学童保育で小学1年生ばかりが仲良く本を読んでいた。傍らに野坂昭如「火垂るの墓」が置かれてある。
「この本知っている?」と尋ねると、
「知ってるよ」「とても可哀想なお話だよ」と一人の女の子が言い、それを聞いた別な女の子が「読んで」とせがんできたので手に取った。
空爆や食糧難が冒頭にあり、小学生の彼らに意味が分かるのか不明だったが、現実のロシア、ウクライナ戦争の状況を知っていて、かつての日本もそうであった事を話したら想像がついたようだった。
「何で戦争をするの?」と聞いてきた子がいた。
母親が死に兄妹二人だけの孤児になった場面では、6人程の子供達が私に引っ付いて絵本を覗きこみ、ある子は首に手を回し、ある子は腕を掴み、身を固くし真剣に聞いているのが手に取る様に分かった。
途中ふかくにも自分の目頭が熱くなり、声が上ずってしまったので、思わず読むのを中止したら、皆円な瞳で「先生どうしたの?」と私の目の奥まで覗きこみ見詰めてきたので、ここで泣くわけにはいかないと思い、声を振り絞って読み進めた。
「何で戦争をするの?」
この純然たる問い掛けに、果たして大人はどんな答えを出せるのだろうか。

