秋の実りの季節になると
必ず思い出す光景があります
それはもう7、8年も前の秋のこと・・
左右を水田が広がるまっすぐな南北の道で
あたり一面黄金(こがね)色で覆われていました
ずっしりとふくらんだ稲穂は
その重みで各々が美しいカーブを描き
なんとも芳ばしいかおりがひろがっていました
それは
太陽をいっぱいあびたお布団のような
ぴーと音をたてて米菓子を売るおじさんが近づいてくるような
なんとも懐かしくいいかおり・・
助手席で秋風をあびて道の風景にひたっていると
馬にのった小学生の男の子と
手綱をひく父親らしい男性とすれ違いました
その様子は武者の親子そのもの
相馬には「野馬追い」という
勇壮な神事があることを知っていたので
こうやって日々次の世代に後継しているのだと思うと
こみあげてるものがあったのですが
あの国道は海にほど近く
3.11の津波が押し寄せた地域です
秋の実りの季節が来るたび
今はどうなっているのだろうと・・