お疲れ様です。
小学5年生になるとほとんどのご家庭では大手/非大手に関わらず、塾にお通いになられているかと思います。
ただ、塾に通うだけでは成績が伸びないお子さんも一定数いらっしゃる(我が家の酷語もそうですが)現実があります。
今回は浜学園やSAPIXなど大手塾に通っているだけでは伸びないお子さんに対し、山本塾の山本ひろかず先生が一石を投じてくれました。
とても参考になりましたので、ご紹介しようと思います。
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進学塾に通っていてもこれでは伸びませんよというお話をしていきます。
まず、進学塾に通う目的というのは、前提として『中学受験』っていうのがありまして、塾に入って学力が伸びたら伸びるだけ選択肢が広がっていきますので、それにこしたことはないのですが、実際のところ伸びずに終わる子もいれば、それどころか下がっていってしまうお子さんもいる訳ですよね。
それでも塾に通っていないよりはましでしょうというお考えもあるかもしれません。
しかし、僕が親の立場であったなら、決して安くはない授業料を払っていく訳ですから、そういう塾に行く以上は伸ばさないと損という前提でお話します。
内容としてはこういう風な受け方とか、こういう風な状態になっている時っていうのは『やっぱり伸びは知れていますよ』というお話と親御さんから見たときの『それを見極めるチェックポイント』みたいなものもお話もしていきますので、是非最後までご覧ください。
それではまず進学塾での勉強の流れの方からお話しておきますと
基本的に授業がまずありまして、毎回毎回その単元やその範囲に入っている宿題がありまして、それをこなして次の週に確認テストをやっていくという流れになってきます。
だいたいは曜日で決められていて、例えば月曜日に国語の授業があって、水曜日に算数で、理科と社会は金曜日にありますと学年によって教科数なども違います。
ですので、国語の宿題は何曜日のどこら辺でやろうとか、算数はどこでやってという風に埋め込んでいってちょっと時間が足りない時は日曜日時間を使えば抜けなく回っていくでしょうねという1週間のサイクルというのをまず最初に作っていくというのが基本になります。
ただこれは最低条件です。
最低条件と言いましたのは、今みたいにサイクルを作らずに気が向いた時とか時間があるときに宿題をやっていますというような感じでしたら、直前になってバタバタと形だけ宿題をこなしましたみたいなことになりますので、このサイクルを作るのは絶対条件というか最低条件でございます。
これはほとんどの子がこれぐらいのペースでこんだけの時間をかけていたなら回るよね、っていうのは大体分かってくると思うんですけれども、差がつくところはその仕上げ具合・中身の濃さ/深さであります。
そこで今回は授業と宿題とテストの3つに分けて、ひとつずつこんなやり方では伸びはしれていますよという風なお話をしていこうかと思います。
それではまず『授業の受け方』でございます。
算数という教科は特に授業での理解度っていうのが一番重要だと思います。
いくら家に帰ってたくさん時間をかけて宿題をしたところで、基本の理解度が低ければ、唯々時間がかかるだけで効率のよい学習にはなっていきません。
授業での理解度・吸収度を高くしなければなりません。
授業はそういう受か方をしないといけないんですけども、その差がどのようについていくかというと、頭の中の回転量というか考えている量、それから授業の場で試している量の違いでございます。
ただ、これは本当に親御さんがチェックしにくいというかチェックできないという部分なんですけれども、だからってこれを諦めてはいけません。
そこでまずイメージを浮かべてもらうために、大学生の授業の様子をちょっと想像してみて下さい。
授業の受け方が良い大学生とダメな大学生のイメージを想像して下さい。
良い受け方っていうのは、よく海外のテレビとかドラマで大学の講義でやりとりしているシーンがありますよね。
生徒がこうではないか?という自分の意見を言って、それに対して教授が良い面悪い面言ったり、その後で改めてどう思う?と投げかけて簡単に答えを言わずに過程の中でたくさんいろんなことを考えている状況ですよね。
意見を言っている学生だって自分の考えがあるから言える訳でもあるし、責任も持たないといけないという積極的な授業の受け方です。
一方、ダメな大学生ってただ参加しているだけの学生です。
講義に授業に出て自分ができることを増やそうとか、小学生的に言えば頭良くなりに来ている訳ではないんですよ。
