お疲れ様です。
個別指導塾のテスティーの繁田先生の『受験に合格するための新小学5年生春の過ごし方』という動画を拝聴しましたが、今回は数理教育研究会の茶谷先生の『小5の算数その重要性の真実』という動画を拝聴しました。
5年生を迎えるにあたってなかなか参考になった内容でしたのでご紹介したいと思います。
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所謂小学5年生の算数がとても重要だっていうのは、塾に行かれていると説明会などで聞かれている方も多いかと思うんですけども、それはなぜなのか?ということを今回は二つの点からお話していこうという風に思います。
まず第一がですね『カリキュラムが重要だ』ということですね。
小5の学年っていうのは、『受験に出てくる重要な単元を基本的にすべて学ぶ』そういう学年なんですね。
だから、小5の算数の所謂ベーシックだとか平常だとかいわれるような講座を全部やると、一応入試に出てくる問題はすべて解くことになります。
例えば算数でいうなれば『割合』や『比』さらには『比や割合を使った図形の相似形』などです。
また、文章題の解き方も比を使うとちょっと高度化してくるんですね。
それまでは線分図で長さを揃えましょうみたいにやったのを式で片づけるようになったりします。
そういうことを学ぶのが大抵の塾では5年生でやるということになります。
中にはちょっと早めの塾があって4年生で基礎的な比を教えますよというところもあったりするんですけど、大多数の塾では5年生で全部出揃うというのが一般なんですね。
同じことが理科にも言えます。
4年生でも理科がある塾ってあるんですけれど、5年生でやることが基本的に受験に全部出る、受験に出るすべての範囲を基本的には5年生のうちに終わる、または6年生の最初くらいまでちょっと雪崩れ込む塾もあったりしますけれども、5年生のことが大切であるっていうのが、算数・理科については言えることなんですね。
そういった意味でカリキュラムが大切ねことを学びますと、それを学んだら受験に直結していますという意味で大切だということなんですね。
それから、教材の量が新しいことを学ぶのに伴って、小4から小5でだいたいやることが2倍くらいになって、5年から6年生でまた倍くらいに増えると、4年生から6年生で4倍になっちゃうというのが、一般的に関西とかだったら普通そうなんですね。
大抵の上位校を目指すような塾はそうなっているという風に言えますね。
でも関東ってそうでもないですよね。
小4から小5はそんなに変わらないけれど、小5から小6で一気に増えるという僕らも教えていてもそう感じることがありますね。
これを言うと関東にずっとおられる先生方に叱られるかもしれませんが、小5でもうちょっとやればいいのになと思います。
そうすると6年生楽になるかなと思うことも多かったりもします。
でもやっぱり、5年生くらいからいろいろな厚みのあることを勉強するというところは変わらないんですね。
ですから、そういうカリキュラムという意味で小5は大切ですよということですね。これが第一です。
第二が『勉強のやり方、姿勢、そして中身を身につける』のに小5はとても大切だということなんですね。
算数の力って一言にいっても中身を大きく二つに分けると
・知識
・処理能力
ですね。
『知っていることと計算が早いことと思考力』この二つの分野に分かれるという風に一般的にいえると思うんですね。
この両輪が揃って初めて高い得点を有することができるという風に言えるんですけれども、小5でそのいろいろな新しい単元とか重要な単元を学ぶときに、このバランスを上手に取った勉強法を是非身につけて欲しいということなんですね。
塾では『思考力ですよ』という風に言ってはいても、基本的に今の集団塾ではほとんどが復習主義、つまり授業でやったことを基に子どもに考えさせましょうということで、まず子どもに知識を与えてそこから広げていきましょうということなのです。
最初に考えながらというよりもいろいろな知識を入れていくという作業をする方が効率が良くて、そういうスタイルのところがほとんどなので、集団塾で授業を受けたということの知識を吸収することが勉強だっていう風になりがちなんですね。
