麦と言う字に願いを込めて。 【 出会い 】 | 出不精きもこ☆今日も元気で家にいます。

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とうとう神の領域(猫様のいる暮らし)に手を出しました。ฅ(=✧ω✧=)ฅニャニャーン✧


2015年10月5日、、正確に言うと日付が変わって6日。
その日は妻さんとウズラとごま団子の取り合いをして大いに泥酔していた。

楽しく騒いで、二人陽気に一緒に帰った。 
妻さんが、ワシがちゃんと家に帰れてるか心配してくださってた頃、
ワシは その子と出会っていた。


普段なら、古北路から黄金城道の歩行街を歩いて帰る。
割と明るいし、深夜と言えど人もちらほらいる安全だと思っている道。
でもその日は、たまたま違う道を帰ったのだ。

古北路から藍宝西路を曲がり、暗くて人気が少なくても、、
その日ワシはその道を選んだ。

なぜか急にハッとして足が止まった。


ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーー・・・
ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーー・・・

何の音?
それが泣き声だと気づくまで少し時間がかかったほど、
子どもが虐待されてるんじゃ?と思う程の苦痛な泣き声で、
急に酔いが覚めて行き、声のする方に引き返した。

車道とバイクや自転車が走る道を分ける分離帯の茂みから、
その子が ゴロっと落ちるように出て来て、
ワシの顔を見て、
ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーー・・・って泣き続けた。



アカン、、、仔猫じゃわ。。


いやいやいやいやいや、キミは何で一人なの?
お母さんは? お腹空いてるの? 
ごめん、、今日に限って何もないよ・・


冷たいと思うだろうけど、野良猫を見ても、、 
例えばその子がふっくらしていたらワシは何もしない。 と言うより、できない。
賛否両論だけど、お腹を空かせて寄って来てそうだったり、
ガリガリにやせ細っていたりすると、
例えその場限りでも 可能な限りご飯をあげる。 
それが成猫だろうが、仔猫だろうがだ。

でも、ここは中国。 餌やりさんが驚くほどいる。
ワシが見てきた野良猫たちは、割とふっくらしてる子が多い。


でも目の前の仔猫がケガをしていたらどうするんだろう。。
考えた事などなかった。


その子は苦痛の声をあげ、
足を引きずりながら3,4歩歩いて、ゴテっと倒れた。
上半身だけ起こして、ワシの顔を見て また ギャァァーっと泣いた。
状況から判断して、その子が はねられた事は察しがついた。


気がついたら、、抱きかかえてた。


抱きかかえた瞬間、、ワシは
やってしもうたぁぁぁぁあーーーーー って思った。


11月には深圳へ転勤。
この子多分 生後2ヶ月いくかいかないか。 
もし飼うにしても11月に国内線飛行機に乗せる為には
最低でも1回の狂犬病ワクチンを打たねばならない。
狂犬病ワクチンを打てるのは生後3ヶ月以降。。

間に合わねえ・・っ。。

だいたい小麦の手続きだって終わってもいないし、
人様の力を借りてでしか出来ていない。
里親さん探すにしても、時間も無けりゃ里親さんが見つかる保証もない。

今、ワシが抱えた事が、自分一人では解決できない事。
今後どれだけの人に力を貸してもらわなきゃいけないか、
どれだけの人にご迷惑をかけるかは、 さすがにバカなワシでも一瞬で分かった。


今なら間に合う。 
安全そうで、誰かがご飯をくれそうな人通りの多い場所へ連れて行くこともできる。


だけど、その子を降ろせなかった。
抱きかかえたその子は、、重みが無かった。 軽すぎた。
腕の中でもずっと 枯れた声で叫んでいた。

一体キミはいつから、、どのくらいの時間叫び続けたの?


家に着いて、玄関を開けると・・
その叫び声にソファーで寝ていた夫が飛び起きた。

「 ・・・何やってんだよっ!!! 」 一瞬で状況を把握した夫が叫んだ。
『 ごめんっ!! でも放っておけなくて!! 』
「 今がどういう状況か分かってんの?! 」
『 分かってる!! 分かってるよっ、でも怪我してるんよ! 』
「 小麦もいるんだぞっ! 」


夫だって、小麦を飼ってから この国での手続き云々の知識はついてる。
瞬時にそれが頭に浮かんだんだろう。
そして、日本とは違い、、この国では狂犬病で亡くなる人もいる事も知っている。

『 ごめんっ、明日病院に連れて行く。
 それから全力で里親さん探すから、とにかく今はこの子を台所に隔離する。
 小麦を寝室に連れて行って! それと小さい布団持って来て! 』


その子は凄く臭くて、毛もゴワゴワと固まっていた。
ノミやダニもいるだろう。 その子が乗った布団はすぐに黒く汚れた。
首を振れば耳から黒い塊も出て来た。

 

いつから、彷徨っていたのだろう。

ご飯をあげると、必死にしがみついてきて死に物狂いで食べた。
息継ぎして!って言う程、必死で食べて私の指と餌の区別もつかず
私の指を必死で噛んだ。

少し出血したその指を見ると、自分でも少し怖かった。
夫が、「 知らんぞっ! どーすんだよっ! 」と怒った。


夫が言いたい事は分かる。
目の前では、上半身だけ起こし私の手を掴み必死でご飯を食べるその子。
今自分が巻き起こした現実。。

何がどうなのか、もう分からなくなって涙が出て来た。
涙が出て来て、自然におさきに電話していた。
夜中なので、おさきは寝てて。。サスケ氏(旦那様)が電話に出た。
後で気づけば非常識な時間。
サスケ氏が 「 起こしましょうか? 」と聞いてきて、
非常識を重ねた 『 起こしてっ 』 と言い、パニック状態で話した。

「 落ち着いて! もう、しゃーないやん!!
  ウチは猫飼った事ないから いいアドバイスが浮かばんから、
  明日 おぅどりんさんに電話してアドバイス貰おう!!
  とにかく今日は、寝て!! もう、連れて帰ったんだもん、仕方ないよ! 」

おさきにいろいろ話して、少し落ち着いて。。
それから 明日 と言われたのに、即行 おぅどりんさんに電話してしまった。

「 うんうんっ、それは仕方ないよ!! 置いていけないよー!
  よく連れて帰ってくれたよぉー! 仔猫は暖かくしてあげて!
  私も一緒に里親さん探すし、大丈夫だから!! 」


後日平謝りするほどの非常識な時間にも関わらず、
2人は決してワシを責めなかった。

中国版LINEのような、微信のモーメントにも
状況と、里親さんも募集する事をアップした。
次の日の朝、小麦の保護主のRifulottさんと、
育ての親でもあるLilyさんが拡散シェアしてくださってた。
2人は 勿論ワシの状況も知っていて、、
その行動の速さに有難くて、感動した。

 

非常識な時間に電話したりまでして、
ワシは自分のやった事を正当化したかったんだと思う。

拡散してくださった方がいて、全てが順調に進みだした気もして、
ワシは、そんなつもりもなかったものの、、

少し、自分がカッコイイとさえ思えて来ていた。

 

この子の運命を私が握った、その重みに気づかずに、、
どこかで浮かれていたのも事実だった。

でも頭の中、混乱もしていた。パニックだった。事の重大さは分かっていた。

それでも自信があった。

だって小麦だって、
同じような状況の中保護してくださった方がいて、
その方が託した思いを、今 私達が引き継いでいるんだから。


責任と無責任の境界線を分かっている様で、分かっていなかった。


続きます。



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