予兆詩集 | 覚書き

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1555年から1567年まで歴年なされたノストラダムス師の予兆詩集[1]

1555年
1 - 上述の年に関する予兆

神の御心に触れた魂が予兆を示す
困難、飢餓、ペスト、戦争が立て続けに
洪水、乾燥、大地と海は血に染まる
平和、休戦、高位聖職者たちが生まれ、王子たちは死ぬ。
2 - 1555年に関する題辞[2]

ティレニア海、大洋はラ・ガルド
つまりは大ネプツヌスと、彼の三叉戟の兵士たちによって
プロヴァンスは大いなるタンドの手により安泰
さらに、ナルボ・マルティウス、ヴィラールの雄々しさ
3 - 1月

時を告げる大きな青銅は
暴君の最期に際し、壊れるだろう。
涙、嘆き、叫び、洪水、氷。パンはない。
V.S.C.[3]、平和。軍隊が通るだろう。
4 - 2月

レマン湖のほとりで、恐怖が大きくなるだろう
勧告により、それは不足しえないだろう
新しい王は、子飼いの一団を準備させる
死んだ若者。飢餓。恐怖が噴出させるだろう。
5 - 3月

おお残酷なマルス、汝はどれほど怯えさせるのだろうか
銀と結合した鎌はより一層
艦隊、軍隊、水、風。影がまとわりつく
海、陸、休戦。友はL.V. [4]と結びつく。
6 - 4月

汝は監視をしなかったことで一層侮辱されよう
弱くて強いもの、不穏な平穏
彼等は飢えを訴える。人々は抑圧される
赤く染まった海。高慢で不公正な長身の男。
7 - 5月

五、六、十五。遅かれ早かれ彼らは滞在する
終わりなき嗣子。暴動を起こされた諸都市
平和の伝令官は二十三日に戻る
開かれた五を閉ざす。捏造されたニュース
8 - 6月

時を隔てて、水瓶のそばに奸悪な者が戻る
大いなるマルスに、火は障害を与えるだろう
その方向はアキロン、南仏、非常に高慢な女
フローラは考えの中では門を保ち続けるだろう
9 - 7月

八、十五と五。何という不誠実
奸悪な偵察者が許されようとやって来るだろう。
空の火、雷、恐怖、教皇座の怖れ
西方は震える。サラン (Salin) はワインを沢山隠す
10 - 8月

六、十二、十三、二十。婦人が語るだろう。
長男は女性により堕落させられるだろう。
ディジョン、ギュイエンヌ。雹、雷はそれを打破する。
血とワインをむさぼる貪欲な者。
11 - 9月

天は涙する、それをなさしむるのか、と。
海は準備する。ハンニバルは計略を実行する
デニス (Denys) は水浸しになる。艦隊は遅れ、安静にはしていない
彼は秘密を知らなかった。汝はそのことを喜ぶのか
12 - 10月

ウェヌス・ネプツヌスは企てを続行するだろう
考える人々は閉じ込められ、反対する人々は災禍に遭う
アドリア海に艦隊、テムズ川の方を向く諸都市
第四の騒音は夜に休んでいる人々を傷つける。
13 - 11月

天の大いなる者が外套に隠して与えるだろう
アドリアの救援を。門で提示される。
彼は起こりうる危険から身を守るだろう
夜、大物は箱を追いかけて傷付けられる
14 - 12月

きわめて不正で虚偽に満ちた門は叫ぶ
開かれた口、平和の条件
結晶化したローヌ川、水、雪、染まった氷
死、また死、雨による風は重荷を壊すだろう

1557年
15 - 1月

飾られた小物は大かまどを恐れるだろう
捕虜たちによって選ばれた第一位、(その者は)そこから戻らない
世界の大いなる低地。イタリアは気楽でない。
バルブ、イステル、マルタ島。空虚は戻らない。
16 - 5月

今月に結びつく、急な知らせが空に。
受理され、放置される、死亡率は不確かに。
雨は僅少。入ること。天は地を干上げる
敗北、死、捕囚、逮捕、不運にも。
17 - 6月

フーク[5]での海軍の勝利、アントワープは不一致
空から大いなる者が生まれる、火、震撼、高い燃焼
サルデーニャ、木材、マルタ、パレルモ、コルシカ
死せる高位聖職者が、ラバに跨る者を撃つ
18 - 7月

さまよう伝令官、犬から獅子へと向き直る
火は都市を燃やすだろう。略奪、新しい捕囚。
軽量船が発見される。囚われの王子は戻ってくる。
密告者は捕われる。ガリア、乙女は大いなる者と結ばれる。
19 - 8月