だから塾によっては教材をみたら思考力を鍛えるって書いてあるんですけれど、集団塾の幸地のスタイルからして、そこで思考力を鍛えるっているのは実はなかなかに難しいのです。
子どもに考える時間を与えなければならないし、考える作業をさせるヒントを与えたり、我々個別だからその辺を直接見ながら、ちょっと時間を取ったりできる訳ですけれど、集団だと沢山子どもがいる訳で、その子ども一人一人に考える時間をうまく取らせて、その子供が考えられたかどうかを見極めるというのは構造的に難しいんですね。
なので、そこに重点を置こうと思っても、なかなか置けないということで、どうしても知識を授け、そして問題を沢山解かせて処理能力の速度を上げる計算練習をさせるとか、そういったことにどうしても重点を置いてしまいがちなところっていうのがあると思うんですね。
5年生で凄く努力をして習ったことは全部やりました、そして宿題もやったし、有名な問題集があったらどんどん手に入れました、そして良い違うことを教えてくれる塾があったら掛け持ちしました、というようにどんどん知識を吸収してきましたという子だと、そういう知識を吸収する場が多ければ多いほど考える時間が実は削られていて、沢山のことは知ってはいるけれどもその先に何か考えていない、そういうのがどうして出てきたのか?そういう問題、そういう問題をどういう風に分析して料理したらその解き方に繋がったのかとか、その辺の部分をしっかり考える時間が無かったりする子っているんですね。
また逆に、塾にあまり行っていなかった子とか、あまり授業を熱心に聞いていなかった子とかは、目茶目茶考えることは出来るけれども、授業を聞いていなかったりしなかったお陰でどんな問題を解いても凄く時間がかかる一方で、これは塾に行っている子でも解けないよねっていう問題も同じ時間で解けっちゃったりする
こともあるんですよね。
方や処理能力ばかりに重点を置いてきた、方や考えることばかりに重点を置いてきた、そういう子が6年生になってそこから修正しようとすると、結構上手くいかないんですね。
もちろん、小6からやってもそれが修正できる子っていてですね、我々もバランス悪いなと思ったら、子どもによって『君はこれもうちょっとここ考えてみようか』っていう形でやらせたり、またはちょっと知識が少なかったら『これちょっとまとめておこうか』っていう形でやったり、いろいろ修正しようと思うんですが、小5の一年間、この重要な一年間に変な癖がついちゃって、片方だけをやっていると、しかも重要な単元を学んでいるということになると、それが習慣化されてしまって6年生の一年間だけでは修正できないっていうケースも結構あるんですね。
しかも6年生の後半になると、実際テストで点を取るかどうかってことが重要になってきて、どちらかというと
長い時間考える=長考する
ということがどんどん減っていくんですね。
ですから、所謂集団塾で陥りがちな考える時間が減ってしまうということ+入試が近づいてきて、ますます考える時間が減ってしまうということで『知識だけの塊』になってしまうケースが意外と多かったりするんですよね。
だから、そういう子は物凄くよく勉強していると6年生の最初は凄く成績が良かったりするんですが、それは今までよく勉強してきた知識で勝っちゃうんですね。
ところが、6年生になって勉強量が少なかった子も勉強し出すと、どんどん追いついてくる訳で6年生の秋口とか受験手前になって追いつかれてきて滅茶苦茶焦ってきてしまうことになるんですね。
だから、『こう来たらこうだ』っている決まった解き方を覚えるだけではなくて、『この問題はこうも解けるし、あぁも解けるぞ』ということを指導者が見せて、どっちで行ったって答えに辿り着くことを示しながら『問題によってはこっちのやり方の方がよいケースもあるし、どっちが良いんだろうね』っていうことを考えるように示して見せるとか、または場合によってはテキストにある問題の中でこの問題は難しいけども解説しないでやらせてみようかというようなことをして、何でも教えられなければ出来ないというような状況を避けることをしておくことはとても大切なんですね。
それを上手く5年生の間に一年間やってくれたら、5年生で伸びてもそのまま6年生も順調に伸びていく、入試が近づいてきて友達に追いついてこられたなっていうこともあまり感じないで上手くいくっていうことも十分あり得ます。
考える力と知識