ただ参加して単位を取りにきているだけの学生です。
もちろん中学受験の進学塾の中で単位を取りに来ているなんかいないんですけれども、ただ受け方としてはこの2つに分かれているんです。
自分の意見をぶつけに来ている子と、ただ参加しに来ているだけになって講師が前に書く板書をきちんと映して帰っているだけの子に分かれているんです。
もちろんいい方の受け方になっていかなければなりません。
そのためには、まず自分の意見・考えがあるか?っていることですね。
算数で問題を解く場面であるなら『先生より先に問題を見なさい』先生に読んでもらっているようではだめです。
先に読んでどんなヒントがあるの?とかこのヒントから何ができるの?っていうのを『まず先に考えなさい』ってことですね。
初めて習う単元など導入授業なら、いきなり問題を解くのではなくて、例えば今回は『速さ』というものを始めて教えますとなりましたら、まず『速さ』ってどういうものなのかとか、どんな単位があって時速何kmってこういう意味ですよ、秒速何mってこういう意味ですよなんていうところからスタートするんですけれども、それを聞いた時にもまず自分の意見・感想って出てこないといけないだっていうことなんですね。
例えば秒速6mで走るA君がいます。
ってでてきても、何にも感じていない子と『それって滅茶苦茶速くない?』って授業中言ってくれる子もいるんですが、その子は既に考えているんですね。
『秒速6m=1秒で6mってこんなに走るの?』
これぐらい積極的に考えが出ている授業の受け方なんですね。
さらに計算が入っている子は50m走で考えると8秒ちょっとで走り切るのだから、自分でも走れそうだと考える訳です。
このように考えていた子はもうイメージ入っています。
それに対して考えていない子はただの数字でしかないです。
というように『差』がついていく訳ですけども、先に先に自分の意見を出していく、考えを出していくって言われてもなかなかそんなことできないじゃないですかという人のために予習していけばいいのです。
予習なんかしている時間はないと思われている方がほとんどだと思うかもしれませんが、今言ったような先走って自分の考えを持つための予習ってあるんですよっていうのを紹介してますので、よければ見ておいてください。
ということで、先に自分の考えが必要であるってまず思わせて下さい。
そうでないと、受け身のノートだけ取って帰ってくる授業の受け方になってしまいますからね。
とにかく自分ができることを先にやっちゃうという意識は絶対に持たしといて下さい。
そういう姿勢で受けていれば途中までは教えてもらった後に、『次じゃこうするな』とか考えていても、先生また違う方向にいったら、『こっちでもないんだ』ということに気付いたりもしますし、授業っていうのはこんな考え方でこんな答えを出す人多いんですよって間違い易い例とか教えてくれたりするんですが、まさに自分がそれを考えていることって先走っていったら結構あるんですよ。
ああ~自分その失敗よくある落とし穴に嵌まっているじゃないっていうのもボーンと自分にインパクト来ますからね。
頭に残りやすい訳ですよ。
自ら先に答えを出そうとしていない子は、落とし穴にすら嵌まっていないです。
だからそんな例を挙げられたって、それが頭の中に残りにくいんですね。
計算だって、先に自分でやりなさいっていう風に言いましたが、やっていれば正しい答えを出さたときに、自分の計算ミスにも気付く場面だってあるでしょう。
間違いに気付くものが優秀な者である。
これは参考書にも書いていませんし、ノートにも書き込んでいないことですが、ここが授業のいいところなんです。
そこで親御さんからのチェックポイントです。
『お子さんが授業の中でどれだけ頭を使って、どれだけ印象にいろんなものを残して帰ってきたか?』
これはお子さんとの会話の中でノートに残らないようなことをどれだけ覚えているか、どれだけ言えるかだと思って話をしてみて下さい。
親:『今回の内容どうだった?』
子:『難しかった(簡単だった)』
ではなくて
子:『こういう間違え方をよくするよ注意してねって先生言っていたけど、僕も授業ではやっちゃった。でも僕は間違えて気付いたよ。』
そういうのが残っているかどうかです。
毎回特別何にもなかったなんてことは絶対ないです。
授業受けていれば何かあります。
それを探すつもりで行ってきなさいという風に送り込んで下さい。
でないと、参加しているだけの授業の受け方ってことだと思っておきましょう。
次は宿題のこなし方です。
