今でも、信じられないのですが・・・・・・・なんで、あんな事をやってしまったのでしょう?
それは、労災事故でした。
私が機械の回転体を左手で固定して、そこにアキ君がドリル加工をしている時に起きたのです。
「ドリル加工をする回転体を、左手で固定?」
そうです。誰にでも判る初歩的なミスです。
ドリルが回転した瞬間に、ドリルは回転体を外れて私の掌に突き刺さりました。
床が鮮血で赤く染まります。
「hiroさん、大丈夫?」
アキ君が叫びます。
「駄目だ・・・・・」
私は小さく呟くと、左手を押えてクリーンルームから飛び出しました。
クリーン服も着替えないで、そのまま病院で手術を受けました。
幸いにも、掌の傷は大した事は無く。2,3針を縫って御終いでした。
傷よりも、精神的なショックの方が大きかったですね。
ホッとして会社に帰ってきました。
すると、アキ君が心配そうな顔で待っていました。
私の顔を見ると、駆け寄って来て
「hiroさん、大丈夫?」と聞きます。
私は不機嫌な顔をして、彼の肩に手を掛けて目を見ながら
「アキ君。この償いは体で払って貰うよ」
と云ったのです。この位は云わせて欲しかった。
ドリルが掌に突き刺さったのですから
すると、アキ君の顔がパッと笑顔で綻びました。
私が怒って無い事が判ったのでしょう。
「ああ、痛かった!」
私は、そう大きな声で言うと、自分の部署に戻って事故の報告をしました。