ある人に言われた。
「葬儀屋さんって・・・季節に関係なく儲かる商売だからいいよね」
以前の私であれば、ムキになって反論していたものだが、最近は言いたいだけ相手に言わせている。
そこで、相手の語った言葉の一字一句を、自分の立場に置き換え言葉を返す。
「何も知らん人は、そのように思うよね。ワシだって人の商売は良く感じるもの。しかしね・・・葬儀屋って本当に辛抱が必要な商売よ。儲かる儲からんの物差しだけで考えたら、ハッキリ言って儲かるよ。しかし、人が亡くなってはじめて商売になる因果なもので、２４時間昼夜なく気が抜けんものなんよ。ましてや暇なときと忙しいときの予定も立たないし、先の見通しが予想通り立てられない。商売の基本は同じかもしれないが、ワシは世間が思うように甘い商売じゃないと思っている」
この様な本心を語っても、儲かる商売との視線で見ている人には、馬耳東風である。
私は商売とは・・・決して楽なものとは思わない。
しかし苦しんでやるものではない。
人の商売を儲かる視線だけで論じる人に成功者がいないのは事実。
これから、人に儲かる商売じゃね・・・と言われたら、
そうなんだ・・・運の良い仕事に自分は携わっているんだと、思うことにしよう。