大法廷から追放される。紛争、負傷者。
選ばれ、釈放され、告発され、打ちのめされる反逆者たち
そして火、ピル (Pyr. )の都市、洪水、毒、圧搾
水面へ漕ぎ出すことなく、ラティウム人を怒らせることもない
20 - 9月

海と陸を行く、信仰、砕かれた忠誠心
略奪、遭難、都市では喧噪
高慢、酷い行い、培われた野望
弱い攻撃、事件の首魁は罰せられない
21 - 10月

寒さ、大洪水、王国からの追放。
甥、不和、熊の星座は東方を弱らせる。
毒、包囲がなされる、都市から逐われる。
祝うべき帰還、新宗派は破滅に
22 - 11月

閉じられた海、開かれた世界、奪還された都市
大物は衰える。選ばれた新人。大いなる靄(もや)
花が開き (Patére Floram)、陣営が入る。破棄された信仰
努力は白い羽毛には厳しいものとなろう
23 - 12月

ウェスタへの保護、戦争は絶やされ移される
海戦、名誉、死、高位聖職位
入ること。死亡。フランスは大いに増強される
選ばれし者、通り過ぎた者、悪い時期に来た者。
1558年
24 - 1月

次に生まれた王がなす。悲しみの祝婚歌
動揺させられた聖なるもの。饗宴、遊戯、鎮静のマルス
夜、涙、人々は叫ぶ、その者たちは婦人を外へ導く
逮捕と破棄された条約、至る所で
25 - 3月

位階内での虚しい不満
ジェノアは反逆する。侵攻、蜂起、騒乱
君主政体は最も偉大な王のものであろう
選挙、覆われた紛争、埋葬
26 - 4月

不和のせいで失敗に結びつく不在の中で
ある者は突然彼を頂点に戻すだろう
アキロンの方へと、騒音が極めて大きくなるだろう
障害、上を通り抜ける点
27 - 5月.

ティレニア海には異国の帆
海を通じて様々な襲撃があるだろう
ペスト、監獄、幕屋に血
司令官たち、教皇特使、外洋を進むことで動揺させられる
28 - 6月

信仰の存する所が棄てられるだろう
敵が敵を食うだろう。
天が火を雨のように降らせ、燃やすだろう。中断される
企ての夜。頭目たちは争いを起こすだろう
29 - 7月

戦争、雷鳴、無人になったいくつかの野
恐怖と喧騒、前線への強襲
偉大なる大物 (Grand grand) は衰える。亡命者への赦し
ゲルマン人、イスパニア人。バルバロイの海を経て軍旗
30 - 8月

喧騒は空虚になるだろう。衰えている者たちは縛られる
剃髪たちは捕われ、パンポタン (Pempotan) が選ばれる
二人の赤き者と四人の立派な十字軍兵士は失敗する。
力ある君主にとって邪魔になる雨
31 - 10月

雨、風、バルバロイの艦隊、イステル、ティレニア海
輸送船がチェルヴェーテリを通る。配備された兵たち
恩恵は削られる。シエーナはフローラにより解放される
二者は死ぬだろう。結ばれた友情
32 - 11月

美しきウェヌスはフローラに入るだろう
秘密の亡命者たちはその場を放置するだろう
多くの未亡人たち、大物の死を彼女たちは悼む
王国から取り除くことを大いなる大物 (le grand grand) は行いそうもない
33 - 12月

遊戯、饗宴、婚礼、有名な高位聖職者の死
騒ぎ、休戦の平和、敵を弱らせる間
海も陸も空も騒がしい。偉大なブレンヌスの行為
叫び、金、銀、人々は敵を慌てさせる
1559年
34 - 上述の年に関して

畏怖、氷、大略奪、海を通り過ぎる。領土は拡大する
宗派、海をこえる聖別者たちは一層磨かれる
ペスト、暑さ、火、アキロンの王の旗
戦勝記念が建てられる。ヘンリポリス (Henripolis) の都市
35 - 1月

偉大な者はもはやいない。雨。戦車へとクリスタルが。
喧騒が引き起こされる、全ての物財の放棄
剃髪たち、聖別されたもの、新しいもの、古いもの、怯えさせるもの
選ばれた者、恩知らず、死体、憐れまれた者、悦び、同盟
36 - 2月

腐った小麦、悪疫の空気、イナゴ
急に落ちるだろう。新たな新しいものが生まれる
鎖に繋がれた捕虜、軽いもの、高いもの、低いもの、重いもの
その骨による凶事、それは王に、彼はそれを望まない
37 - 3月

