黄金を抱いて翔べ「モモ×幸田」episode.3 嫉妬 | 東方神起~ちゃみ萌えブログ~

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みんなで楽しい気持ちを共有した~い(*^^*)

また、マイペースに「黄金」です(*^^*)
ep.2はそのうち再投稿しますが、自分の中ではこのepisode.3がめっちゃ好きです~(>_<)


よかったら、どうぞ~







*****************************************episode.3


いつものようにドアをノックすると、すぐにモモ子が顔を出した。

幸田と軽く視線を交わすと、モモは台所の方へと向かった。
何か作っている途中らしく鍋が火にかけてあった。
なんだかいい匂いがする。
幸田はモモの隣に立って覗きこんだ。

「それ、何作ってるんだ?」
「・・大根とイカの煮物」

思わず笑ってしまった。

「モモの料理って・・なんか家庭的だな」
「お酒と一緒にって思うとこうなるんだけど、言われてみるとそうかもしれない」
モモはクスッと笑って、鍋のふたを閉じた。

「あとちょっと煮込めば完成だから」

二人で畳の上に腰を下ろした。

「モモ・・これ。」
幸田は手に持っていた紙袋をモモに差し出した。

「なに?おみやげ?」
「いいから開けてみろよ」
目線も合わせずぶっきらぼうに幸田は言った。

ガサガサと紙袋を開けるモモの手が一瞬止まった。
「・・・幸田さん、これって・・」
モモが目をまるくして幸田を見た。

袋の中には、今朝幸田がいつからか足を向けたことのないデパートへ行って「モモ子」のために買ってきた服が入っていた。

「着替え、少しはあった方がいいかと思って・・」
「幸田さんが、わざわざこれを・・・?」

モモの言いたいことは分かった。
北川ならまだしも幸田が女物の服を買う姿なんて想像もつかないだろう。

実際幸田自身も初めてのことで、女性服の売り場に足を向けるのは相当な勇気がいった。
女性店員が近づいてきて「どんな服をお探しですか」と声をかけられた時は、
顔から火が出るほど恥ずかしく、逃げ出してしまいたかったが
とりあえず「シンプルに」という要望だけを伝え、あとは店員にまかせた。

「プレゼント用にお包みしますか」
「いえ、そのままで・・」
場違いすぎる場所にいる自分がいたたまれず、金を払って服を受け取ると急いでその場を離れた。

本当にガラにもないことを・・している。


モモが幸田をじっと見ていた。
自分の顔は今、赤くなっていないだろうか。
そんな姿はモモには絶対見られたくなかった。
「いいから、着てみろよ。サイズが合ってるか分からないけどな」
「え、今着るの」
「あぁ。せっかく買ってきたんだから着てみろよ」
「・・・分かった」

そう言うとモモはくるりと背をむけて、幸田の買ってきた服に着替え始めた。

モモはどう思っているだろう。
まさか自分が人に何かをプレゼントするなんて
誰かに何かをしてやりたいと思うなんて・・そんな日は一生こないと思っていた。

じゃあなぜ、こんなことをしたのか。

・・・悔しかったからだ。

タレこみ屋がいることに気付き、モモの引越しを北川に懇願したのは幸田だ。
モモがこのアパートに引っ越す時、北川がまたカモフラージュにとダンボール5、6個を運び入れたのだが
そのうちの一つに「モモ子」のための服やカツラ、口紅を入れていた。

すぐにまた居場所がバレてしまわないようにという、北川なりの気遣いだろう。
北川はそういう奴だ。
人にさらっとプレゼントだって贈れるし、キザなことでもなんというかスマートにこなせるのが北川だ。
長い付き合いだからそんなことは良く知っている。

なのに、北川にもらった服を着て口紅をつけて自分を出迎えるモモを見るのは気にくわなかった。
なんだか無性に腹が立った。
その気持ちが何なのかなんとなく分かってはいたが、あまり考えないようにした。


モモの背中が見えた。
これは「モモ」なのに、肩先で揺れる髪を見ていると
なんだか覗いてはいけないものを覗いている気がして、幸田は思わず目をそらした。

「・・幸田さん、着替えたよ。サイズは、まぁまぁかな」
そう言ってモモが立ち上がった。

黒のタートルネックにアイボリーのふんわりとしたロングスカートをはいたモモが幸田の目に映った。

「・・・・・・・・」

「恥ずかしいんだから、何とか言ってよ・・」
モモが照れたように肩をすくめた。

「あぁ・・似合ってる。さっきのよりいいんじゃないか」

「オレもこっちのほうがシンプルで好きだな。北川さんが選んでくれたのは、ちょっと甘めなんだよね。奥さんの影響かな」
そう言ってモモはふふっと笑った。


幸田はもう一度モモを眺めた。
シンプルで飾り気のない服が、モモの雰囲気によく合っている。

さっきまでの腹立だしかった気持ちもいつのまにか消えていた。

モモはギャザーの入ったスカートを両手で掴んで揺らしていた。
その姿は、幼い女の子が物心ついて初めてスカートを買ってもらった時のように
ものめずらしい気持ちと嬉しい気持ちが入り混じっているように見えた。

「幸田さん、オレのためにありがとう。大変だったでしょう」
幸田の顔を覗き込むようにして、モモはまた楽しそうに笑った。

モモにもデパートでの幸田の様子は容易に想像出来るらしかった。

服を買いに行った時の恥ずかしさと、モモにそれを見透かされている恥ずかしさで幸田はうつむいた。
「・・・・あんな思いはもう二度とごめんだ」

「でもきっとまた買ってきてくれるでしょう?幸田さんのことだから」
いたずらっ子のような目でモモがそう言った。

また、見透かされてる・・

それでもモモの笑顔が嬉しかった。

「モモ・・」
「なに?」
「鍋・・大丈夫か」
「あっ・・」

モモは慌てて台所へ走っていった。

台所に立つモモの後ろ姿を、幸田は自分でも気付かないほど優しい眼差しで見つめていた。

モモの動きに合わせてスカートの裾がふんわり揺れた。
そんなことすら愛おしく思えた。


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最後まで読んでくださった方、いらっしゃいましたらありがとうございます<(_ _)>
萌え過ぎて・・幸せです( ´艸`)

 


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