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あけびを見ろよ


木の枝にぶら下がり


体を二つに割って


鳥がつつきにくるのを


動きもしないで待っている



誰におしえられたのか


あんなにも気持ちよく


自分を投げだせる


あけびを見ろよ




画家・詩人 星野富弘




終わり。




上善水如(じょうぜんみずのごとし)


という名の銘酒が新潟にある。

飲み口がまるで水のようでとても呑みやすく、女性にも人気のある酒だ。


水のようだからこの名を付けたのだと思っていたが、その意味を考えるともっと深い思いが込められているのかもしれない。



私が尊敬する先人の一人であるブルース・リーは「水になれ」と云った。


「水は如何なる形にも合わせられる柔軟さを持ちながら、時に岩をも砕く力も持っている」と。


そして日本の先賢諸聖の一人もこのように云った。



水に学ぶ


一、自ら活動して他を働かしむるは水なり


一、常に自己の進路を求めて止まざるは水なり


一、障害に遇ひ激して其の勢力を百倍し得るは水なり


一、自ら潔うして他の汚れを洗ひ清濁併せ容るるの量あるは水なり


一、洋洋として大洋を充たし 発しては蒸気となり 雲となり 雨となり 霰と化し 雪と変じ 

  凍っては玲瓏たる鏡となり 而もその性を失はざるは水なり                 




解釈


一、主体的に活動して、他者に働きかけ動かすのは水なり


一、つねに自分の進むべき道をさがしてとどまることのないのは水である


一、障害に直面してかえって奮い立ち、その力を百倍増すのは水である


一、自分自身が清浄で、かつ他者の汚れを洗い流し、清濁あわせて受け入れる器量のあるのは水である


一、広大な海となり、水蒸気となり、雲となり、雨となり、あられとなり、雪となり、凍っては澄んだ鏡となりながら、しかももとの性質を失わないのは水である          




作者は定かでないそうだが、心に留まることばだ。


水は一見つかみどころがなく、透明で清く、柔らかいイメージがあるが、年月をかけて尖った岩を丸くしてしまう。



他に与える影響は多大であり、それでいて自己の性質は変わらない。



地球上で液体・個体・気体と環境によって変化するが、水そのものの量は地球上でいつも一定に保たれている。



そして周知の通り、人間の体は約60%水から成るのだ。



中国の賢者と日本の賢者がよく似た言葉を残しているとは、面白い。



私も水のようでありたい。




終わり。


(加筆修正 14th Sep 20202)

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風は見えない


だけど木に吹けば 緑の風になり


花に吹けば 花の風になる




私を過ぎていった風は


どんな風になったのだろう





画家・詩人 星野富弘




終わり。

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鏡に映る 顔を見ながら 思った


もう悪口を言うのはやめよう


私の口から出たことばを


いちばん近くで聞くのは


私の耳なのだから




画家・詩人 星野富弘




終わり。




今、素晴らしい本を読んでいる。


度々その名を出させていただいている「なんでも鑑定団」の鑑定士としてお馴染みの、田中大さんの著書だ。




「先賢諸聖のことば-直筆の格言・名言コレクション75-」は昨年発行され、田中大さん個人としては処女作にあたる。


数年前から田中さんの大ファンだった私も遅ればせながらこの本を手にした。




2頁目でカウンターを喰らい、23頁目で早くもノックアウトされた。




鑑定団を拝聴していても、鑑定士団の中ではお若いにもかかわらず、日本美術や歴史についての卓越した知識と鑑定眼に圧倒されてきた。


だがその知識には鑑定団でしかお目にかかれなかった。


それでも私はすぐに彼の大ファンになった。




そして最近、著書を読み始めた。


まだ半分も読み進んでいないというのに、「やっぱり大さんは思った通りの方だったびっくり!!いやそれ以上の方だったびっくり!!