寺院に囚われる、諸宗派によって長く望まれていたもの
選ばれたもの、奪われたもの、木に諍いを形作る
七十の部分が新たな連盟を生む
その結果彼らの死、宥められた王、知らせ
38 - 4月

王は勝利者、皇帝と称えられる
歪められた信仰、認識された王家の事件
マチアンの血[6]、王は征服者となる
傲慢な民族、涙によって謙虚になる
39 - 5月

遺恨による婚礼、祝婚歌
三つの赤い部分により剃髪たちは出発する、
黒い若者へと。火によって魂は再置される
偉大なるネプツヌスをオグミウスは信奉するようになる
40 - 6月

家の中で、七人、死によって、立続けの死すべき運命
雹、嵐、酷いペスト、怒り
東方の王、西方の全ての者は逃げ出す
そのかつての征服者たちを屈服させるだろう
41 - 7月

略奪された盗品、暑さ、大旱魃
居合わせない多くの人々により、見聞きされない事件
異邦人に対し、非常に大きな情愛
新しい国、王、オリエントは騙される
42 - 8月

見つけられた瓶、貢納する都市
分断された野、新しい欺瞞
負傷したイスパニア人、飢餓、猛威を振るうペスト
執拗な嘲り、不明瞭、凶事、妄想
43 - 9月

乙女らと未亡人ら、汝らの良き時が近付く
人々が熱望するものは何もないだろう
新たに近付いてくるには遠い。
しかと十分に取られ、きちんと元通りになり、より悪い状態が続くだろう
44 - 10月

今月の内に完成するだろう
三人の大物は外に。良き城塞都市は遠いだろう
彼らに反抗して、そのうち一人が陰謀を企むだろう
今月の終わりに人々は不足を見るだろう。
45 - 11月

言葉が保たれ、婚礼は再開される
偉大なる女傑 (La grande grande) はフランスの外へ出掛けるだろう
ロマーニャでの声、飽くことなしに叫ぶ
偽りだらけの保証により、平和が受け取られる
46 - 12月

涙の中の悦びがマルスを捕らえに来よう
偉大な者の前で神に捧げられた者たちは動揺するだろう
言葉を詠むことなしに、彼らは三つの方向から入るだろう
鎮静のマルス、氷の上をワインが巡る
1560年
47 - 1月

昼間、議会、公会議でない仮信条協定(fr:intérim)
平和が準備される年、ペスト、飢餓、分裂
外にも中にも置かれる。空が変わる。住居。
休暇の終わり、位階の叛乱
48 - 2月

議会が中断する。古の聖なるものを取り戻す。
二つの下で、許しにより火が続く
軍隊を除外して聖別式。長身の赤き者は持つことを望むだろう
怠慢の平和、選ばれし者、未亡人は生きている
49 - 3月

新しく選ばれた者が出現させるだろう
日課の場所、境界の外へと出る
残忍を変えるためになされた善
疑わしい場所からは、全員が速やかに出て行くだろう
50 - 4月

選ばれた場所に、剃髪たちは満足しない
レマン湖から導かれる証明されないもの
人々は古い時代を新しくさせるだろう
大いにくすぶる陰謀を暴くであろう
51 - 5月

アロブロックス (Allobrox)の協定は中断されるだろう
最後の手段は強い嘲笑をもたらすだろう
大いなる謀反人は崩されないだろう
そして新たな同盟が承認される
52 - 7月

長い髪が統治者に害をなす。
飢餓、灼熱、火、そして血の蒸気
ユピテル主義者のすべての身分に大いなる栄誉
焚きつけられた剃髪たちによる暴動
53 - 8月

ペスト、飢餓、火、やむことのない灼熱
雷、大きな雹、寺院は空から打たれる。
勅令、逮捕、そして破棄された過酷な法
創造者たる頭目とその手下たち、そして彼は不意にとらわれる
54 - 9月

剃髪たちは甲冑を奪われるだろう
彼らのより大きな諍いが増幅するだろう
アルバニアの雷を欺いたリベル・パテル[7]
諸宗派はその精髄を侵蝕されるだろう
55 - 10月

慎ましい要求が受け容れられるだろう
彼らは逐われ、そのあと元に戻るだろう
偉大な女傑は満たされていたことに気付くだろう
盲人、聾者は上に置かれるだろう
56 - 11月

置かれることはないだろう、追い払われた新参者たち。
黒、遠くから、偉大な者は強く保つだろう
軍隊に頼るため、亡命者たちは一層逐われるだろう
勝利を歌い上げる、自由のきかない、慰め
57 - 12月

