ぱわふるトイ・プー ディーンと歩けば~♪ -6ページ目
まだまだナンシーさんの
前衛弁当の作品が続きます……
でもこのPartⅢでおしまいです

贅沢は素敵だ!弁当
アールデコ時代の寵児
タマラ・ド・レンピッカの自画像
「緑色のブガッティに乗るタマラ」
というタイトルが
自動車の時代の到来を告げています
彼女はポーランドの上流階級に生まれ
ロシア革命後にパリに亡命しました
社交界で成功し、明快な色彩と
官能的なエレガンスを持つ絵は
上流階級の人々から高い人気を得ました
自身の美貌や魅力を武器に
芸術家として大成しました
19世紀のイギリスでは
キュウリのサンドイッチは
上流階級では高級品だったそうです
のんびりとお弁当の具材を考えながら
お弁当作りできるのも贅沢ですよね
*****

馬肥ゆる食欲の秋弁当
モチーフはナポレオンが勝利した
アルプス越えですがお弁当の主役は馬
ジャック=ルイ・ダヴィットの
「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」
は、ナポレオン自身のイメージ戦略として
描かれ、英雄的なイメージを
強調する役割を果たしました
*****

ほんまもんに見える鮭弁
お弁当展の当日に作ったお弁当
解説に当日のエピソードが書かれています
心がほっこりします
*****

金魚鉢の底から弁当
このお弁当箱は、色 英一 氏の作品
2匹の金魚は、
「龍が天に昇る前に臥する姿」
とも言われるそう
辰年生まれの夫妻は大喜び
このお弁当箱で
クリムトの「水蛇Ⅰ」を描くと決めたそう
数年前、極彩色の龍が海面から
天に昇る夢を見たナンシーさん
まだ、金魚鉢の底にいますと
謙遜していらっしゃいます
*****

五十肩の可動域弁当
レオナルドダビンチの
美しい黄金比の人体図を
「肩が上がらな~い」
と
訴えているように思えるナンシーさん
このオムライス弁当は
美へのこだわりや味を二の次に
時間に間に合わせることを最優先した
作品だそうです
*****

夜の梅弁当
キビのつぶつぶが
梅に見えるかもしれないと作ったお弁当
ナンシーさんはご主人の好みも
把握していて、喜んでいただけたみたい
ナンシーさんはお料理好きで
お正月の黒豆も自分で煮るようです
*****

箱舟弁当
井手原敬一氏 作のお弁当箱で
ノアの箱舟を思いついたナンシーさん
あらゆる命をつなぐ生命体として
キノコを食材に選んでいます
テーマも重いですが
実際にこのお弁当箱は重いそうです
お弁当箱を依頼するときは
お弁当箱だから蓋は必ずいります
後は自由にお願いします
とのことだそうです
*****

諸国巡り 木曽路の奥阿弥陀ケ瀧弁当
前衛弁当展の六日前
に届いたという
田中英一氏の弁当箱
蓋のタコ
がナンシーさんには
北斎の顔に見えたし、田中氏にも
北斎を感じたらしい
ナンシーさんはこの絵の瀧ではなく
クレイジーな(酔狂な)見物客に
視点が行っています
*****

阿伏兎観音堂じゃけぇ弁当
モチーフは歌川広重の
「六十余州名所図会・備後 阿武門観音堂」
戦国大名の毛利輝元の創建らしい
ハンバーグで岩を
クリームチーズで波を表現しています
*****

金魚そうめん弁当
喜多川歌麿の「金魚玉を持つ女」がモチーフ
ナンシーさんはお弁当箱の美しさに
助けられながら涼を感じていただけたらと
*****
最後の
お弁当は……
以前も紹介済みですが、再び……

麗子ほくそ笑み弁当
山口県立美術館の
「没後90周年 岸田劉生展」のCM
のために依頼された「麗子キャラ弁」
何日も麗子まみれになる
とても大変な創作だったようで
自身の持てる力を出し切り、
完成したCMを見たときは
感無量だったそうです
*****
ナンシーさんの作品解説を読めば
面白さが倍増しました
また、どこかで新作に出会えますように

では、また、今度。
前衛弁当作家ナンシーさんの
前衛弁当展のPartⅡです

アルフォンス・ミュシャ展にちなんで
「ミュシャ・ムシャ展」と称して
作品を展示していました

道行弁当
この二人は、
これから死に向かう二人なのだそうです
二羽のカラスがその不吉さを
暗示していますね
ナンシー夫妻も死と離婚以外はかすり傷で
生きて一緒にいるだけで丸儲け
と思いやってきたそうです

どうしたら
こんな達観した気分になるのでしょうね
凝ったお弁当箱は、色 英一 氏の作品
*****

首をかしげるピエロ弁当
ビュッフェの「
ピエロの顔」がモチーフ
はんぺんに
オブラートアートで描かれています
こんなナポリタン弁当だったら
開けて(゚Д゚)ビックリ

