BL小説(東京編 Ⅱ) 26 | 僕、オカマじゃないよ。

僕、オカマじゃないよ。

中性的な容姿の自分が美少年に恋したり、ストーカーにあったりの人生を書いた半生記。
同じような人が読んで少しでも共感してくれれば嬉しいです。

祐(ひろ)は、床にポツンと座ったままです。。

ひざを両腕で、抱かかえて考えておりました。

”ムサシが、来る”

”まだ、残り香が漂っていそうな、この部屋に来る”

祐は、怯えた様子もなく。

ムサシが来るであろう玄関を、ジッと見詰めて

ピンポーン

「ガチャッ」


いきなりドアが開いて、ムサシが入って来ました。

祐は、そのムサシに、ジッと視線を注いでいます。

ムサシは、思いっ切り不機嫌な顔と、態度で祐を威圧します。

「ありがとう。ムサシ。御蔭で綾川さんと、最後の名残を惜しむ事ができた」

「でも、僕は謝らないよ」

「僕と君には、必要なことだったんだ」


そこまで祐が言うと、ムサシは祐を抱かかえて、ベッドに放り投げたのです。

「ドスン」

祐が、ベッドに叩き付けられてムサシが覆い被さってくる

「ムサシの馬鹿ヤロウ。こんなことになるのは、判ってたじゃないか」

「それでも、彼を泊めろといったくせに・・・・」



もうふたりは、何が何だか判ら無くなってしまいました。

言葉が、全く役に立ちません。

ふたりは、お互いの裸体を擦り付ける事の他を、考えられなくなってしまったのです。

セックスとは、お互いの裸体を、思いっ切り擦り付ける行為なのです。

祐は、綾川さんに、カラカラになるまで搾り取られた上に、ムサシからも徹底的に搾り取られたのでした。



それから、1ヶ月もすると。綾川さんは、会社を辞めました。

送別会は、祐が幹事をしました。

他の人が幹事をやるなんて、誰も考えていませんでした。

小さな会社の2/3くらいの人達が、来てくれました。

綾川さんは、人に好かれる人でした。

幸せな人でした。


これで、祐が一年後に会社を辞める必要は無くなったけれども。

祐は、大きなものを無くしてしまいました。

それは、ムサシを選んだからだけれども。

ムサシには埋められない事も、一杯あったのです。