葬儀は放置される。最高の同盟
逝去した偉大な剃髪、入り口でなされた拒絶
帰還の中に存在するもの。恩恵は忘却の中に。
公正の死が宴席で遂行される。
1561年
58 - 上述の年に関して

王にして王なる者は生きていない、寛大な者による破滅
悪疫の年、曇天が惹起される
大物のせいで、誰も自身のためには喜ばない
そして奸悪なものたちの時期は過ぎ去るだろう
59 - 3月

壁の下部で、灰色の縄帯を持つ者
騎兵は潰滅して、囲い地は開放される
寺院の外で、マルスと大鎌持ち
外に、置かれ、放棄される、幻想上は。
60 - 4月

粛清された時期、悪疫の嵐
バルバロイの攻撃、激昂、侵略
今月を通じて、終わりない凶事が我らに向けて準備される
そして最も偉大な者たち、愚弄の中でより取るに足らない二者
61 - 5月

長くない喜びが彼の仲間により棄てられる
悪疫の年、最も偉大な者が襲われる。
善良な婦人はエリュシオンの野に
そして、価値あるものの大半は寒さで摘まれない。
62 - 6月

ロワン (LOIN) の道程。紛争を準備させないために
悲しい企て。醜悪なペストの瘴気
どの部分でも、偉大なものたちは悲嘆にくれる
そして、十と七は二十と二を襲う
63 - 7月

再び捕らわれ、明け渡され、凶事により恐怖に晒される
低きものによる血、醜悪な面々
最も知恵ある人々に対して激しい恐怖に駆られる無知な人々
喪失、憎悪、恐怖、哀れな女性は低きに落とされる
64 - 8月

死と捕縛、無気力な者たちの変化
より一層近づく一方で遠ざかるだろう
結合して閉じられたものが、廃れた納屋に
長引く救いに、最も強き者が驚かされる
65 - 10月

灰、白、黒、煙でいぶされ、僧帽を持たされる。
その者たちは自らの地位に再任され、解任され、叙任される
夢想家たちは馬鹿にされていると思うだろう
そしてウェスタの巫女は強力な火床(グリル)に押し付けられる
1562年
66 - 上述の年に関して

冬と春は良好で健やか、夏は凶
日照りの秋は有害、小麦は稀少
ワインは十分。悪い双眼、事件、迫害された者
戦争、反抗者たち、暴動につながる欠陥
67 - 1月

善きものに向けた隠れた欲求が成就するだろう
宗教、平和、愛、合意
祝婚歌は全く調和しないだろう
高き者は、高く、低く、綱で置かれる。
68 - 2月

剃髪たちにとっての頭目は果てに辿り着くことはないだろう
変えられた勅令、閉ざされた者たちは沖に置かれる
大人物の死体が発見される。信仰はより少ない。低地に立ちつつ
包み隠され、凍えさせられ、打たれる、掘っ立て小屋で
69 - 3月

遠くから動かされ、遠くから近くへと侵食するだろう
捕られ、囚われ、平穏になる、女性によって。
人々が駆け引きするようには保てないだろう
通り過ぎることなく置かれ、激怒から魂を取り除く
70 - 4月

遠くから、動かすために引き起こしに来るだろう
無数の人々に対する露になった無為なもの
義務のせいで凶事が誰にも認識されない
厨房では、死が見つけられて終えられる。
71 - 5月

協定は何もない。より強い凶事と騒乱
あるべきものとして、海も陸も静まる
法令全体は二倍の価値はない
不公正な者が語るだろう。無に帰させるための議会
72 - 6月

驚異的な出来事、ひどくて信じられない!
テュポーンは悪人たちを動揺させるだろう
そのあとで綱により支えられる者
そして、野原には亡命者の大部分
73 - 7月

天からフランスに来た権力が玉座におさまる
徳により世界が平和になる
より多くの血が撒き散らされ、ほどなく好機がめぐってくる
(それは)鳥たちや火によってであって、蛆虫によってではない
74 - 8月

有色人たちや聖別された者たちは満足しない
陽気なアンドロギュノスにより一挙に
大部分の人が見る、時は来ない
彼らのうちの数人が、肉なしのスープを作るだろう
75 - 9月

彼らは全力を取り戻すだろう
合意の一点に結び付けられる、合意はされない
否認した全ての人々、剃髪たちにはなお一層の信頼
彼らのうちの数人は、群れに包囲される
76 - 10月

