https://news.yahoo.co.jp/articles/a8b18348dffc6ed37f66ace1e8aa6f79cad89aad 

だって、物価はぜんぜん上がらなかった。今上っているのは、産油国による生産調整、半導体不足、米国などでの運輸・流通関係の人手不足などによるものだ。これらの多くは、コロナに関わっている。


アベノミクス自体は、物価をまったく押し上げなかった。もっとも、物価を上げて経済を活性化させるという考え自体が、本末転倒であった。本来は、貨幣を増やすことで需要を増やし、経済成長率が伸びて、過大な需要においつかない供給とのバランスが崩れ、物価上昇が起きるからだ。しかし、貨幣だけを増やしても、直接人々に行き渡るわけではないから、需要は増えず、財政赤字の増大で公共投資も増やせず、余った貨幣だけが、銀行に積み上がるか、日銀に戻って来た。


ここ2年はコロナ対策で給付金、今も協力金などの形で資金が支給されているが、コロナが起きる前の労賃などで労働者が手にする金額よりもずっと低いから、需要増が起きるわけがない。何れにせよ、こんな時でさえ、アベノミクスを続けていても、なんの効果もない。


さりとて、新資本主義もよく分からない。財政再建なのか、積極財政なのか、さっぱり分からない。


私が提案している日銀によるベーシックインカムは、従来の経済政策とは異質のものだ。先進国の経済は、日本を含め、個人消費主導型になった。個人が資金を手にすれば、需要は拡大する。それを政府が付与すれば、財政赤字がさらに急拡大するのは必至。そこで、日銀(中央銀行)が国民に直接付与すれば、財政赤字は生まれない。


貨幣が増刷され、市中に出回れば、貨幣と商品の需給バランスが崩れ、物価上昇を招くが、そうならないためには、生産力を上げればよい。ロボット、人工知能(AI)、自動運転車などで、近い将来、生産力は格段に上がる。今もそうなりつつある。


むしろ、省力化で人がいらなくなるから、このまま対策を取らないと失業者は増大する。そうならないためにも、日銀によるベーシックインカムは、早期に手をつけなければならない。


生産力向上で、インフレ要因の1つはなくなるが、のこる大きなインフレ要因は、エネルギーや原材料が不足したらどうするかだ。エネルギーは、持続可能な天然・植物資源を利用し、蓄電池で大容量の保存が可能になるだろう。原材料は、リユース、化学反応の研究が進めば、まったく新しい物質の合成も次々と実現するだろう。


日銀が紙幣を増刷しすぎ、物価上昇が上がりすぎたとしても、すぐに増刷・個人への付与を抑制できるのが、このシステムのよいところだ。ただ、そうしないためにも、AIを使い、数理経済学者も分析に加わり、毎年の個人への付与額は、決めておく必要はある。


働き方も大きく変わる。おカネに余裕ができたら、投資や起業が増える。好きなことをする人々が増える。


野球が生まれた時、プロ野球ができ、何人もの1億円プレーヤーが生まれると予想できただろうか。今や、名もない人の絵が、インターネットで売れている。ブロガーやユーチューバーなど新しい職業がどんどん生まれている。


この社会が、私のかんがえる真の新資本主義だ。