ウクライナ戦争は停戦に向かうのか? | 時代のセンサーⅢ〈希望ある未来を志向して〉

時代のセンサーⅢ〈希望ある未来を志向して〉

今の時代を生きる日本人の一人として、日本及び世界を自らの知見に基づき見つめ考えることを通して、希望ある未来を志向して行きたいと思います。

ウクライナ情勢が転換点(ターニングポイント)を迎えているようです。すなわち、ウクライナ軍によるいわゆる「反転攻勢」が思ったような戦果を挙げておらず、逆にロシア軍が盛り返している状況となっています。

その背景にはアメリカによる支援が議会での共和党による反対で滞っていることがあります。そして、その状態は今後も変わらないと見られる一方で、ヨーロッパ各国においてのいわゆる「支援疲れ」が指摘されています。

こうした中で、ウクライナ国民の間でも〈戦争疲れ〉による厭戦気分が広まりつつある、と言われており、それに伴い「停戦交渉」の開始ということが現実味を帯びて来ています。

ゼレンスキー大統領はあくまでクリミアを含めた領土奪還を呼びかけていますが、現実的には大変厳しい状況にあります。大統領は戦争当初から「これは民主主義を守る戦いである」ということを世界に向けて発信していました。

それからまもなく2年が経過しようとしていて、年明け以降いずれかの段階で、停戦を余儀なくされるとすれば、それはロシア=プーチンの勝利となってしまうのか?ということが問題となります。

これについて現実に停戦となった場合には、いわゆる「非武装地帯」を設定した形でのものとなると見られますが、この状態をウクライナの敗北と見るのかそうではない、とするのか?ということになります。

私は実際にはウクライナ全土がロシアに占領されたわけではない、つまりウクライナはかろうじてその体制を守り抜いた、ということで、敗北とはしないのではないか、と見ています。また、アメリカを含めた各国もそうした見方をするだろう、と予想されます。

一方、プーチンは当然ながらロシアが勝利したことを大々的に語るとともに、これで終わりではなくウクライナ全土を視野にこれから先も新たな戦いを仕掛けて行くものと見られます。

その意味では仮に停戦としても、それは一時的なものに過ぎず、その後もいつ戦争が再開されてもおかしくない状態が続いて行く、ということであり、まさに何ともやり切れない不安定な時代が今後も続く、ということだと思います。