陸と海の教皇特使のために
大いなるケープはすべてに順応する
沈黙のロルヴァラン[8]は傾聴する
彼の助言には同意したがらないだろう
77 - 11月

風が敵軍を妨げる
最も偉大な者は前進が困難でほとんど進まない
毒のワインがグラスに注がれるだろう
馬の害なく大きな銃を運ぶために
78 - 12月

クリスタルにより、企ては破棄される
さらに一層寛ぐための遊戯と饗宴
もはや彼の食事は偉大な者たちのそばにはないであろう
急なカタル、聖水を振りかける
1563年
79 - 上述の年に関して

健やかな春、血、しかし動揺させられ、一致は何もない。
途切れることのない殺人、捕囚、死体、被疑者
沢山の水とペスト、全体の中のごく僅か、鳴らされた角笛
捕虜、死体、逃走者、大物になる者、来た者。
80 - 1月

多くの水、多くの死体、多くの武器が揺さぶる
合意は何もなく、偉大な者は囚われたままに
人の血、激怒、激昂しない者
遅れた悔悛者、ペスト、戦争、動機
81 - 2月

言葉の死が敵たちに近づく
善良な者は平和に帰着させたがるだろう
頑迷な者たちは近親の女性を亡きものとしたがるだろう
捕虜たちは驚かされる、容疑者たち、怒りは害する
82 - 3月

途切れない愁傷、すなわち父たちと母たちの死
愁嘆に立ち会う女性たち、女性のペスト患者、怪異
偉大な者はもはやなく、すべてが終わる
平和の下で、休息、そして全員がそのことに反対

83 - 4月

王子たちは討論の只中、動揺させられたキリスト教国
外国の異教徒たち、キリストの御座は不快にさせられる
極めて悪いものが来る、非常によいものも。致命的な見解
東方の死、ペスト、飢餓、悪しき条約。
84 - 5月

大地が震える、死者、驚異、怪異
無数の捕虜、撃破すること、なされたこと
海を渡ることで不運が生じるだろう
高慢に対する高慢、偽るための凶事
85 - 6月

不公正の者は低きへ、人々は彼をひどく苦しめる
雹は浄化する、宝、彫られた大理石
スュアール[9]の頭目は人々を死なせるべく殺戮するだろう
そして刃は木に括りつけられるだろう
86 - 7月

悪くないのは何者か。許せない結末
火、悲嘆にあらず、困惑の外にいる教皇特使
最もひどい負傷者には戦いは仕掛けられないだろう
六月の終わり、糸は木で切られる。
87 - 8月

善き者は協定によって巧妙に弱らせられる
マルス、及び団結した高位聖職者たちは止めないだろう
贈り物に当惑した大物たちは体を切り開かれる
相応しい者も相応しくない者も、不当な財を差し押さえるだろう
88 - 9月

吉から凶へと時代は変わるだろう
アウスト[10]の協約、最も偉大な者たちの希望
大いなる者たちの愁嘆、リュイ[11]がなお一層傾くだろう
剃髪たちは知識も権力も理解しない。
89 - 10月

疑うに十分な凶事の月は今月である
死、全てを瀉血すること、ペスト、飢餓、争うこと
亡命に反対の人々は注意しに来るだろう。
見張るべきでない大いなる秘密の死
90 - 11月

死によって死は咬む、会議、ペストの飛翔
人は思い切ってマリウスを攻撃するということができない
デウカリオンは最後の騒擾を惹き起こす
半死人に慄く若者はほとんどいない。
91 - 12月

遺恨による死が他の者たちを輝かせるだろう。
高所で大いなる禍いが起こる
悲しい着想が各々を害するために生じるだろう
品位ある世上権、ミサは成功する
1564年
92 - 上述の年に関して

セクスティル[12]の年、雨、小麦は豊穣、憎しみ
人々に喜び。王子たち、王たちは対立の中に
群れは滅びる。人類の変転
害された人々。そして、樹皮の下の毒
93 - 1月

非常に変わりやすい時期、あらわになった不和
戦争の勧告、変化、捕虜、変化したもの。
偉大な女性は生きていない。企てられたもの、洪水で失われたもの
大いなる争い、最も偉大な者に向けて全てが整えられる
94 - 2月

大洪水、陰謀に巻き込まれた死だという噂
改められた世紀、三人の偉大な者たちは大いなる不和の中に
煽動者たちによって、協定は険悪に
妨げの雨、悪意ある諸会議は和解する
95 - 3月

