アキ君のこと 15 | 僕、オカマじゃないよ。

僕、オカマじゃないよ。

中性的な容姿の自分が美少年に恋したり、ストーカーにあったりの人生を書いた半生記。
同じような人が読んで少しでも共感してくれれば嬉しいです。


今でも、信じられないのですが・・・・・・・なんで、あんな事をやってしまったのでしょう?

それは、労災事故でした。

私が機械の回転体を左手で固定して、そこにアキ君がドリル加工をしている時に起きたのです。



「ドリル加工をする回転体を、左手で固定?」

そうです。誰にでも判る初歩的なミスです。

ドリルが回転した瞬間に、ドリルは回転体を外れて私の掌に突き刺さりました。

床が鮮血で赤く染まります。

「hiroさん、大丈夫?」

アキ君が叫びます。

「駄目だ・・・・・」

私は小さく呟くと、左手を押えてクリーンルームから飛び出しました。

クリーン服も着替えないで、そのまま病院で手術を受けました。


幸いにも、掌の傷は大した事は無く。2,3針を縫って御終いでした。

傷よりも、精神的なショックの方が大きかったですね。

ホッとして会社に帰ってきました。


すると、アキ君が心配そうな顔で待っていました。

私の顔を見ると、駆け寄って来て

「hiroさん、大丈夫?」と聞きます。

私は不機嫌な顔をして、彼の肩に手を掛けて目を見ながら


「アキ君。この償いは体で払って貰うよ」


と云ったのです。この位は云わせて欲しかった。

ドリルが掌に突き刺さったのですから

すると、アキ君の顔がパッと笑顔で綻びました。


私が怒って無い事が判ったのでしょう。

「ああ、痛かった!」

私は、そう大きな声で言うと、自分の部署に戻って事故の報告をしました。