NHK古典芸能への招待
2022年4月24日は復曲能「岩船」でした
天探女(あまのさくめ)が
帝の御代を讃えに
天からの授かりものを
岩船(いわふね)に載せて来ます
やがて龍神も
岩船を守護しに現れます
この冠の龍がとっても派手だけど素敵です
龍神と天探女は
無事に住吉浜に漕ぎつけ
授かりものを渡しながら帝を寿ぎます
ところで
かっこいい龍神の冠を見ていたら
あれれ
くるりくるりと舞ううちに
冠の龍が傾いてしまったのです
後見の永島充さんが気がつき
松山隆之さんへ耳打ちします
そして
龍神が後方へ下がった瞬間に
松山さんが近づき
さっと冠の龍をまっすぐに立て直しました
ぴったり息の合ったお仕事
Good job!
【the能comより】
時の帝より、摂津国住吉の浦(今の大阪市住吉区)に、新しく浜の市を立て、高麗(こま)や唐土(もろこし)の宝を買い取るようにという勅命が出されます。命を受けて住吉に派遣された勅使は、そこで唐人姿で、大和言葉を話す一人の童子に出会います。童子は勅使に、御代を讃えに来たのだと述べ、携えてきた銀盤に乗せた玉を、帝への捧げ物として託します。そして、住吉の浜の市の様子を語り、周囲の景色を楽しんだ後、天からの捧げ物を積んだ天の岩船が漕ぎ寄せてきたと勅使に教えます。勅使が問いただすと、童子は岩船の漕ぎ手の天の探女であると正体を明かし、嵐と共に消え失せます。
やがて海中から龍神が現れます。龍神は、自分は神を敬い君を守る者だ、天の岩船を守護する役目を担っていると告げ、岩船が住吉の浦につく様子を見せます。龍神は天の探女と協力しつつ、波の鼓に拍子をそろえて岩船を引かせ、さざ波や松風の力を使い、八大龍王の力も得て、住吉の岸に岩船を着け、金銀珠玉を山のように積み上げます。こうして神の加護により、御代は千代に栄えます