セント・オールバンズの町は薔薇色の黄昏に優しく包まれています。

 こうして冬とは思えないほどの長く穏やかな一日は過ぎていったのでした。

 

 

 陸橋を渡りながら、ここのプラットフォームに降りたのだと感慨深く見遣ります。

 帰りはこの鉄道を利用せず、バスで帰るつもりです。

 

 

 セント・オールバンズのバスの停車場

 

 

 ロンドンでは、最寄りのスーパーで買い物をして帰ります。

 店のなかを何回もベビーカーを押して廻っていたら、何人か、男の児ですか女の児ですかと、何度も声を掛けられてきました。

 

 

(付記)

 これまで十一月のロンドンと近郊の旅を時系列に辿ってきました。

 ただ、時系列が前後して既に前に書いたものとしてブライトンとセブンシスターズの白き断崖を書いたものや、シェイクスピアに所縁のストラッドフォード・アポン・エイヴォンを訪れた一泊二日の小旅行に関したものがありましたが、それは十二月の初旬の、ロンドンを旅立つ前に何処にも遠出というものをしなかったので、埋め合わせのように行ったことでした。

 それで十二月のロンドンとしては、ほかにもプリムローズヒルやロンドン博物館、日本クラブにオペラ『椿姫』に関するレクチュアーを聴きに行ったことなど、既に書いていますので、書き順としては十一月と十二月が逆転してしまいました。

 それで十一月の最後を飾るセント・オールバンズの教会廻りの記事をもって今回のロンドン滞在の記事は最終回を迎えるという事になりました。