我々は、それぞれに自らの予言の書を持っている。
また、その書を書いた人物は、自らにとっても預言者とも言える。
誰にでもそういうもの、人がいる。
それは、どれほどその人物やその製作物を見つめてきたかということに依る。
それは、何かを見つけ出そうとして、見つめるのではなく、何だかわからないが目が離せないもの、耳から離れないものであると言える。
その言葉は、一般的にはそういう意味で書かれたのではないかもしれない。
けど、『私』がそう感じるのであれば、それが真実であると言える。
それぞれがそういうものに出会っている。
私にとっては、『last alliance』というバンドがそうであり、私にとって良き理解者であり、戦友であり、思想であり、預言者である。
2013年に「Seventh Sense」というアルバムを最後に、曲は発表されていない。
そのアルバムの中の「灯」という曲は、こちら側にあるのではなく、向こう側にある灯へ向けて放つという、生き方を言っていると私は感じた。
弱さは、こちら側にある灯を見ているからで、向こう側にある灯へ自らを放つとき、消えてしまっても良いと思えるとき、それこそが生命なのだと教えてくれた。
astrogate-0は、もっと前の曲で15年ぐらい前になるのだろうか。
彼らは、この曲で『宇宙とゼロ』について、そしてエゴと陰と陽について歌っている。
そして何より、最初から最後まで激しくカッコいい!
束の間の静寂は、繰り返されるエゴの嵐の束の間の静寂を奏でる。
YouTubeありませんでした。
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全ての歌詞が好きなんですが、特にカッコいいところ。
「嘘のかなしみ、本当の幸せ、嗚呼、繋いで
こだわらなければ表も裏も、嗚呼、一つのコイン」
この曲を聞いていた15年前、私は『闇のイージス』という漫画を読んでいた。
この漫画の中でコインが出てくる。
そのなかで、裏も表も同じコインだったと気づくシーンがあって、astrogate-0と繋がった。
とても感動したのを覚えている。
言葉にするとコインの裏表があることは当たり前のことでなんの感慨もないが、今まで追っていたものが、実は裏と表だったと気づくことは、とても尊いこと。
「こだわらなければ表も裏も一つのコイン」なのだ。
この歌詞の洗練さを感じてもらえるだろうか。
こだわっているのは、いつも人間のエゴであり、我。
俯瞰してみれば、それで一つだったというだけのこと、誰かの悲しみも幸せも一つだったというだけのこと。
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次、サビですが。
演奏とメロディーが流れるように、激しく上下する。
「吹き荒れて乱気流、意識揺らす、感情の波よ
交差する光、影と
吹き荒れろ乱気流、ひとつだけ吹き飛ばしてくれ僕の心」
吹き飛ばして欲しいのは、僕のエゴのこと。
今の時代の統合に向かい始めている人の心境のように感じる。
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その他
「ほつれた糸断ち切った日に、嗚呼、乾いた瞳に
初めて映る大粒の滴でふと我に帰る」
断ち切ったときに初めて気づく、我に帰るまで、我々は何者だったのだろうか?
乾いたは瞳とは、この世界にのめり込んでいた自分。涙で覆われて、切り離されるまで、何者かに操られていた?自分に気づかなかったのだ。
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「吹き荒れろ乱気流、壊せばいい、そして降り注げ
無常、理想とか現実とか
吹き荒れた乱気流、1つだけ涙流したよ醜い心」
この世界の仕組に気づいた後、思う心情として吹き荒れろ!と言っているのは、エゴに振り回されていた時の乱気流ではない、この幻想をぶち壊して、その「無常も理想も現実も」そういう全部おんなじ幻想だということを言っている。だから、無常も、理想も現実も同列にされている。
一つだけ流した涙は、最後に残ったエゴの懐かしさとしての「悲しみ」だろう。
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「無限に存在に、無限に宇宙に、君に夢中」
無限=存在=宇宙=君=夢中は、同格で表現されているように感じる。ここに来るまで「君」については、表現されていない。
唐突な「君」とは、誰なのか。
全てが同格とすると、「君」とは、宇宙であり、無限であり、存在であり、夢中の対象であるので、「自分」とであると考えられる。
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astrogate-0とは、何なのか。
この造語は、♾(無限)と0(ゼロ)、破壊と再生、嘘と本当、表と裏を内包する『宇宙』を『人間』に重ねて書かれている。
いうなら『人間』にある『宇宙性』と『エゴ』を問うている。
涙するのは、真我かエゴなのか。どちらも自分であるが、全て逆説的に表現されている様にも感じる。
エゴとして流した涙に真我だったと気がつく。
醜い心は、真我の意図に気がついた自分でもあるようである。
今改めて、この曲の凄さに気がついた。
もちろん、私の勝手な解釈であるが、今もまだ私の心にあるこの言葉と曲は紛れもなく「私の世界」のものであり、私の一部を形成してくれている。
15年かけて気づくこともあるのである。
ラストアライアンスに変わらぬ感謝を。
