初夏の雨音

湿って乾く隙間

虹の瞬間が増えてく

虫の活躍する時季


タンポポの種が舞い

紫陽花が雨水を集め

向日葵は真夏の日差し

を待っている頃


曇り空、途切れた

その向こうの側

蒼い世界

宇宙と空の間

光の集まる所へ


いつだって始まりの日々を

私に携えて、心躍らせる

誰かにはなれない私を

もう一度、何度でも

思い出す


その曖昧で美しい空と空の境界

心惹かれるまま

月の光を待っている



初夏の日差し

見上げた桜の葉には

確かに脈があり

様々な緑を地上に映した


いつもの参道に

猫と子供の泣き声

ドラマは今ここからも

始まろうとしている


陽の光、途切れた

高層の文明、衒う

虚ろな影が暑い道に

焼き付いている


微睡む私の隣を多くの人が

足早に通り過ぎていく


いつかの終わりの日々を

私に携えて、ここまで来た

誰かにはなれなかった私を

いつの日も何度でも

思い出せる


いつだって始まりの日々を

私に携えて、心躍らせる

誰かにはなれない私を

もう一度、何度でも

思い出すよ


戻れない暑さはそのままで

今の光に惹かれて

雨上がりの虹を

くぐりにいく