本人確認情報の作成は,表示に関する登記の申請では土地家屋調査士に与えられた特権と言ってもいい。
その内容は「資格者代理人が申請人の氏名を知り,かつ,当該申請人と面識があるとき」と,そうでない場合とで異なる。
提供すべき本人確認情報の内容を把握しておくことも重要だが,「資格者代理人が申請人の氏名を知り,かつ,当該申請人と面識があるとき」とはいかなる場合をいうのかも把握しておくべき。
記述予想問題
問 土地家屋調査士が本人確認情報を作成する場合において,「資格者代理人である土地家屋調査士が申請人の氏名を知り,かつ,当該申請人と面識があるとき」とはいかなる場合をいうのか,その一例を挙げよ。
こんな問題にも対処できるようにしておきたい。
直前的中模試第4回の解説冊子P23のPOINTにある2つの黒点の文章のうち1つは書けるように練習しておこう。
直前的中模試第4回成績順位の公表です。
申込者 49名 答案提出者 31名
択一~最高点47.5点(19問正解) 最低点=25.0点(10問正解)
基準点37.5点(15問正解)
書式~最高点46.0点 最低点20.5点
基準点32.0点
順位(総合得点上位者で,択一書式双方とも基準点を満たした者上位10名掲載。★=本試験合格推定者,(生)=生クラス受講生)
1位 ★東京K様(生) 択一45.0+土地23.0+建物22.5=90.5
2位 ★沖縄H様 45.0+23.5+21.0=89.5
3位 ★埼玉戸田S様(生) 47.5+15.5+25.0=88.0
3位 ★三重K様 42.5+24.0+21.5=88.0
5位 ★東京足立Y様(生) 40.0+23.0+21.5=84.5
6位 ★茨城O様 45.0+21.5+17.0=83.5
6位 ★東京Y様 37.5+24.0+22.0=83.5
8位 ★神奈川M様(生) 45.0+18.0+19.0=82.0
9位 神奈川K様 37.5+22.5+19.0=79.0
10位 東京板橋Y様(生) 42.5+11.0+25.0=78.5
講評
・択一
31名中19名が基準点クリアーの15問以上正解。
民法
全部正解できていいレベル。
第1問の代理。復代理については復任権と原代理人の責任を完璧にしておこう。P2のPOINTで知識の整理を。
第2問はイウエが大事。エの肢,賃借権なら工事完了と共に消滅する。抵当権とは異なることを確認しておこう。不動産登記でも重要な内容となる。
第3問はアウエオが大事。オは「放単限共」です。
不動産登記
第4問の地目認定はPK。
第5問の登記の対象となる建物と一個性。ウエは文章でも書けるようにしておきたい。
第6問 ウのPOINT「表題部所有者に関する登記と所有権証明情報の要否」は完璧に。
第7問 「書面申請の却下や取下げの場合に申請人に還付される添付書類は,原本還付請求できないものも含まれるのか?」と,ある受講生から質問された。もちろん,還付される。取下げも得点源にしよう。
第8問 地番の定め方。過去問レベルだ。完璧に。
第9問はアイウエが大事。
第10問はアウエオが大事。イは「指定前申請が可能」が出ているので,次に狙われる論点だ。余力があれば押さえよう。
第11問はアウエオが大事。ウについて。登記完了後は,代位者に登記完了証が交付され,被代位者には登記が完了した旨が通知される。
第12問 書式でも問われる可能性あり。できるようにしておくべき。
第13問はアイウオが大事。持分を申請情報の内容としなければならない登記はイのPOINTで確認を。
第14問はすべて重要。閲覧請求の可否,写しの交付請求の可否は完璧に。
第15問もすべて把握を。
第16問もすべて重要。P22,P23のPOINTで本人確認情報の重要事項を確認せよ。
第17問の床面積はPK。択一でも重要だが,書式においては特に重要な知識。
第18問はアイエオが大事。アの肢のPOINT。地役権図面との異同も確認しておくように。
筆界特定
第19問はアイエオが大事。P26のPOINTは筆界特定では最重要事項。完璧にしておこう。
土地家屋調査士法
登録の取消しに関する問題。P28末尾の図表で知識の整理を。
・土地
◆第1欄 E,Fの座標値が出せないと合格は難しい。
◆第2欄 特定の建物に行き来するための通路である。地目は「宅地」。6割くらいしかできていない。
◆第3欄 ほとんどの人が書ける記述。「現況に重点」,「全体として把握」が重要キーワードだ。
◆第4欄 地上権者が代位できるのは地上権の設定登記を実現できる範囲。一部地目変更までは代位できない。登記の目的の判断ミスは大幅減点となる。ミスは許されない。
◆第5欄 B,Cは座標値を出せなくても,問題のヒントを頼りに正確に作図できるようにしておきたい。B,Cの座標値が出せなくても,作図ができていれば土地は合格点だ。
・建物
◆第1欄 いつ出てきてもおかしくない記述。登記官が新たな登記識別情報を申請人に通知するには,申請人が所有権の登記名義人本人であることを確認しないといけない。そのために提供するのが登記識別情報と印鑑証明書だ。「申請人が所有権の登記名義人本人であること」この文言は解答として欠かせない。
◆第2欄 合同会社が申請人となっていても,ビビることは何も無い。登記の目的を判断することは当然大事だが,何といっても238.09㎡,206.61㎡,27.04㎡を正しく算出することが大事。床面積の計算ミスは許されない。本問も同じだ。内側から中心への引きなおし,本問で練習しておこう。
◆第3欄 周囲の長さの算定をしっかりやれば,問題なし。算定後は「左辺=右辺」,「上辺=下辺」のチェックを。床面積の検算も当然だが。