ようこそ 歪んだ水面へ
スカルプチュア
傍に居て欲しいと思うとき に、
あなたは、同じ気持 なのかな。
不安を探してるみたいに、
どこか 綻びを見付けようとして
あなたに、聞くことが怖い。
声高く 愛を吟うカナリヤと
同じ枝にとまる あたし は、
泥だらけの 烏
愛して欲しくて
抱きしめて 欲しくて
必死に羽ばたいて
汚い羽を 撒き散らして
どうしたら、同じように鳴けるんだろう?
地べたを這いずり回って
声を枯らして
あたしの来た道は、真っ暗で
明るすぎて 踏み出せない
違うの は、きっと
あたし だけ
笑うな
媚びるな
あたしはあたしでいい
真っ暗なままでいい
なのに、もう
愛してる筈がない
愛さないで
赦さないで
まっすぐな眼で、
あたしを見ないで。
責めて欲しかった
蔑んで欲しかった のに
あなたの唇は、唯
あたしを
愛してる筈がない
愛してる 筈が、ない
あたしはこんなに
夢であなたを 何度も死なせて
せめてあたしの腕で逝けばいい なんて、あはは
最期さえ 独り占めしたくて
えげつの無い 夢ばかり見てる。
現と区別の付かない、幻のあなたは屍で
切れた吐息を
冷えたからだを
愛さないで
あたしはあなたの
壊れたからだが欲しいんだ
零距離
1㍉だって、他の誰にも触れられたくない
心と体の 隙間。
あたしの孤独は あたしだけのもので、
哀しむこと すら、同じ
携帯の電池が 冷静に、
克つ、淡々と減って逝く みたいに
あたしの自我と 引き替えに
過ぎてゆく時間 時間時間
狂いそうなぐらい、正常で
燃え付きそうな程、冷徹に
我慢をするたび、ご褒美が貰える。
泣いたら泣いただけ いとしく成る。
掻き毟る爪に あかい糸
逢えないなら 余計
重ねたからだが 燃え上がる程、
あたしを燃やして
あなたを溶かして
思うままに成らない、から
尚更
あなたの、優しい刃が
あたしを通り抜ける。
愛してる より、
さよなら がいい
もう 歪みが抑えられないんだ
