葬儀の打ち合わせをするとき、「お寺さんはどちらですか?」と尋ねます。
広島市内の場合、大半の方がどこかの寺院の門徒や檀家になられていますが、なかには寺院と付き合いのない方もおられます。
門徒や檀家になられている方は、その寺院に亡くなった連絡を入れ、通夜と葬儀の読経をお願いするのですが
その時に一部のご当家から悩みを打ち明けられることもあります。
それは、戒名やお布施に関する「お金」の話と住職さんの人となりです。
なかには、「自分たちの代で寺院との付き合いを終わりにしたい…」と深刻な相談もあります。
過去に葬儀を行い、その時に寺院に渡されたお布施や戒名料金を思い出され
「今回も、また高額な料金を言われるのでは」と直葬、もしくは違う寺院に葬儀をお願いしたい…希望を我々に言われることがあるのです。
まずこの様なケースで安易に直葬を勧めたり、寺院を変更しましょうと言う葬儀社は気を付けた方が良いです。
なぜなら、後日に何かしらのトラブルが生じた場合、ご当家が困ることになるからです。
事情により、お布施などのお金の話を言いにくい場合は、葬儀社に仲介してもらなどの方法がありますが、実は、このことで気分を害する住職さんがおられた苦い経験が私にはあります。「なんでお宅が言ってくるのか…」と。
しかし大半の住職さんは聞き入れてもらえます。
ご当家の方は住職さんと接する機会は法事などで多いものですが、お金の話は言いにくいものです。
さて、これまでで一番困った話は、住職さんの人となりで寺院を変えたい…と言われたケースです。
寺院への寄付や何かしらの事情から、住職さんに嫌悪感を持たれている方は意外や多いのもの。
なかでも寺院に墓地を所有されている場合、最後にはその寺院から墓地を移転する覚悟が必要となります。
先祖代々からお世話になっている墓地を移転する…これは相当な覚悟が要ります。
後を継ぐ人がいないため墓じまいするのとは事情が異なるからです。
ある人は、墓を移転し檀家を辞める時に、離檀料というお金を要求され、その金額が想定外だったため困惑されました。
しかし、そこまで話が進むと円満解決は非常に難しく、最終的には双方が譲渡する方向を探ることになり、第三者の介入が必要となります。
これもまた、その瞬間スッキリしないことも多いようです。
また墓の移転には諸手続きなどが発生しますし、移転する墓地などを探さなければならないため、やはり「お金」の問題は尽きません。
いずれにしても出費は数百万円は必要になると思って下さい。
この様なことを言いますと、すべての寺院が問題を抱えているように思えますが、実はこの様なケースは稀なことで、大半の寺院はお布施など「お金」の話や墓地の移転には柔軟な姿勢を見せられております。
一日葬や直葬の増加により、寺院も大きな危機感を憶えておられ、ある宗旨宗派では寺院総会でこの現象を問題提起されています。
これから少子化になり過疎化が進む街では、寺院の存続が懸念されているのも事実で、地域によっては住職さんのおられない寺院や、寺院を廃寺にされる所もあります。
葬儀と言うのは非日常の世界で、誰しもが考えたくないこと。
いくら病状が思わしくなくても、身内の死を受け入れたくない方は多いものです。
それだけに、葬儀を行う現実が訪れた場合、葬儀をどこにお願いしたらいいのか…寺院をお願いするにはどうすれば良いのか…門徒や檀家になっているものの、直葬はいけないのか、という葬儀のルールがわからないことなど多々あります。
それにより、ご家族の事情にて直葬を選択したり、宗教者不在の葬儀が増えている現実が多いのは、それらのことから起きることにも思うのです。
コロナ過により家族葬に拍車が掛かり、葬儀にアドバイスできる身近な親族などの付き合いも無くなり、葬儀社とご家族のみで行う葬儀を行う傾向が強いのですが、そこはご家族に聞きにくいことでも、後に困ることの無いよう滞りなく葬儀を行えるように精進して参る所存です。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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