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代筆屋のブログ

難しい文章は書けません。とても簡単で分かりやすく相手に訴求する文章の専門家です。あなたの気持ちを聞かしてください。それを代筆して差し上げます。

女を喜ばせようと、奮発したホテルの予約をキャンセルした。詳しい事はまだ分からないが、女は手術をするかもしれない。


気落ちした女に掛けた言葉は、絶対治るから大丈夫だよ。明るい気持ちを持って。


そこには何の根拠も無い。しかしそんな楽観的な励まししか出来ない。


ホテルはキャンセルしたが、女と川遊びをするつもりだった渓谷へ、ひとりで向かった。




茹だるような暑さを、ひとりで過ごすのが酷だった。せめて傍に女が居れば…
だから1人でも川へ行った。

吊り橋を歩きながら、女との1年半の道程を振り返った。

初めての旅行は横浜の埠頭と中華街、そして花々の好きな女の為にイタリア山庭園へ。女は花々をスマホで撮りまくり、歓声を上げる。

途中名も無い神社を見つけて、何事かを静かに祈っている。女は自殺を考えた過去がある。
 



2度目の旅行は箱根湯本を選んだ。

樹木に囲まれた貸切りの露天風呂があり、豊富な湯量に身を沈めた。総てのしがらみを解放させていた。赤い花柄の浴衣姿が似合う。可愛い少女のようだ。


3度目は秩父鉄道の皆野、人知れずの宿を選んだ。
近くに清流がありサワガニを捕まえる。
帰りはやはり温泉で寛ぎ、其々の家へ帰る日、女は願いを叶えてくれてありがとうと言った。

4度目は日帰りで狭山湖へ行く。
遠くに富士を見た。
女は富士が好きだ。
次は間近に富士がそばに見える、静岡へ連れて行きたいと頭に描いた。

女のアパートで、女の作ったカレーライスを何度もおかわりをした。味の好みがオレと似ている。
カボチャと栗とさつまいもを煮込んだ、甘いクリームシチューをお返しに作った。

夜は…
極めて正直に性を欲しがり、 極めて素直に性を曝け出す。何の躊躇も無く乳房や膣を、男の前に曝け出し、オレが舌で濾す所作を激しく望み願う。


じっくりと甘い餡んを、濾すように舐めていく。


 女の乳房ではなく、オレの乳房だとオレのもんだと。女の膣ではなく、オレの専用の膣だと。オレの物なんだという所有格を、何度も言い聞かせる。思い知らせる。分からせる。

狂ったように…頷かせる


* こ‐す
【漉す・濾す】
《五他》
細かい隙間(すきま)をくぐらせ、かすを取り除いて、純粋な成分だけにする。
 「餡(あん)を―」


女は涙を零した。

言葉に出さなかったが、いつまでこの関係を続けられるのか。体調の不安に重ねて、歩んで行く先の見通しが立たない。

そりゃそうだ。
女房がいる身と、離婚して子供しかいない女。

いったいなんの保証があると言うのだ。

その後スタンプでの返信が一つだけあった。

女は今何を考えているのだろう?…


してもらえない妻がいれば、してもらえない夫もいるわけで…

体内にある獣のようなオスを…メスを

20年間封印続けて…

女と出会い、ついに最後のアキレス腱が、切れてしまった…

それが総てのきっかけだった…

切れてしまった…