遺産分割について呟いてみる。 | 相続書士® 青木克博

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遺産分割協議の際、


一体どういった基準で財産を評価するといいでしょうか?


預金など金融資産ならそのままでよさそうですが、


不動産は???


固定資産税評価?、路線価評価?、公示価格?、売買の相場?


これ、


別に、なんでもいいんです。


話し合って、きめたらいいんです。


でも、なんかもめそうですよね。。。。


そもそも、お金に換算するからおかしくなるんです。


不動産を評価して、お金で換算するという感覚を一度なくしたらいいんです。


相続ですから、財産の継承です。


お金で評価して、それを何分の1で分けるとかいう、協議でなくて、


誰が何を受け継いだらいいかを話し合えばいいんです。


受け継ぐにはそれなりの理由、覚悟、責任は当然いります。


それから、受け継ぐ、役割、立場、


時には、受け継がない役割、立場などもあります。


権利主張も大事でしょうが、権利と義務は背中合わせです。


義務を履行するなら権利主張すればいいけども、


権利主張ばかりでは、バランスが取れるはずもありません。


そのあたりは、自分の心に手を当てればすぐにわかります。


そのあたりを感覚で理解できている人は徳も高い。


余計な権利主張より、もっと大切な義務を履行する。


法律には主張できる権利は明記されていても、


道徳心として当たり前の行動は法律には明記されていない。


人として生きていくうえで、法律上の明記は必ずしも必要ではないからです。


どの判断が適切か、どの選択が賢明なのか。


すべての行動に対価を求めることはできません。


『親の面倒を見たから相続分を多くしてほしい』


相続の現場でよく聞かれますが、


親は、自分を育ててくれた時、子に金銭を請求するでしょうか。


ただひたすら健康を祈って、丈夫な成長を願ってくれて、命を削って育ててくれたはずです。


遺産分割では親の面倒(世話をした)をみたからといって、


極端に相続分が上乗せされることはありません。


そこに疑問を感じる人も多いかもしれませんが、


普通に考えれば当た前の状況です。


「子が体が弱くなった親の世話をする」


何も特別な状況ではありません。


しなければならないではなくて、


「喜んでする」


そんな日本に戻らなければ、


心を取り戻さなければ、と、


独り言のように呟いてみる。