お疲れ様です。
国語=漢字・語彙・読解の三位一体のトレーニングが必要であることをエヌラボスタディの新田先生が示してくれました。
今回は少々古い動画になりますが『文章読解の鉄則』や『国語塾技100』の著者でもある井上秀和先生が『語彙力のつけ方』についてレクチャーされておりましたので、拝聴してみました。
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今回の動画では語彙力についてお話したいと思います。
まずは語彙力の必要性についてです。
【語彙力の必要性】
これは一般的な大手塾のレベルでのお話になります。
小学校4年生くらいまでなら、日常会話レベルでなんとか乗り切れるかもしれません。
ここでいう日常会話レベルというのは、標準的な小学生の会話レベル、読書レベルという意味合いです。
ところが、小学校5年生の後半以降になってくると、だんだんとテキストやテストの本文内容が難しくなってきます。
今の保護者世代が小学生の頃(25~30年前)、中学入試で出題されていたレベルが現在は小学5年生後半で扱われるようになってきています。
段々前倒しになってレベルアップしてきています。
そうすると、語彙力の有無が顕著に成績を左右するようになります。
まず1点目ですが、語彙力がないと文章読解問題の本文が読めなくなってきます。
小学校6年生になると、高校の教科書レベルの内容も出題されることもあります。
たとえばテストで1つのページの中に分からない言葉が1~3個程度なら文脈で考えられることもあります。
ところが、分からない言葉だらけだと流石に文意が掴めなくなってきます。
これは英語の読解と同じです。
分からない英単語が多すぎて、英文の内容がさっぱり分からなくなったという経験はみなさんもあるのではないでしょうか。
さらに言えば、読む気力も削がれてしまいます。
実は、小学生にとってはとても大きいことなんですね。
気持ち、メンタルで負けてしまうということなんですね。
さぁ、2つ目です。
語彙力がないと、問題も解けなくなることです。
記号選択問題の選択肢は本文の言い換えでできていることがほとんどです。
ということは、言い換えられている言葉が分からないと、そこでアウト、終了です。
例をあげてみます。
物語文で登場人物が怒っているという場面で、選択肢だと『憤慨する』や『憤る』などで表現されることがあります。
この場合、『憤慨する』や『憤る』が分からないと、もう選べません。
この『言い換えの力』 = 『語彙力』なんですね。
【語彙力の身につけ方】
では、どうやって語彙力をつければよいのでしょうか?
ある大手塾の保護者会で言われていたことなのですが、『ご家庭での日常会話のレベルを上げて下さい』と言われたみないなんですね。
ところが、これは電気のスイッチを切り替えるように語彙レベルを上げることなんて、出来るはずはないんですよね。
また、語彙力アップのために読書を進めるという講師も結構いると思うんですけど、個人的にはお薦めしません。
理由は簡単です。
読書は映画や音楽と同様、勉強ではなくてエンターテインメント、娯楽なんですね。
目的が違うということです。
知らない言葉が出てくるたびに、いちいち辞書で調べていたら全く面白くないですよね。
ここで実践可能なことを2つ提案したいと思います。
1つ目はテストなどの本文から自分でオリジナルの語彙ノートを作るということです。
本文で分からない言葉があれば語彙ノートに書き出します。
『語句』と『意味』と『用例』を書き写しましょう。
『意味』はできるだけ平易な語釈のついた辞典がお勧めです。
中学生向けや高校生向けの辞典を使うことをお勧めします。
ただし、書いただけではなかなか覚えないのが小学生です!
ノートに書いて安心してしまうんですよね。
ですので、定期的に見返す時間を作りましょう。
例えば塾の行き帰り、学校に行く前の朝の時間、寝る前などです。とにかくルーティンにすることが大切ですね。
できれば保護者の方が穴埋め形式で問題を作ってあげるとさらに良いです。
英単語を覚えるときによく使っているような単語カードでもいいですね。
では次にお薦めの語彙問題集というのはありますか?