王たちの間に憎悪が生じるのを見るだろう
紛争と戦争が始まる
大いなる諸変化、新しい騒擾が大きくなる
人々は平民の秩序を傷つけに来るだろう
96 - 4月

秘密の陰謀、民衆は謀略を企む
揺さぶる策略の中で露見したこと
偉大な者たちに抗して…[13]
そして殺され、権力のない状態に置かれる
97 - 5月

変わりやすい時期、熱、ペスト、憔悴
戦争、討論、掛け値なしに悲嘆にくれた時代
浸水、王子はより厳格でないものへと
王たちと偉大な者たちに祝福、その他の者たちは死を恐れる
98 - 6月

その場所からペストが平定され、逃走が生じる。
変わりやすい時期、風、三人の大物の死
天から巨大な雷霆、剃髪たちの財産を喰らうために
死が近い老人、果樹園の中に木はほとんどない。
99 - 7月

世界は脅威に晒され、王たちは祝福する
剃髪たちは動揺させられる、そのことについての勧告により
教会、彼らにとっての王たちが人々を苛立たせる
ある人は後に、彼がそうでなかったものを示すだろう
100 - 8月

洪水が近い、牛の新しいペスト
宗派は衰える。人々に空虚な喜び
法なき法に関して、証拠として前に置かれる
餌、罠、そして脈を断つために裏切られる。
101 - 9月

全てを水浸しにする。剃髪の女性たちに損失
壁からの飛翔、死、全ての財産の放棄
覆いの外套によって逃れるだろう
新参たちと古参たちの運は向きが変わるだろう
102 - 10月

口と咽喉が焼け爛れた火ぶくれの状態に。
7人の偉大な者たちのうちの5人。にじみ出る咳が害をなす。
非常に長引く雨、火ぶくれは変化しても、死には至らない。
偉大な者は死ぬ。その者は万人を輝かせる者であった。
103 - 11月

火の騒ぎにより、大物たちと老人たちは衰える。
ペストは鎮まる。より偉大な女性が生まれる。
祭壇のペスト、隠された干し草、余り摘まれないために
群れは死ぬ。司祭を除けば豊かな喜び。
104 - 12月

快活な点、聖別式での甘美な恍惚
腫れ上がった三、四、そして側面で死ぬ
道が欠ける、聖別式では半分にならない
七と三を通じて、そして五番目のものを通じて、巡る
1565年
105 - 上述の年に関して[14]

昨年と比べて今年は百倍悪くなる
王国や教会の最も偉大な方々にとっても
終わりなき凶事、死、国外追放、壊された廃墟
大いなる女性は死に瀕する。ペスト、傷、胆汁。
106 - 1月

雪、さび病、雨、大きな傷
最も偉大な者たちに喜び、やむことなきペスト
種子、小麦は多い。そしてより多くの群れが
準備されるだろう。反目は和らがない。
107 - 2月

偉大な者たちに大きな不和が生じる
長身の学者のせいで、大きな事件が混ぜるだろう
新しい諸宗派、憎しみと不和の中におく
戦争と諸変化で全ての人々を傷つけたものを
108 - 3月

秘密の陰謀、危険な変化
過激派は秘密裏に企てる
雨、大風、高慢な人々による災禍
川は氾濫する、ペストにつながる動向
109 - 4月

ペストがはびこる、諸宗派は互いに争う
穏やかな時、冬、ほとんど戻らない。
ミサと説教について、彼こそが苦しみつつも討議する
川は氾濫する、致命的な凶事、至る所で
110 - 5月

細民へと、討論と喧騒によって
そして女性たちと故人たちによって、大いなる戦
偉大な女性の死、瘰癧の者たちを称える
より偉大な婦人たち、その地から追い払われる
111 - 6月

男も女も伴侶に先立たれる
偉大な君主たちはその生命が危機に瀕する。
ペスト、鉄、飢餓、大災禍が渾然と
変化による動乱、小人が大人を生む。
112 - 7月

雹、さび病、雨、そして大いなる災い
女性たちを守ること、それらが騒ぎの元になるだろう。
憎しみによって、数人の死、ペスト、火、飢餓
天は反射して輝いてると言われる状態になるだろう。
113 - 8月

小麦は十分というには程遠いだろう
死はこの上なく白き雪が降るせいで近付く
不毛、腐った小麦、多量の水
負傷した偉大な者、そのわきには何人かの死体
114 - 9月

果物はほとんどない。小麦や高木、低木も
大きな家禽、高きものは刺激する
仔獅子のような高位聖職者と同じくらいに世俗的
トランダー[15]は打ち負かす、高き者たちは後退する。
115 - 10月

