水無月朔日
新緑が増していく季節になりました
今月も健康で幸運な日々でありますように
 
室町時代に描かれた
『月次風俗屏風絵』の第四扇には
早乙女が田植えをする脇で
賑やかに田楽をはやす様子がみえますが
 
広島県山県郡北広島町壬生には
その屏風そっくりの
中世からの田植えの行事が残っていて
 
「壬生の花田植」として
ユネスコ無形文化遺産として登録されています
 

 

壬生の地は

中国山地の中にある

山陰山陽を結ぶ交通の要所で

 

毛利元就によって再建された

壬生新宮社(現在は壬生神社)があります

 

時代を遡ると・・

 

安芸国造の凡氏は山縣郡司となり

この凡氏の一族から出た山県氏が

このあたりを治めました

(平安時代末期に安芸国壬生荘に下向した山県氏という説もあり)

 

正和2年(1313)吉川氏が入部

延元元年(1336)毛利氏が入部

享禄3年(1530)毛利元就は山県氏を滅ぼし

壬生城と共に類焼した神社を天文20年(1551)再建します

 

 

境内の杉林の森を歩き

何段かあがっていくと明るい平地となり

 

 

本殿に到着しました

 

新宮社と呼ばれたことから熊野神社系でしょうか

旧八幡神社もそばにあり八幡系でしょうか

 

 

武者の絵馬がありました

 

 

ところで壬生の花田植では

「飾り牛」といって

赤・青・緑・黄の布を掛け兜や龍を象った金襴豪華な花鞍を装着された牛が、首玉と呼ばれる赤い布袋に綿を入れた飾りをつけ、商店街を行列して会場に向かいますが

神社は牛を飾り付けする場所だそうです

 

また田植えの総指揮者は

三拝(サンバイ)とよばれ田楽も行います

 

境内には明治時代の図絵がありました

後背に壬生城がありますが明日アップします

 

 

参道に黄色のおはなが咲いていました