と聞かれることが多いので、現時点での語彙問題集のご紹介をしていきたいと思います。
小学生向けで定番というか有名なものとしては
『難語2000』とか『言葉力1200』とか『語彙力アップ1300』とか、このあたりはみなさんお持ちな方も多いのではないかと思います。
私が結構薦めているのが、中学生向けになりますが、『15歳までに知っておきたい言葉1800』になります。
カラーで非常に見やすくていいものではないかと思います。
一番お薦めするのがこちらです。
SAPIXの『言葉ナビ(上下巻)』というものなんですけれども、これは今はSAPIXの生徒さん以外は購入できません。
手に入れるとしたらヤフオクやメルカリを使うか、知り合いのSAPIXの卒業生に譲ってもらういう形になると思います。
古いものになると、かつてSAPIXは『コトノハ』というものを出していて、これもかなり良いテキストです。
現在『コトノハ』はAテキストに収録されていて、こちらも非売品というか売ってはいないので、譲ってもらう形になるかと思います。
もし入手できればすごく良いテキストなので役立ててもらえればなと思います。
とはいえ、語彙の本では中学受験用の決定版という本がなく、ちょっと困っていました。
では、語彙の問題集を作ろうということになりまして、『受験国語の必須語彙』というものを数年かけて執筆していました。
現在校正の段階に入っていますので、間もなく世の中に送り出すことができると思います。
この本は中学受験用となっていますが、高校受験でも十分に使える内容です。
作るのは結構大変だったんですけれども、納得のいくものができました。
是非、語彙の勉強にお役立て下さい。
最後は宣伝になってしまいましたが、語彙力は大切だというお話でした。
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いかがでしたでしょうか?
語彙の重要性とその学習法について詳細に述べられておりましたね。
①『本文の理解と問題の正確な読み取り』には語彙が必須である
②小学5年生後半以降難化する
③言い換え力≒語彙力
ご指摘のように英文を読む際に分からない単語が多すぎると、本文の理解どころか読み続けようとする意欲すら削がれます。
愚息のように現状『酷語』に悩まされているお子さんは、あるいはこのような絶対的な語彙力不足が根底にあるのかもしれません。
なまじ日常会話においては困ることがほとんどないので、とかくスルーしがちではありますが、井上先生のご指摘のように中学受験の国語においては5年生後半以降の文章読解で大きな壁にぶつかることが予想される以上、しっかりとした語彙の習得が必須であることは自明の理といえるのではないでしょうか。
SAPIXの『言葉ナビ』と『コトノハ』はよく出来ています。
SAPIX生の愚息は我が家の聖帝様の怒号を浴びながら毎日愚直に取り組んでいます。
もちろん1周で完璧になるのではありませんので、復習間隔はエビングハウスの忘却曲線を考慮しつつやらせています。
加えて市販の教材を追加して覚えてもらっています。
それが『必修語彙2800』を辞書代わりに『必修語彙ドリルA/BC』です。
この教材はことわざ、慣用句、4字熟語などの分野別にまとまっています。加えて以前から少しずつ継続していた『語彙力アップ1300シリーズ』も
この教材は二段に分かれていて、語彙意味が分からなくても前後の文脈からその意味を推測し、選択肢を選ばせる形式、その語彙を用いて例文の穴埋めをする形式の二段構えになっています。
また『難語2000』や『国語力を伸ばす語彙1700』はコンパクトにまとまっており、持ち運びが便利であることから小学校や塾への行き帰りに読んでもらっています。
いずれの教材も5年生の内に何度も回すことで、覚えるべき語彙をしっかりと身に着かせることが今年の目標のひとつと定めております。
そして2年後の受験本番までに『酷語』を脱却して臨ませてあげたいと思います。
<追記>
先日SAPIXのテストの見返しをしていて、愚息から『黒はなぜ光の吸収量が多いのか』という質問がありましたので調べてみました。