全てが変えられ、一が四を迫害する
病から脱し、死の影は大きく遠ざかる
四のうちの二は、もはや討論しには来ないだろう
亡命、崩壊、死、飢餓、困惑
116 - 11月

大物たちの中のより大きな人数はさしたるものではないだろう
大いなる諸変化、精神的な衝撃、鉄、ペスト
些細な構想、貸されたもの、満足いくように支払われたもの
逆の月、霜がひどく害する
117 - 12月

酷い霜、氷、団結よりも一層
既婚の未亡人たち、火、悲嘆
遊戯、はしゃぐこと、喜び、マルスは不和を呼び込むだろう
結婚による良い見通し
1566年
118 - 上述の年に関して

最も偉大な者たちに死、名誉の負傷、暴力、
信仰告白者たち、彼等の身分と宗派
二つの大いなる教会へ、様々な騒ぎ、退廃
凶事、好戦的な隣人、頭のない教会の農奴
119 - 1月

損失、大打撃。それと暴力もなくはない
信仰の者たち全て、より一層宗教へと。
最も偉大な者たちは、生命、名誉、物財を失うだろう
二つの教会とも、その宗派に欠陥。
120 - 2月

二人の大変な大物に、有害な損失が生じる。
最も偉大な者達に名誉と生命に関する財を失わせるだろう
ひどい大騒音が駆け巡る。非常に厭な水瓶
大いなる病が存在する。羨望の中の説教とミサ
121 - 3月

諸教会の従者たちが、その主人を裏切るだろう。
同様に別の領主たちは、共有地によって。
説教とミサでの隣人たちは彼ら同士で争うだろう
不穏な気配、騒音が増大する。数人の横たわる者たちは死ヘ
122 - 4月

全財産の放棄、大地は我々にもたらすだろう
フランスでは戦争の喧騒はない、暴動を除けば。
人殺し、道では追い剥ぎが見られるだろう
信仰はほとんどない。暑い熱、人々は動揺の中に
123 - 5月

人々の間に不和、むき出しの反目
戦争、大君主たちの死、イタリアの幾つかの部分
普遍的な災禍、西方ではよりひどいもの
良く、満ちた時。しかし、酷い乾燥、涸渇
124 - 6月

小麦は豊富とはいえない。他の果実は全て豊富
夏と春は雨が多い。長い冬、雪、氷
武装したオリエント、フランスはさらに増強する
家畜の死。多くの蜂蜜はその場所で包囲された人々へと
125 - 7月

悪疫と火により、木々の実は滅びるだろう
油の徴は豊富にあるが、パテル・デニス[16]は稀少である。
大物たちは死ぬが多くはない、異邦人たちは出発するだろう
バルバロイの海の襲撃、そして前線の危機
126 - 8月

並外れた豪雨、ありあまる財産
家畜の価格は適正になる。だから女性たちは危険の外に
雹、雨、雷鳴。フランスでは人々が打ちのめされる
死によって人々は働くだろう。この死は人々を懲らしめる存在である
127 - 9月

武装、ペストは止む。暴徒たちの死
大いなるリベル・パテル[17]、余り満ち溢れているとはいえない
奸悪な者たちはより悪賢い者たちに捕らわれる
かつてないほどの勝利を重ねるフランスが勝つだろう
128 - 10月

この月まで大旱魃が続く、
イタリアとプロヴァンスで。そのせいで果実全ては半分に
最もひどい不足は敵に。つまりは彼らの集団の囚人、
略奪者や海賊に対して。そして敵が死ぬ。
129 - 11月

敵はひどく怯えて、トラキアへと後退する
悲鳴や怒号をそのままにしつつ。そして悲しませる略奪
喧騒を放置する、海と大地、死んだ宗教
ユピテル主義者は路上に置かれる。逆上させられた宗派全体
1567年
130 - 上述の年に関して

死、若い娘たちに病、風邪、
頭から双眼へと。その地の不幸な商人たち
不運な海、悪い種蒔き、ひどい風土でのワイン
たくさんの油、大雨、戦争は果実を傷める
131 - 1月

監獄、秘密の悲嘆、近親者の内での不和
その者は命を与えるだろう。凶事による様々なカタル
死が続くだろう。監獄が合意を生み出すだろう
恐怖、怯え、大きな畏怖、旅立つので担保を置いていくだろう
132 - 2月

隠された敵と開示された敵のための監獄
旅は続かないだろう。死に至る反目
愛、三つ、争われたもの、秘密、公共の祝祭
壊れて崩れたもの、水は喧騒を破砕するだろう
133 - 3月

