友人の息子からお箸の置き方について質問を受けました。
韓国は縦置き
日本は横置き
これは何故なのか、です。
まず、韓国ではお膳に対してご飯と汁物の器が日本と同じような場所に配置されます。決定的に違うのは、食事の際に使用される箸とスプーン。この2つが、お膳の右に縦に置かれます。日本は、箸のみが横に置かれます。
中国も朝鮮も縦に置くがなぜ日本だけ横に置くのでしょう。
◇箸を最初に作ったのは中国
寒く乾燥した気候のため食事は熱く沸かして食べることを好む中国人の食文化が箸を誕生させました。肉の塊を火にくべ食卓の上で切って食べる西洋人にはフォークとナイフが必要だった反面、肉と野菜をあらかじめ小さく切ってスープと一緒に沸かして食べる食文化では箸が必要だったのです。
◇中国から日本に伝来した箸
古代中国から多様な文化が伝来する中で箸は遣隋使により7世紀頃日本に伝わったとされます。
◇箸の置き方が変わった中国
中国では元々箸を横に置いていました。
唐時代に描かれた宴会の様子では箸が横に置かれています。
箸が横置きから縦置きに変わった時期や理由は定かではありませんが
主に肉食だった北方騎馬民族の影響という説があります。
北方騎馬民族は肉を食べるためにナイフを使いましたが、ナイフを横置きすると危険で使いにくいため、西洋と同じようにナイフを縦に置くようになり、あわせて箸も縦方向に置くようになったと言われています。
やがて時代が変わりナイフを使わなくなりましたが、箸を縦方向に置く習慣はそのまま残ったのではないかと言われています。
また中国では料理を大皿に盛り、各人で取り分ける際に縦方向に箸を置くことが使いやすかったという説もあります。
◇日本の箸が横置きの理由と意味
中国から伝わった箸は、伝来当時の中国の作法と同じく横置きであり
さらに相対する人に向かって箸を置く(向ける)のは失礼であるという文化から横置きが定着しました。
はさみを人に向けて置かないのと同じように相手に向けて置くことは攻撃性を示し危険であるため失礼だという認識があるからです。
◇神聖な領域と人間の領域を分ける境界
結界というのは神聖な領域と俗な領域の境界を示すもので、例えば神社や神棚のしめ縄は神の領域と世俗を切る結界です。
茶道では扇子が結界として使われます。茶室では客が自分の前に扇子を置き、自分と茶室の主との間に境界線を引きます。
食べ物は様々なものの命でできており、私たちはその命を頂きながら生きています。全ては神聖な自然界からの頂きものなので、俗な人間界に対し、橋の向こうは神聖な領域であると捉え、箸が結界の意味を持つようになったのです。
最後にやってはいけないお箸作法のイラストを見つけたのでご紹介します。
うん。大丈夫、やってない・・・ん
「渡し箸」
箸置き出すの面倒だなー
と箸置きを出動させないと、食事中に箸を置く場所がなくて
お皿の上(ワタシは大抵ご飯茶碗の上)に横置きしてます
いやいや、これ、ダメなんですね。
箸を食器の上に置くことは「ごちそうさま」の合図なのだとか。
すみません。以後気をつけます。
今回の記事を書くにあたり、色々な記事を参考にさせて頂きました。
がっつり引用させて頂いた記事は参考文献として引用元を掲載させて頂きます。
ありがとうございました。
さらに番外編として「箸置き」の話vol.3でご紹介する予定です。
さて。これをどうやって韓国語で説明したものか・・・
あ、いけない。
中国の箸の置き方しか説明していませんね
朝鮮半島に残る記録で高麗書に宗の文化にならった記述があるとか。
(隋→唐→宗 ですので縦置きになった風習にならったのですね)
宗をたびたび襲撃した倭寇を野蛮として、その風習を嫌ったから
という説もあるそうですが、明確な理由は書物として残っていないそうです。
【参考文献】