「光」とは、物理的には電磁波の内の一種です。
電磁波には波長が1 pm(=10-12 m)以下のガンマ線等から、波長が1 m を超える放送・通信用電波に至るまで、極めて広範囲の波長のものが知られていますが、その内で波長がおよそ10 nm~1 mm(1 nm=10-9 m)辺りの電磁波が“広義”の「光」とされ、またその中でも人間の眼に「明るさ」や「色」の感覚を引き起こす作用のある波長域(およそ380~780 nm)の領域が“狭義”の「光」(可視光または可視放射)です。
元々「光」とは、人間の眼に「明るさ」や「色」の感覚を引き起こすものとして認識され、これが本来の「光(可視光)」であったのですが、科学技術の発達によって、可視光の波長域の両側に眼には見えないけれども物理的には可視光と殆ど同じ特性の電磁波が存在することが解明され、眼という視点を離れて物理的視点からこれらを含めて「光」(広義の光)と言うようになった訳です。
人間生活に極めて大きな影響を及ぼす、可視光(狭義の光)の重要さは論を待ちませんが、紫外・赤外を含む広義の光もまた、直接的・間接的に様々な形で人間生活に影響を及ぼしています。
これらの実際に観察される様々な現象・効果、例えば紫外放射による肌の日焼け、可視放射による物体の色、赤外放射による温熱効果、等々は、光の波長域に応じて色々と異なっており、それぞれの現象・効果の間には一見全く関連が無いようにも思えます。
しかし、これらの各種現象全体については、物質を構成する各種原子(原子核と電子)・分子群と光(電磁波)との相互作用の結果として統一的に論じることができます。
物体への入射光(放射束)は、微視的には物体を構成する物質(原子・分子)との相互作用の結果として、巨視的に捉えた「反射」、「吸収」、「透過」という三つの行先に分かれ、これらの間にはエネルギー保存則が成り立ちます。
物体への入射光(放射束)は、微視的には物体を構成する物質(原子・分子)との相互作用の結果として、巨視的に捉えた「反射」、「吸収」、「透過」という三つの行先に分かれ、これらの間にはエネルギー保存則が成り立ちます。
一般的に
『物体への入射放射束』
=『反射放射束』+『非吸収放射束』+『透過放射束』
となります。
この三つの要素の相対比率が、物質の構成要素(原子・分子)、入射光の波長(振動数)、その他の条件(物体への入射角、物体の表面状態、等々)との相互関係に依存して変化することになります。
ここまで反射、透過そして吸収について理解できました。
さて、ここからは吸収について具体的な学習を進めてみます。
光を通さない反射物体が、どの波長の光をどれだけ反射するかという特性をグラフに表したものを分光反射率曲線といいます。
グラフの横軸は可視光の波長範囲を示し、グラフの縦軸は光の反射率を示してます。
分光分布が「光のプロフィール」なら、分光反射率曲線は「物体のプロフィール」ともいえるでしょう。
グラフを見れば、物体が反射する波長の光やその強さを知ることができます。
また、光を通す透過物体では同様のグラフを分光透過率曲線といいます。
縦軸が光の透過率となりますが、グラフの見方も同じで山が高いほどその波長成分を多く透過するため、その色みが強く見えます。
いずれも分光分布と同様に400 ~ 700nmの波長範囲で表されるのが一般的です。
以上より黒が光を吸収する理由について学習ができました。
加えて、現在はグラフの読み方の練習をしていますので、分光反射率曲線をどのように説明できるか、愚息に説明させてみました。
こうしたトレーニングがいつか必ず愚息の糧になると信じて頑張っていきたいと思います。
ただ心配の種は…。
本日は私は日当直で不在なので、我が家では戸塚ヨットスクールもびっくりの超絶スパルタ個別指導が今頃は展開されているかと思われます。
死ぬなよ、息子~!
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
また1週間頑張っていきましょう!