突然の事故や災害で肉親を亡くしたとき,どれくらい大きなショックを受けるのだろうか。また,そのショックから立ち直るのにどのくらいの時間がかかるのだろうか。
昨年の大地震が起きて,震災前は毎週のように講義を受けに来ていたSさんが二週間休まれた。
心配していたのだが,震災が起きて三週間後に講義を受けに来てくれた。
お顔を拝見して,御無事で何よりと思ったのだが・・・休憩時間に「先生,この歳で息子を亡くすのは辛いですね。」と寂しそうにささやかれた。休憩中,ぼんやりと窓の外を眺めていたSさんの姿が印象に残っています。
肉親の死という現実を受け入れて受験勉強を再開されたSさんだが,私だったら,とても受験勉強どころではないかもしれない。
私よりも一回りくらい年上のSさん。一生懸命育てた息子さんに先立たれた悔しさ,悲しさをどこにぶつけたらいいのか。そんな精神状態ではなかったでしょうか。
8月12日の日曜日。懇意にしている受験生に声をかけて,本試験一週間前の勉強会を実施。Sさんも来てくれた。
元気そうな顔が見られて,とても嬉しかった。
「先生,LECを辞められたそうですが,これからも頑張ってください。」と,逆に励まされたりもした。
「今年こそは合格。」,そんな意気込みが感じられるSさんの表情だった。
8月19日は,天国から,息子さんも応援していることだろう。
頑張れ親父!
亡き息子さんのためにも,合格を勝ち取っていただきたいと思う。