宿題の範囲になっている問題を自分で解きまして、答え合わせをしまして、間違えたものはやり直してという流れで一通り仕上げるという作業をしてくれることにはなると思います。
それを毎回毎回きちんとやっているのに成績が伸びないという方です。
さぁ、これはどこをチェックして欲しいかと言いますと、宿題の中で我が子にとって難しい問題と簡単な問題があるはずなんですね。
これは授業で教わったし、それとほぼ一緒なので基本問題とこれはちょっと捻った授業でも扱わなかった頭を使う難しい問題と分かれるのですが、頑張って欲しいのは『簡単な問題』の方なんです。
成績が伸びない前に安定しない子ですね。
宿題のやり方に問題があると思います。
難しい問題は嫌でも頭を使うんですよ。難しいですから。
頭を使っている量が少ないとか作業として少ないという意味ではこっちの簡単な問題の方ですね。
テストの成績を安定させていくためには、あるいは入試で確実に合格するという意味でも結構重要なところなんですけれども、簡単な問題を確実に合わせるのにあんまり力が入っていないということです。
成績が伸びていかない子っていうのは、まず確実性が低いです。
簡単な問題も本当に確実になった上でちょっと難しい問題という問題というのを上乗せしていく訳ですけれども、こっち(簡単な問題)の方が力を入れてできてないっていう子をよく見かけます。
では宿題ではどうすればよいか?
これはできるという問題が絶対あるんですよね。
ではこれの○付けをする前に確実に○になる答えを書いているかということを見直すぐらいのつもりでやって欲しいです。
でないとこれはただの作業になってしまいます。
できるっていう問題はもう一回しっかりと見直して、確かめを入れてから答え合わせするぐたいの感覚でやって欲しいと思います。
塾で習った内容を定着させるためにとか、復習テストなどで点数を取るために、宿題を2回も3回も回して覚えるぐらいやらせていますという方もおられるんですけど、それをするぐらいなら特に1回目も変わりませんという答えにするっていうのをやって欲しいです。
ちょっとしたことですが、文章問題であればこれは出来たと答え出して、最後に何を答えるんですか?A君の年齢を答えるの?B君の年齢を答えるの?細かいところにはなりますが、そういうチェックや確認したうえで答えを書いているとか、太郎君の歩く速さを求めているのに秒速30mなどとんでもない速さを平気で書いていませんか?
単位ミスったとか、そんなレベルではないです。
確認をしていないです。
だから出来ると思ったものは確実に〇にするという意識で宿題というのはしていかないといけない。これがまず1点です。
実は宿題として出ている問題を解くことになるでしょうが、それはやって当然でそれだけではダメなんです。
他にももっとやれって言うんですか?
その通りなんです!
伸びていく子っていうのは、宿題以外のところでも習ったことを使っているということを知っておいてください。
例えば『割合』を習ったら20%ってどれくらいの大きさで20%増えたっていうことはどれくらいの大きさになったかということを習ったとしましょう。
関係ないところでAの面積を出してみたら200㎝²、Bの方は計算して240㎝²だったと。
大きさでいうとAとBの差は40cm²であったけれども、割合でいったら、これAから20%増えたってことになります。
伸びていく子っていうのは習ったことをどこかでその出番が来た時使っているんです。
そういう意味では勉強量が普通に宿題として出ているものをやっている子より何倍も多いんですよね。
ここではもう少しチェックポイントとしてなるものを紹介しておきます。
例えば『素数』や『平方数』を習ったとします。
『素数』ってこういうもんだよ、『平方数』ってこういう数のこというのを習って、宿題にも出たときには解いてみるのですが、例えば323とか343とか僕5年生くらいだったら試したりするんですよね。
これって学年上がれば上がるほど見覚えのある数って増えていくはずなんですが、明確に5年6年で差が出てきます。
343という数は7×7×7なんですよ。
これは3つかけているから立法数という数なんです。
覚えなければいけないという数ではないですが、どこかで見かけているはずなんです。
343も323も素数ぽい数にも見えるんですよね。
素数って調べるしかないですよね。
別に規則性とかもないですから。
323を調べてみたでもいいし、計算問題やっていたら、計算問題の答えに出てきたでもいいです。
これは実は17×19なんです。
約数がすごい見つけにくい数なんですよ。
でも出てきた時にちょっと印象に残っている子っていうのはもう考えている量が多いです。
