髪が欲しい。
指が欲しい。
心臓が欲しい。
欲しい、欲しい、欲しい。
そうやっていたずらに望みすぎた結果、あなたを失った。
「もう何もいらない、だから」
早くこっちに、と手を伸ばしたけれどあなたは私の手を掴むことはなかった。
もう、二度とあなたには会えない。
そう分かった途端に後悔がジワリと押し寄せた。
前に一度だけ『どうして欲しがるの?』と、あなたは私に尋ねてきた。
そのとき私は、首を傾げただけだった。
特に理由はない。
ずっとそうしてきたから。
でも、今は違う。
理由ができた。
"あなたが、好きだから"
ああ、初めから言えばよかった。
「あなたの全てが欲しい、あなたが欲しい」
と。