前半は考古学者スタインの敦煌発掘調査の先駆者としての情熱と苦労話 後半は中国僧玄奘三蔵の 広く『西遊記』として知られている 彼のインド行脚と伝説と史実の紹介である。

 若き日のスタインを西域へ誘った情熱は、アレキサンダー大王への憧れであった。歴史からは失われた東西文化の融合への歴史的郷愁が、いまは砂塵の中に埋もれたオアシス都市の幻想的風景に重なって現れたのだろう。

 後半の有名な僧玄奘三蔵に関する事蹟は、彼が伝説上の人物であるだけでなく、実際に実在した人物であった事が分かります。彼の西域に関する情熱は、さらにその先にあるインド巡礼と釈迦の教えの真実を求める学僧としての情熱であった。