公共の敵、婚礼と結婚
その後で死、死によって富んだ者
大いなる友人たちは途中で姿を現す。
二つの宗派は隠語を使う。驚きのせいで、手遅れな後悔
134 - 4月

大病により、宗教は怒らされる。
大使館の教皇特使と幼子たちにより、
資格のない者に贈り物が与えられる。緩められた新法
年老いた父たちの財産。王は素晴らしい地方に。
135 - 5月

父から息子へとそれが近づく。厳しいと言われる行政官たち。
大いなる婚礼、討議している敵たち。
隠された者は前線に置かれる、非難の信仰のために。
不平を言う者たちに対抗する良き友や女性たち
136 - 6月

宝による父の遺産は見つけられる
王たちと行政官たち。婚礼、敵。
公的な悪意を持つ者、判事たち、市長
死、怯えと恐怖、そして三人の大物が死ぬ
137 - 7月

またもや死が近づく。王の贈り物と遺産。
人々は老朽によって崩壊しているものを建て直すだろう。
若い後継者たちは遺産がないのではと疑う。
石膏像や厨房から、宝が発見される。
138 - 8月

秘密の敵たちは牢に入れられるだろう
王たちと行政官たちはそこに安全策を施すだろう
何人かの命、健康、病の双眼、鼻
二人の大物は悪い時に非常に遠くへと連れだって行くだろう
139 - 9月

長期にわたる頭の物憂さ、婚礼、公共の敵
高位聖職者と旅により、偉大な者の夢、恐怖
火と大崩壊、斜めの場所で見つけられる
発見された急流を通じて、新しい過ちが出現する
140 - 10月

王たちと行政官たちは死によって手を置く
若い娘たちは病、偉大な者たちは体が腫れ上がる
物憂さと婚礼により、敵は主人に仕える
公共の苦痛、作り手は体が腫れ上がる
141 - 11月[18]

大使館から帰還して、王からの贈り物は然るべき場に置かれる
もはやすることはないだろう。ゆえに神の許へ召されるだろう
より近き親類、友人たち、血を分けた兄弟たち
寝台と長椅子の近くで、まさしく見つけられた死体

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 このタイトルは1605年版の『予言集』で採用されたもの。
 この詩はノストラダムス自身が『1555年向けの占筮』で発表した詩篇には含まれていないため、シャヴィニーによる贋作の可能性が指摘されている。
 諸説あるが、確定した読みの存在しない略語。
 諸説あるが、確定した読みの存在しない略語。
 ウーク (Houche) を、シャヴィニーはアントワープ近郊の都市フーク (Hoeke) としている。
 語義未確定。「マケドニアの血」とされることが多い。
 古代ローマ神話の神の名で、バッコスと同一視される。
 ロルヴァラン (Lorvarin) はロレーヌ (Lorraine) のアナグラムとされることが多い。
 スュアール (suard) は、スアルドネス(Suardones, ブラウンシュヴァイクの住民を表すラテン語)など、諸説あるが語義の確定には至っていない語。
 アウスト (Aust) はオーストリアと解されるのが通例だったが、この詩の初出(『1563年向けの暦』)では、「八月 (Aoust)」になっている。
 リュイ (LVIS) はシャヴィニーの書き換えで、元々は扉 (l'huys)。
 セクスティル (sextile)は占星術上の星位。
 3行目は途切れている。シュヴィニャールが復元しているが、ここでは扱わない。
 この年向けの詩篇から1行12音節になっているが、一般に流布している版には、シャヴィニーによって1行10音節に改変された詩篇が混じっている。現在ではシュヴィニャールによって本来の詩篇が復元されているが、ここでは扱わない。
 通説的には、トランダー (Tolandad) は、ダンドロ(D’Andelot, コリニーの弟)のアナグラムとされる
 酒の神。ワインの隠喩
 酒の神。ワインの隠喩
 ノストラダムス最後の詩篇とされることがあるが、現在ではシュヴィニャールによって1567年12月向け、1567年の年末向けという二篇が復元されている。ただし、ここでは扱わない。
底本と翻訳について
底本
Les Prophéties de M. Michel Nostradamus, s.n., s.l., 1605
「予兆詩集」は、現在ではブルゴーニュ大学教授ベルナール・シュヴィニャールによる全154篇からなる校定版 (Bernard Chevignard, Présages de Nostradamus, Seuil, 1999) が存在するが、彼の校訂者としての著作権などに配慮し、ここでは141篇からなる伝統的な文書の訳出を行った。