韓国文化院で触れた韓国の文化や風習・習慣についてご紹介します。
1回目は甕と発酵についてです。
韓国文化院の10階です。
屋上庭園のようになっていました。
背景に新宿のビル群が並んでいるのが雰囲気を壊しますがご容赦ください。
韓国の伝統的な家屋の中庭にある「醬甕臺(장독대:チャントクテ)」がありました。
キムチや味噌、醤油が入れられた甕を置く台のことです。
[독]は大甕をさします。キムチを入れる大甕は「김치독:キムチトク」
この他にもさまざまな言葉があります。
장독:醤油や味噌の甕
술독:水甕
물독:酒甕
쌀독:米甕
昔から飲食物を保存する容器として[독]が使われてきたことがわかります。
容器の大きさというより中に入れる物で名前をつける感じですね。
これだけたくさん甕が並んでいて、どれがキムチでどれが味噌か区別できるのでしょうか

甕をあらわす韓国語はもうひとつ「옹기【甕器:オンギ】」があります。
オンギは用途や大きさに関係なく甕全般をさす言葉です。
釉薬を塗って仕上げる「오지그릇:オジクルッ」と
釉薬を塗っていない素焼きの「질그릇:チルクルッ」に大別されます。
陶製の大甕に入ったキムチは、冬場は土の中に埋めておくとキムチの発酵・熟成に最適な-2℃~3℃に保たれる優秀な天然の発酵冷蔵庫でした。
材質は金属やプラスチックと違い腐蝕することがなく、通気性にも優れ
発酵だけでなく保存にも適していたのです。
日本の発酵食品は冷暗所に置いて、できるだけ空気に触れないように作りますが、韓国では甕を外に置きます。
陽をたっぷり浴び、風が通り、自然の菌でおいしいジャンを作るのに朝鮮半島の気候が適していたことがわかります。
韓国文化院の醤甕薹が日当たり良好な場所にあるのは、展示に良い場所というだけではなく、実際にこういう場所に設置しているから
というのを理解できる日本人が少ない気がします。
日本ではキムチを漬けてこなかったので味噌で比較します。
日本の味噌は大豆、塩、米(または麦)麹を使いますが
朝鮮半島は大豆、塩、水で作ります。
大豆を蒸した後に叩いて空気が入らないように塊にし、藁の上に敷いて、自然の菌を使って熟成させて[大豆麹:메주(メジュ)]を作ります。
메주(メジュ)
昔は日本も朝鮮半島同様に自然の菌を使っていたそうですが、朝鮮半島に比べて湿気が高く、温暖な気候であったため菌の管理が難しかったそうです。
(う~ん、湿気がねぇ
カビるよねぇ
)


気候の違いから作り方が違う味噌ですが、違いをもう一つ。
日本の味噌汁は具材を煮てから最後に味噌を溶き入れます。


と、よく母に言われたものでした。
朝鮮半島でテンジャン(味噌的なもの)を使ってスープを作るときは
最初からテンジャンを入れてグツグツと煮込みます。
テンジャンに含まれる味や風味を引き出すからだそうです。
それ自体が出汁としての役割を果たすわけですね。
キムチや醤油、味噌を漬ける甕だけではなく、塩などの調味料も小さな甕(壺?)に入っているのを時代劇で見たことがあります。
器の名前は日本より多種多様で一度聞いたくらいではとても覚えられません。
比較的よく聞くのは「항아리」と「단지」ですが、違いがよくわかりません。

아래위가 좁고 배가 부른 질그릇.


목이 짧고 배가 부른 작은 항아리.

調べても、わからない

항아리(ハンアリ)NAVERから頂きました。
今年は味噌を手作りしようと(麹を使う日本式)準備中です。
材料は揃えたのですが、容器探しで足止め。
プラスチック、ステンレス、ホーローなど色々あり、初心者を迷わせる
항아리があれば迷わなくてすんだのかしら。
結局、ガラス容器にしました。
週末、挑戦します