とますます尊敬の念が強くなった。


この方は志や心情が素晴らしいと思う。


古き良き日本を尊び、先賢者の教えに心を揺さぶられ、そしてそれを次の世代へ伝えようというのだ。



83頁まで読んで、私のこころにガツンときたことばをここに挙げようと思う。






君子与其使食浮於人也

寧使人浮於食


書き下し矢印


「君子は其の食をして人に浮き使めんよりは、寧ろ人をして食に浮き使む」


解釈矢印


「君子は、自分の俸給が自分の働きに比して過分であるよりは、むしろ自分の働きが自分の俸給以上であるほうを選ぶ。」




儒者、掘景山が選び、書にしたことばだ。


ということは孔子の言葉だろうか。




ここからは余談だが、私は仕事柄、様々な人と接する。



「世の中やっぱり金だよ」



という残念な若者につい先日会ったので、景山のこの書の話をした。



その若者が、自分と同い年だったことに驚いた。


28にもなってまだ「金が全てだ」というのかと。


社会の一員として生きていくのには、当然金は必要だ。

だが金だけあっても人は幸せにはなれない。


金は大事だが全てではないし、自分の持っている金でできる範囲の暮らし、その中にある幸せを見つけることの方が金そのものよりも大事だ。


「金を持つ」「金を稼ぐ」ということは、自分にとっての"幸せ"を手繰り寄せるためのひとつの手段であり、目的ではない。


金は持っているだけでは価値があるとはいえないのだ。

どのように使うか、運用するかにかかっている。



大金はなくとも気に入っている仕事に就いているとか、気の置けない仲間や恋人、自分を案じてくれる家族などがいれば、十分幸せだと思う。




金で人の時間は買えても、心そのものは買えない。



28歳のあの無知で教養のない男が大金を持ったところで、一体何になるというのだろう。


彼には金よりも他に得るべき物がありそうだ。



それは勤勉さであり、自己を知ることであり、広い世界を見ることであり、想像力や好奇心を育むことである。



そして一番必要なことは案外


読書


なのかもしれない。




以上、余談終わり。







私は景山の書を読み、はっとした。


なんと素晴らしい訓えだろうキラキラ



恥ずかしながら堀景山について私はよく知らなかった。

著書によると景山は大変尊敬を集めた学者だったようである。


彼の言葉に「味噌の味噌臭いのと学者の学者臭いのは鼻持ちならぬ」とある。


有識者らしからぬ飾り気のない人柄が伺える一節だ。




この他にも、様々な先賢たちの名言や格言の直筆の書の写真と釈文、その書き下しや解釈などが72首掲載されている。


この解釈や先賢たちの略歴がまた素晴らしい。




大さんの膨大な知識の一角に触れるようだ。




「先賢諸聖のことば」




次の頁には一体どんな名言が待っているだろう。




また明日、頁をめくるのが楽しみだ。






END


(加筆修正 22th Sep 2020)



今頃、私と同じく宿題に追われている学生が日本中にいることだろう。


とうとう夏休み最後の週末。


先程、やっと課題の一つが終わった。


植物をできるだけ克明に鉛筆デッサンするというもの。


輪郭だけは七月中に終えたが、数日振りにスケッチブックを開いたので手が鈍っていた。


数時間かけて何とか完成。



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水彩模写は手つかずのまま提出することになりそうだ。


学校で完成にしてしまっても良かったのだが、もう少し手を加えても良かった。


余計な事をして失敗しても修正する時間はないので、このまま持って行こう。



原画
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浅井 忠 作


「グレーの洗濯場」



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ネコムスメ作 模写
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色味がだいぶ違うが。



模写は手間がかかる上に.素晴らしい作品に近付けて描くのが大変難しい。



後期には油彩画や日本画の模写も待っている。


わしゃあ、嗚咽が出そうじゃ。



話変わって、先日竹橋にある「東京国立近代美術館」へゴーギャン展を観に行って来た。


ゴーギャンも良かったのだが、常設展の日本画や書、屏風絵がすこぶる良かった。



川合玉堂、横山大観、下村観山 他。



実物を観るのは初めてという偉大な作家も多かった。



その中でも特に川端龍子の屏風絵「草炎」に感銘を受けた。



美術に関心のある方は是非ご覧になるべきだ。


やはり日本の文化は世界一素晴らしい。



ゴーギャンでレポートを書くつもりだったが予定変更。


川端龍子だ!


調べてみると嬉しいことに、大田区に「龍子記念館」というのがある。


自宅から目と鼻の先だ。


龍子が長年大田区で暮らしたことからここにできたらしい。



龍氏は大田区池上のシンボルとも言える池上本門寺の大堂天井画として「」を描いたが、


未完の遺作となった。



後に奥村土牛が画龍点睛(がりょうてんせい)し、開眼の上無事に本門寺大堂に奉納されたそうだ。



良いものは意外と身近にあるものだなあ。



図書館も近くにあることだし、明日は「龍子記念館」へ赴いた後、一日レポート作成だ。



それと選挙。


有権者のみなさん、与えられた権利を行使しましょう。




終わり。


(加筆修正 4th Oct 2020)


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一匹の虫


泥の中を這う


取り柄のない虫



虫の目になって 花を見たい


そびえ立つ草の上に


花が空を覆っているんだろうなあ





画家・詩人  星野富弘





End



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むらがって咲いていると


楽しそうで


ひとつひとつの花は


淋しい顔をしている



おまえも 人間に似ているなあ





画家・詩人  星野富弘




End



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美しく咲く 花の根元にも 


みみずがいる


泥を喰って


泥を吐きだし


一生土を耕している


みみずがいる



きっといる





画家・詩人  星野富弘




End



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一日は 白い紙


消えないインクで


文字を書く


消せない絵具で


色をぬる



太く細く


時にはふるえながら


一日に一枚


神様がめくる白い紙に


今日という日を綴る




画家・詩人  星野 富弘。




おわり