知識っていうのは意外と入れやすいので、考える力っていうのを身につけることがやっぱり時間がかかりますから、このバランスをよくするために、できれば5年生のうちから知識を入れながら考える方も疎かにならないようにしておくってことがとても大切だと思います。
6年生になってから成績を上げることももちろん出来るんだけれども、5年生の内から良い助走を切っておくと、その後の苦労が随分減るという話なんですよね。
とうことで小5の算数とても大切なんですけれども、カリキュラムいろいろ新しいの出てきますから、それを出来る限りその時にきちんとちゃんと身につけていくこと、そしてプラスしてその勉強の時の勉強に対する姿勢、『覚えることと考えること』これを両方とも両輪まわしていこうという意識をもってやって下さい。
それをして頂くだけで成績の上り方っていうのは長期的に変わってくると思いますので、是非頑張って欲しいと思います。
今日はここまでです。
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いかがでしたでしょうか。
まずカリキュラムですが、小5では小4の2倍になるということですが、SAPIXの算数、ボリュームが確かに2倍以上になったかと思います。
さらに四谷大塚の予習シリーズと比べても2倍くらいの量になったかとも思います。
と東大軍師(長谷川智也)先生も動画で述べられておりました。
実際小5SAPIX算数の先週の量を見て正直驚きました。
確かに小4算数の2倍の量がありました。
予習シリーズと比べてもかなりの量です。
一緒に勉強して愚息に足りないと思ったのは比を使わない等高図形と四角形の図形の性質についてのしっかりとした解き方をものにできていないことでした。
ここを身につけることが今回のテーマである『平面図形(1)』における愚息の新たな引き出しになると思いました。
一方、今回の『入試問題に挑戦』は桜蔭の過去問でした。
こうした『入試問題に挑戦』や『思考力の養成』問題も時間を計りながら解くトレーニングをしっかりとやることで、思考力および処理能力を鍛えていくことになるのではないかと思います。
難関校以上を目指す場合、塾の教材は余すことなく『ものにしていく』ことは必要条件に過ぎず、茶谷先生のおっしゃる
・知識
・思考力
・処理能力
を偏ることなく均等にトレーニングして強化していくことを意識していくことが大切なのだと思いました。
週末を含めてできなかった問題を中心に何度か回せるよう家庭カリキュラムを構築しました。
この『各週のカリキュラム習得』に加え、
【覚える用市販教材】
【考える用市販教材】
『覚える』こと、そして『考える』ことをしっかりと行っていくことを我が家の5年生の方針としてしていきたいと思います。
<追記>
愚息の小学校の理科で『水蒸気と湯気』についての授業がありました。
愚息の小学校ではどの教科も一から十まで教えてはくれません。
SAPIX同様『家庭学習』を要求しています。
帰宅した愚息の質問です。
『なぜ水蒸気は見えないのに湯気は見えるの?』
そこで愚息と一緒に調べてみました。
湯気と水蒸気の違いは、端的に言えば
・湯気=液体(細かい水の粒子)
・水蒸気=気体
であるということです。
湯気は白い煙のように目で見ることができますが、
水蒸気は無色透明な気体なので目で見ることができません。
湯気は空気が冷やされて空気中の水蒸気が細かい水滴(液体)となったもので、水蒸気は水(液体)が気体に状態変化したものになります。
ヤカンの先から出ている白い煙のようなものが湯気で、ヤカンの入り口付近に存在している無色透明な気体が水蒸気になります。
ここで状態変化についておさらいです。
<固体>
水素結合等でがちがちに固まった状態を言います。
物質の温度が低い場合、分子は死んだように動かない状態になります。
そうなると、水素結合やその他の力が強く働き、ガチガチに分子がくっついた状態になります。
これこそが『固体』という状態なんです。
<液体>
完全な拘束状態からは抜け出したが、まだ分子間の力で引き寄せ合っている状態。
氷は0度になると、溶けて水になります。
これは分子が動いて出ていく力 > 互いの分子の結合力となり、その束縛から抜け出して動きだした状態と言えます。
