妹「…ふん!」

タッタッタッ

男「おい、待てって妹!」

妹友「……。」

男「…ごめん妹友ちゃん、ちょっと妹追いかけてくる」

妹友「待ってください、お兄ちゃん」

男「え?」

妹友「ちょっと二人で話がしたかったんです」

妹友「二人になるには、こういう方法しか思いつかなくて」

男「…え?」

妹友「妹の話です」

男「…わざと、怒らせたの?」

妹友「…妹にはあとで、謝ります」

男「いや、そうじゃなくて…」
妹友「それは良いですから、ちょっと話をしましょう」

男「…分かった」

妹友「お兄ちゃんに言われた通り、妹とはたくさん思い出を作りましたよ」

男「うん、ありがとう」

妹友「……。」