日本在住の韓国の友人と話していた時のことです。
オンニ、今年はオリンピックがあるから楽しみだね
うん、うん。フランスだからねー。時差との戦いが始まるね。
정신 팔다 だね。
うん、うん。ん
정신 없다 は聞いたことあるケド 정신 팔다 は初耳だよ。
えええ、日本語で何て言うか知らないよぅ
정신 は
精神 です。
直訳すると
정신(이) 없다
精神がない
정신(을) 팔다
精神を売る
ちなみに 정신(이) 없다 は直訳すると「精神がない」
精神状態が「無」になるほど気が気でない状態のことです。
忙しくてバタバタしている時によく使います。
精神がなくて連絡できなかったよ~
という感じです。
友人からの連絡は、ほぼこの言葉で始まります。
なんなら「ひさしぶり~」くらいの感覚で使っています。
「精神を売る」って日本語の「魂を売る」みたいなこと
日本語の「魂を売る」がわからないよぅ
お互い頭の中ハテナだらけです。
というワケで調べてみました。
정신 팔다 [出典:NAVER国語辞典]
해야 할 일을 잊거나 소홀히 하다.
(直訳すると)
やるべきことを忘れたり怠ったりする。
うぬぬ。よくわからない。
韓日辞典で調べてみました。
(他のことに)気を取られる、よそ見をする
なるほど。
オリンピックに気を取られて仕事どころじゃないってことか。
その通りだなぁ
ひとまず納得。一件落着。
なのですが。
韓日辞典で「팔다」を調べてみたところ「気を取られる」の他に
「穀物を買う」という意味がありました。
一般的に「買う」は 살다(サルダ)
一般的に「売る」は 팔다(パルダ)
「売る」という意味の「팔다」に「穀物を買う」という意味があるって
どういうことなのか友人に聞きましたが
わからない
とのこと。
オンニ、そういうの調べるの好きでしょ。調べてよ。
いやいや、しょうがないなぁ
と安請け合いしたものの、何をどう調べたものやら。
すると、同じような質問をしている方がいました。
집에 쌀이 떨어져 쌀을 살 때 '쌀을 팔아온다'고 말을 합니다.
애 거꾸로 말을 하게 되었는지 그 까닭이 따로 있는지 궁듬합니다.
(直訳すると)
家にお米がなくなって米を買う時、「米を売ってくる」と言います。
子供が逆さまに言うようになったのか、他に理由があるのか気になります。
回答が面白かったので、そのまま引用します。
이런 수준의 질문은 나이가 들은 분들 조차 아하~~
하고 생각하는 좋은 질문 입니다.
쉽게 설명하자면 쌀로 돈을 산다 하는 뜻으로 쌀산다 하였고
쌀을 사서 온다는 쌀을 팔아온다라고 하였습니다.
조선시대의 양반들의 체면때문에 만들어진 언어라고 합니다.
오래전 언어인데 현대에 와서는 바꾸어야 하지만 잘못된 언어가 답이되어 버려서 그것이 굳어 버려진것 이라고 생각됩니다.
(直訳すると)
この手の質問はお年を召された方でさえ「あ~~」と思う良い質問です。
簡単に説明すると米でお金を買うという意味で米を買うと言い
米を買ってくることを米を売ってくると言っていた。
朝鮮時代の両班の体面のために作られた言語だそうです。
古い言葉なので現代では変えなくてはいけませんが間違った言語が答えになってしまい、定着してしまったと思われます。
お米が朝鮮の方にとって命と同じくらい大切なものであり
家にお米がなくなったと表現すると見守ってくれるご先祖様が怒ってしまう
そんな言い伝えがあったというサイトもありました。
そのため、お米を「買いに」行くという表現をせずに
お米を「売りに」行くという表現を使ったとか。
なるほど~。ややこしいけれど、納得
ちなみに日本語の「魂を売る」は
お金や地位や名声などを得るために、人が倫理の道を外れること
でした。
「 精神を売る」とは全く違う意味でした
「精神を売る」であろうオリンピックを楽しみにしています。