母のユニットで、母がラウンジで車椅子に乗っていましたので、肩を叩きました。ああ、という感じでした。

男性介護士が来て、熱は6度台と落ち着いているようです、と言っていました。介護士と雑談した後、母の部屋に連れて行き、マッサージをしました。

さて、夕食なので、毎夕、母の食事を介護する場所で待っていると、先の男性介護士がお膳を持ってきてくれました。肉の刻みが二皿ありました。母に食べさせると、美味しそうです。飲み込んでは、もっとくれというように指を指します。

朝、寝ていて食べさせても、さほどゲボゲボしませんでしたし、昼食も全部食べたと言うし、この肉料理を完食させれば、栄養がつくと思います。飲み込んだと思うと、口に入れていきました。

ところが、ゲボゲボやり始めました。慌てて、手袋をつけた指を母の口に入れると、口の中に、前に入れたご飯やおかずが入ってました。腹が立ちましたが、怒っちゃいかんと自分自身に言い聞かせます。

心の中は、あれほど少しずつ食べろとジェスチャーで示しているのかと示したのに、まだ分からないのかと怒り心頭です。喉が詰まっていないかと、指で奥まで入れるのに力が入ります。そして、舌の下にかなりのおかずがあるのが分かり、ますます怒りがこみ上げます。それらを全部取り出しました。

母は、最初はスムーズに飲み込んでましたが、喉が疲れてしまい、飲み込めなくなったのでしょう。しかし、もっとおかず、粥をたべたい。それで、舌の下に隠して、次のを口に入れてほしいと考えたのかも知れません。しかし、私はそれを掻き出す。恨めしそうに私を見て、泣くような声を出します。「泣く暇があったら、よく噛んだら」と言い放ちました。

男性介護士が来て、「昼もたくさん食べ、おやつも食べましたから、無理しなくていいですよ」と言います。それでも私は、もう少しと言いました。しかし、結局同じで、ついに諦めました。母は、未練があるような目で、お膳を見ているのを尻目に、さっさとお膳を片付けました。

やはり、肉親だと、全部食べさせてやりたいと思い、また母が食べたいのなら、と無理をして、だめですね。肉親でないから、そんなことお構いなく、さっさと早く片付けていたでしょう。

その後、男性介護士は母に自分の丸坊主を触らせ、母も面白がっていましたが、母は私が肩を叩いて、行くよと言ってもを知らん顔をしていました。