昨日のマツダスタジアム。
広島対阪神の試合を観戦。
両チーム、一軍経験者の出場が多く、また、観客も現在のカープブームで多数を占め、ひと昔のウエスタンとは趣が違うことに違和感を覚えた。
マツダスタジアム開業前の旧市民球場で行われていたウエスタンは、観客人数を数えることのできる状況だった。
また、出場選手も地上波で見ることのできない選手が多数しめ、「本当の野球ファンは、ファームの試合を見に行く」とまで形容されるものであった。
しかし、時代は大きく変わったのであろう。
カープの出場選手を見ると、広瀬、栗原、東出、倉、ロサリオ、グスマン、ザガ―スキー、天谷、上本、安部、堂林。
阪神は、岩崎、歳内、桑原、榎田、小宮山、清水。
故障ではなく、チーム事情や不調でファームで汗を流している。
さて、試合であるが
効率よく7安打で7得点には、さすがは首位を走るカープである。
投げては薮田が、素晴らしい投球内容。
立ち上がりの初回、連打で失点こそしたものの、2回から5回まではノーヒットで抑える内容。
球速も140キロ後半のストレート、そしてチェンジアップを有効に使い、阪神打線にまったく的を絞らせなかった。
初回に失点した薮田に、佐々岡コーチが歩み寄りステップの確認らしきものを行っていたが、2回からすぐに修正する能力にも非凡さを感じたものである。
薮田への課題は、肩のケアはもちろんのこと、下半身の強化であろう。
まだ後姿を見ると、下半身に物足りなさを感じる。
あの下半身が凄さを増すと、恐らく黒田以上の投手への道を歩むことであろう。
いずれにしても現時点、投球内容はファームでは群を抜く素晴らしさ。
この投手の肩が万全であれば、中崎を8回、薮田をストッパーに持っていけばカープの野球も面白さを増すことになる予感。
久々に、お金を払ってでも見たい投手の出現である。
打者で目に付いたのは、ランナー二人をおき、代打で出場した鈴木将光である。
榎田から右中間を抜くタイムリースリーベースは見事の一言。
ここまでの成績は、1ホームランで打点16という、ファームでも勝負強さを見せているだけに、、彼も一軍の舞台で見てみたい選手である。
その後、センターに入り守備機会こそさなかったものの、イニング間のキャッチボールを見たが強肩も健在。
彼も、金を払って観たい選手である。
最後に、栗原、東出は代打にて出場。
このときは球場が割れんばかりの大歓声。
共に意気を感じたであろうが、東出には選手生活の満足感を垣間見た気がした。
そして40歳の元気な大ベテラン倉。
彼は本当に素晴らしい。
抑え捕手の出番であったが、常に全力でプレーしていた。
倉が必要な時が間違いなくやってくる…そう高監督が伝えているのであろう。
最後に、その高監督。
機を見て敏な采配をする人である。
勝負所の代打起用や、選手への発破の掛け方。
さすがは進学校でエリートだった人だけに、野球を良く知っている。
また大観衆を飽きさせない選手起用。
ベテラン組をうまく登場させる起用は、どこかの監督も真似てほしい。
プロ野球は演出性も必要なことである。
佐々岡監督へのつなぎであっても、高監督の一軍での采配を一度見てみたいものである。
彼なら間違いなく、ファンの待ち望む野球を見せてくれるであろう。