平方数の方もそうなんですが、144という数字は結構よく覚えてくれる数字なんです。
12×12なんです。
平方数は知っていれば知っているだけ得なんです。
覚えましょうなんていう宿題がなかったとしてもです。
レベルが高い子になればなるほど高学年になったらこういうの
凄く増えています。
常に数を見ている子というのはふと掛け算をしてみたら、8×18も144になるから平方数でなくても成立するのは何故だろう。
これを放っておく子とそれを何故だろうかと考えてみる子がいます。
何故12×12と8×18が一緒になるのでしょうか?というのは宿題にはなっていないのです。
というように素数とか平方数を例に挙げましたが、習ったものを関係のあるところでちょっと使ってみるとか、その関係を探ってみるという作業っていうのは宿題ではないところでやっておかないといけないのです。
そこでチェックポイントです。
単純に知っている数が増えているかどうか
4年から塾に入ったとしても、4年5年6年っていう風にいろんな数を見てきていろんな計算をしてきています。
レベルの高い子はもう確実に知っている数が多いです。
習ったものは使ってなんぼです。
学力を伸ばしていきたいのなら、とにかくそれを強調していって下さい。
最後にテストの扱い方についてお話します。
テストっていうのは結果ですから、先ほどの授業とか宿題ほど『差がつく』ということは少ないんです。
でもチェックポイントはありますのでお話しておきます。
まずテストにつきましては大きく分けで以下の2種類
・復習/確認テスト
・実力テスト
実力テストはまさに今までやったことの結果でございますので、ここではちょっと置いておいて、この復習/確認テストの扱いについてでございます。
これも塾によって異なるかとは思いますが、復習テストをやりましたら必ずやり直しをして提出を求める塾もあるかもしれませんが、ただ間違ったところをやり直しするだけでは足りません。
意識として足りないという風に思っておいてください。
まずやり直しをするかどうかは別として、間違った問題が気になっているかどうかです。
特に4年生5年生くらいでしたら範囲のあるテストですから、出来ないとダメです。
そこで間違っているのに気にならないじゃダメなんだっていうことです。
流石に6年生になったら、ちょっと捻ったり、時間制限を短くしたりして簡単に100点なんて取れないよっていうものにするかもしれません。
『やり直しをしなさいと言われたからやっています』ではやっぱり足りないです。
まずこの間違いを気になっているかどうかで本当にやり方を分かっていたけれどただ単に計算ミスでとか、答えるものを間違えてとかいうものもあるでしょうけど、確実な答えにするとただのミスではなくてそこは欠けているんだってまずは思って欲しいです。
確認だとか復習のテストなのにこれちょっと解き方が分からないなんていうものがある子は意識としては100点をまず狙える状態に宿題自体仕上げて下さい。これが足りていません。
ここの設定を緩くハードルを下げていく子って本当に多いんです。
最初は満点狙って手と持っていたかもしれないですが、段々クラスの平均点も毎回出ますので、平均より上だからよいという感じになってくるんですが、それが偏差値全然変わりませんという子の考え方です。
偏差値っていうのは全体の中で上がっていかないと全体と同じ伸びをしているようでは偏差値というのは変わりません。
自分の位置って変わらないですね。
満点じゃないと納得いきませんっていう風な勉強の仕方になってないってことです。
これでは伸びませんっていうのはこういうことです。
100点取れるかどうかは別として意識の問題です。
塾に通ってやることはそれなりにやっているはずなんだけれども、成績が上がっていかないということが起きた場合、本当はそうなる前にこの動画の内容をチェックして1個でも確認ができることがあればちょっと厳しめにチェックしてプラスにもっていって欲しいと思います。
それくらい塾の中で成績上げていくって大変なことなんです。
第一はその覚悟です。
その助けになれば幸いです。
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いかがでしたでしょうか。
今回はSAPIXや浜学園などの塾の通い方、使い方を示してくれました。
我が家も新5年生が始まり、日常の家庭学習のサイクルを構築しているところですが、山本先生はそれは当たり前の話で、差がつくところは『その教材の仕上げ具合、中身の濃さ、深さ』であると指摘されております。
授業中にどれだけ頭を使っているか、考えているか?