ただ、完全に開放されたわけではなく、水分子は互いに近いところを動き回れるようになりますが、互いの分子間で引き寄せ合う力が影響するので、完全に自由とはいえないような動きになります。
<気体>
互いの分子間の力から抜け出して、素早く動きまわる。
水は100度 (正確には99.974℃) になると水蒸気に変化する。
これは温度が高まって、水分子間の互いを結ぶ力から抜け出した状態ともいえます。
液体状態では残っていた互いにくっつこうとする力から抜け出した『自由な状態』になるわけです。
完全ではないですが、力を受けない『等速運動』に近い動きになります。
もちろん、温度が高まるとさらに高速に分子は動くようになります。
もう少し調べてみると
<状態図について>
水は通常0℃で氷から溶けて、100℃で蒸発します。
しかし、これは『気圧=1』という通常状態での常識でしかないんです。
気圧によって氷が溶ける『融解点』と蒸発する『沸点』は大きく変わります。
状態図は横軸を温度、縦軸を気圧として物質の状態がどうなるか表した図です。
気圧は、日常の環境を1としたものです。気圧2ならば、2倍の力で空気から押されるイメージです。
この図をみると、何度で状態変化が起きるのかが一目瞭然です。通常の1気圧では0℃と100℃で状態変化が起きることがわかります。
<三重点>
状態図を見ると、気体と固体と液体がちょうど重なり合うポイントがあります。この点を三重点と言います。
厳密にいうと、温度=0.01℃/気圧=0.006です。
実際はこの点になると固体/液体/気体が混ざりあった状態という特殊な状況になります。
日常では0℃で氷が溶けて100℃で蒸発するのが当たり前だと思っていますが、気圧によってその当たり前が変わってくるんです。
液体にならない気圧もありますし、気圧を上げていくと氷が水に変化するという驚くべき現象も起きます。
このように『固体』『液体』『気体』というのは結構変動的なものなんです。
さて、少々脱線しましたが、湯気と水蒸気に戻ります。
<湯気>
湯気とは、水蒸気が空気中で冷やされて細かい水滴になったものになります。
湯気というのは細かい水滴の集まりのことなので、液体になります。
ヤカンの中に存在する水蒸気をたくさん含んだ空気がヤカンの外に出ることで周囲の空気によって一気に冷やされます。
空気が冷やされることで空気中にたくさん含まれていた水蒸気は、空気中の眼に見えない細かい塵を核として集まり水滴として目に見えるようになります。
この現象は結露とも言われています。
結露という現象は身近でよく発生していて、コップに水滴が付いたり、窓ガラスに水滴が付いたりするのもそうです。
空にふわふわと浮かんでいる雲ができるのも湯気ができるのと仕組みは同じで、水蒸気を含んだ空気が冷やされて結露が発生することによるものなんです。
<水蒸気>
水蒸気とは水が蒸発してできた無色透明の気体のことです。
水が蒸発して気体になったものだから水蒸気です。
水を沸騰させてヤカンの口から出てくる白い煙のようなものは湯気ですが、ヤカンの中から水蒸気が空気中に出てきたことで冷やされたものです。
なのでヤカンの中や口から出てくる直前(冷やされる前)には、
無色透明の気体である水蒸気がそこに存在しているわけです。
またヤカンで水を沸騰させると、ヤカンのふたがカタカタと動きますよね。あれは水(液体)が水蒸気(気体)に変化したことで、体積が一気に大きくなり、ふたが持ち上げられたことによるものです。
水から水蒸気に状態が変化すると、体積は約1700倍大きくなります。
そして私たちが日常でよく使用している湿度は、空気中にどのくらいの水蒸気が存在するのかその割合を表したものです。
湿度は空気中の水分量だと思っている人も多いですが、
正確に言えば空気中に含まれている水蒸気の量になります。
これで愚息に即答できます。
最近は愚息から学ばせて頂くことが多い今日この頃です。
(※その後SAPIXの授業で状態変化を再学習しました)
どうやら今回は我が家の聖帝様の出番はないようです!
ただ、明日は聖帝様の●●歳の誕生日なのでケーキを買いに行かなければなりません。
『今日のは口に合わぬ』と言われぬよう命を懸けて選んでこようと思います。
本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
また1週間頑張っていきましょう!