食べて美味しい
一粒で二度美味しい
グリコのキャラメルみたいなお弁当です
*****

モナリザの企み弁当
フランス産のチーズの
アンバサダーになったナンシーさん
覚えられない名前の
ブルーチーズを使ったお弁当
このチーズを入れた揚げ餃子を作り
一つだけ激辛
にしたんだそうです
引き当てちゃったのはご主人でした
たから、企み弁当なのね
*****

ナス・メニーナス弁当
ベラスケスの「ラス・メニーナス」が題材の
麻婆ナス弁当
ご主人は好き嫌いがあるみたいで
こんなに一生懸命作っても
どうしても食べないものは
お弁当箱の外に出しちゃうようです
それをペットのハル君
が
証拠隠滅してくれるらしい
ご主人お願いです
ハル君
の体に悪いので
頑張って食べてください
*****

The Flower Thrower 弁当
弁クシーのシリーズ
男は武器の火炎瓶
ではなく
花束
を投げようとしています
愛と平和のメッセージでしょう
ナンシーさんはこのお弁当を
寒い日
に作り
温かいスープ
を添えたそうです
そして背中を丸めて出て行くご主人に
手渡しました
こんな日常に感謝しながら……
お弁当こそ愛と平和の象徴
と言うナンシーさんの言葉が
印象に残ります
*****

なまくび・なままめ・なまきのこ弁当
ビアズリーの描いた「サロメ」がモチーフ
19歳の頃、
ビアズリーにはまったナンシーさん
乾いたスポンジのように良いも悪いも
どんどん吸収していた時期だったそう
今はまるで軽石
で、
な~んにも吸収しやしないって
(笑´∀`)www
******

姿見鰤穴(ブリアナ)弁当
喜多川歌麿の「姿見七人化粧・びん直し」
がモチーフ
昨日のタルタルソースを使い切るために
このお弁当を作ったのに
サイドメニューの
おでん
の辛子は付けて
タルタルソースは忘れちゃったとか
マイ辞書の冒頭に
「一つすると、一つ忘れる」
と書いているらしい
(笑´∀`)www
*****

通りの神秘と憂愁オムライス弁当
ジョルジュ・デ・キリコの
「通りの神秘と憂愁」が題材
ただのお弁当の食材が
画材の重要なモチーフに変身しています
*****

ピカソバ弁当
ピカソのキュビズムの時代の作品が題材
キュビズムとは物体を幾何学的に分解し
平面に描く違法で、抽象的な形になる
そばはオリーブオイルでコーティングし
夏は冷たいつゆを
冬は熱いスープ
を添えるそうです
*****
お弁当を食べる人を
喜ばせたいというその愛情
だけでは
こんな素敵な作品は創作できません
思いを形にする知識や技術があってこそ
ナンシーさんはやっぱりすごいなっ

では、また、今度。
近くのスーパーに
前衛弁当作家のナンシーさんの作品が
またまた展示されていました


アルフォンス・ミュシャに掛けて
「ミュシャ・ムシャ展」ですって

解説の面白さも
ナンシーさんならではです


ミュシャ・ムシャムシャ寿司弁当
黄道十二宮
芸術誌 ラプリュムのカレンダーより
出来上がって5秒
も眺めず
ムシャムシャ食べちゃったんですって
ご主人がっ

*****

紫煙くゆらすジョブカレー弁当
一説によると、
喜多川歌麿の「ホッペンを吹く女」から
着想を得たと言われる
くゆらすタバコの煙
と
マカロニスパゲティのような髪が
融合した動きのある作品
*****

花のオムライス弁当
ユリはミュシャの絵に
多く描かれている花です
ユリの純潔さと少女のイメージが
重なり合う作品です
日本の四季を描いた屏風に
刺激されたミュシャは
いろんな花を背景に描いています
ナンシーさんはやまのまんなかださんに
エディブルフラワーを手配してもらって
このお弁当を仕上げました
*****

ミュシャスタイル弁当
印刷所のポスターとして描かれた作品
印刷の色見本を見る女性は
ミュシャの故郷の
チェコの民族衣装を着ています
見て美しく、食べても美味しいお弁当が
モットーなナンシーさんは
ここでも
やまのまんなかださんから取り寄せた
エディブルフラワーを使用しています
このお弁当を食すのはもちろんご主人
*****

みだれすぎ弁当
与謝野晶子の歌集「みだれ髪」の表紙より
明らかにミュシャに影響された
和洋折衷の作品
隙間に入れたイカのげそが
乱れすぎ感を出しました

*****

大波に翻弄される弁当
葛飾北斎とたこ飯の組み合わせ
を思いつくナンシーさん

この大波には画家ゴッホや
作曲家ドビュッシーも感化されていますが
ミュシャもどこかで見ていたのかも……
*****

脳内お花畑弁当
お弁当箱はデザイン学校の同級生の
オクムラシノブ君だそうです
このお弁当箱があってこその作品
「脳みそ弁当」じゃなくて良かったと
つくづく思うのであった(笑´∀`)
*****
続きは、次回に……
では、また、今度。