逆に言えば、参加しているだけになっていないか?
一見、板書を写すことも勉強という範疇に含むこともあるかもしれませんが、ここで指摘されているのが我が子が何を考えて、どう捉えてきたか?ということになります。
どこまで我が子が学びを深めてきたか?
なかなか可視化することができないので、我々保護者は我が子の学びがどの程度かがわからないこともある現状かと思います。
ただ、最近は愚息と学習を進めることで、我が子と心の会話をすることができました。
愚息が何を考え、どこで間違ったのか、何が足りないのか?
一緒に勉強することで、いろいろ見えてきました。
結果として、塾での愚息の在り様も少し見えてきました。
『間違いに気付く者こそが優秀だ!』
これは塾の授業だけでなく、家庭学習でも大切なことだと思います。
小さいことではありますが、私自身もSAPIXの教材のミス(FigureとTableの違いなど)を見つけることもありました。
今にして思えば、それだけ没頭していたことの裏返しかと思います。
恐らくここが山本先生が言わんとしたことだと思います。
次に宿題についてです。
家庭学習ではSAPIX教材を何回まわせるか?
これが我が家のルーチンワークになっていました。
加えて、市販の問題集や予習シリーズ、コベツバなどを用いて徹底的にトレーニングを積んだきました。
ただ、これは1対1対応的にやっていたように思います。
理解度をAにするまでに、穴(できない問題)を見つけにいくことにやっきになっていました。
そしてその問題を幾度となく解くことに専念してきました。
この勉強法に一定の効果があったことは間違いありません。
しかし、今回の山本先生の指摘によって『学習の幅』が広ったように思います。
時間はすべての人に平等に与えられています。
しかし、その限られた時間の中で吸収する量、そして身につけられる量は十人十色です。
山本先生の話では、伸びていく子は『習ったことをどこかで出番が来た時に使っていく』ので、勉強量が普通に宿題をしている子の何倍も多くなると指摘しています。
宿題や授業でやり残した課題はやりきるのは当然。
ここで満足していては差をつけられるということです。
習った単元の仕上げの精度を高めるため、いかに考える量を増やしていくか、さらには習ったものを徹底的に使っていくことを日ごろから強調していくようにしたいと思います。
また、勉強の仕方として常に100点(満点)が取れるように意識してやっていくことが最近は少し薄れていたように気がします。
もちろん、試験で満点を目指すことも必要ですが、まずは満点を目指した日常の勉強の意識改革から始めていかなければならないと改めて思った次第です。
<追記>
さて今週は酸素と二酸化炭素の復習です。
ようやくお風呂で覚えた周期表が役に立つ時が参りました。
現状は水素からカルシウムまでは完璧に覚えております。
予習シリーズでは酸素と二酸化炭素だけでなく、水素やアンモニアなども詳しく学習できるようになっていました。
SAPIXでは『酸素』と『二酸化炭素』にFocusされていました。
今回は化学式でも化学反応が分かるように学習を進めてみました。
石灰石の代わりに貝殻やチョークなども代用できますね。
一方、炭酸水素ナトリウムを加熱してもできます。
2NaHCO3 → CO2 + H20 + Na2CO3
高校化学を極めた我々保護者としては何ら問題なく記憶の片隅から呼び起こすことができますが、初見の愚息にとっては自分のものにするまでに相応の時間がかかりました。
初日は完敗。周期表の覚え直し。
二日目は理解に成功。自力ではまだ書けません。
三日目には二酸化炭素の生成の分子式すらすら書けるようになりました。
さらに一価、二価の陽・陰イオンの意味についても理解してもらいました。
今回はこれらの参考書が愚息の学習を役立ちました。
つづいては酸素の生成です。
過酸化水素も触媒の二酸化マンガンによって酸素と水に化学反応が起きます。
私自身が小学生の頃、傷口にオキシドールを噴霧し、傷口から泡が出たことを思い出しました。あれが酸素です。
ここで愚息に問題を出してみました。
①過酸化水素水(H2O2)の他の基質は?
②二酸化マンガン以外の触媒は?
愚息:『①はたぶんオキシドールだよね。②は分からない』
過酸化水素水とは、化学式H2O2で表される過酸化水素を水で希釈した液体で、無色透明で特有の臭いがあり、強い酸化作用を持っています。
過酸化水素水は、消毒や漂白、脱臭などの目的で広く用いられています。
医療分野では、傷口の消毒や歯科治療における口腔内の洗浄などに使用されます。
また、家庭では、衣類の漂白剤やキッチン周りの清掃剤としても活用されることがあります。
一方、オキシドールは過酸化水素水の一種であり、特に医薬品として利用される際の商品名の一つです。
この名称は特定の濃度の過酸化水素水を指し、主に傷口の消毒や洗浄に用いられます。
オキシドールは一般的に市販されている過酸化水素水よりも安定した形で製品化されており、使用時の安全性が高められています。
つづいて触媒についてです。
触媒は下記のように熱に強い無機触媒とタンパク質でてきていて熱に弱い生体触媒(酵素)があります。
この酸化マンガンこそが無機触媒になります。
自身は変化しないので過酸化水素水の化学変化に酸化マンガンは書かれていません。
H2O2は基質と呼ばれますが、この基質(H2O2)が勝手に生成物(水+酸素)にはなることはありません。
そこで働くのは触媒(酵素)です。
このように過酸化水素水から二酸化炭素と水に分解するのに働く触媒として無機触媒の酸化マンガンと我々の生体触媒としてカタラーゼ(酵素)もあります。
<カタラーゼ>
過酸化水素に紫外線を当てると酸素―酸素結合が切断され、もっとも生体成分傷害性の高い・OH を生成します。
また、Fe2+や Cu+のような還元型の金属イオンによってフェントン反応(H2O2+ Fe2+→・OH+OH-+Fe3+)とよばれる反応が起こり、これにより・OH が生成します。
したがって、生体は過酸化水素を安全に分解する必要があるのです。
過酸化水素を消去する酵素であるカタラーゼはカタラーゼは活性部位にヘム鉄を含み、2H2O2→O2+2H2Oのように過酸化水素を不均化して安全な酸素と水にします。
特に肝臓、腎臓や赤血球に多く存在しています。
実験でレバー(肝臓)にオキシドールをかけると酸素の泡が発生するというものがありますが、これはカタラーゼによる反応です。
SODはスーパーオキシドを消去しますが、その際に過酸化水素が生成されてしまうので、カタラーゼとSODが協同的に働くことにより、活性酸素から生体を防御しているわけです。
ここまで学んだ愚息に確認する意味で問題を出してみました。
無機触媒と生体触媒の性質について問われています。
生体触媒は熱に弱いことを理解していれば自ずと正解は見えてきます。
肝臓の中にカタラーゼが入っているのは織り込み済みです(SAPIXの教材の問題にも『生レバー』がありました)。
熱により酵素(カタラーゼ)の形が変化して触媒として作用することができなくなってしまうことが原因です。
これは正解してくれたのでもう1問出してみました。
愚息には少々難しかったようです。
でした。
無機触媒は酸性(HCl)の条件下でも、アルカリ性(NaOH)の条件下でも触媒として働きますが、生体触媒(酵素)は最も働くPH帯が存在します。
それが中性という条件下です。
つまり酸性(HCl)やアルカリ性(NaOH)の条件下では働きません。
酵素の働きはPHによって変わる最適PHがあるということです。
今回、愚息は『触媒』についても少々深く学習することができたと思います。
これらがテストの点数に直接結びつくかは分かりませんが、化学の面白さを少しでも感じてくれたらいいですね。
(医学部に入ったら、もしくは医師になったら、『代謝性(呼吸性)アシドーシスやアルカローシス』は嫌というほど勉強することになるのですから!)
愚息:『でもママは触媒なしでも化学反応するよね。ケラケラケラ~。』
愚息:『あっ!』
口は災いの元ですね…。
本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
また1週間頑張っていきましょう!