足りなくなるのは外科医や内科医で、
余りそうなのが少子化を反映してか小児科と
精神科医だと。
そりゃそうだ、と思う、
ハッキリ言って目茶苦茶ラクだから。
例えば一人前の外科医になるのはホントに大変。
医大・医学部で6年
卒業して医師国家試験通って医師免許もらって研修医と言う奴隷が2年。
そこから医局で助手しながら雑用や当直こなして、研究して勉強して、教授のゴマ擂って論文書いて学位通してもらって、患者も診て
その間に技を盗んで教わって手術の腕を磨いて
心臓外科でも脳外科でも何とか切れるようになるまで7-10年単位の年月がかかる。
そして患者の命を背負わねばならないし
専門医認定も取らなきゃいけない。消化器でも脳外でも心臓でも4年間ミッチリ研修してやっと受験資格が得られるし、専門医じゃなきゃ役に立たない。
そしてどれだけ努力しても
腕が立たない、メスが切れない、評判の悪いドクターには客が寄りつかない。
とても割がワルいし
メスが切れない優しい人格者より、
どれだけ傲慢でスケベで強欲でイヤな奴でも天才外科医「ブラックジャック」や「財前五郎」の方がいいに決まってる。
では精神科医の場合は?
まず精神の病気そのものは命に直結しないから気楽。
医師免許さえあれば精神科でも心療内科でも看板はすぐにかけられる。
専門医認定試験は一応あるが、試験も研修も全然ラク。
寝る間を惜しんでシミュレーターで手術手技を磨く必要も無い。
開院するのに設備投資もほとんど要らない。
リスクが小さく回収が早い。
自分は病気だ、と訴える人に病名を付けて、クスリをドンドン出すだけでアッという間に元が取れる。
だが何といっても1番ラクなのは
何故か精神科医だけは
実績を余り問題にされない
手術を委ねる外科医なら、症例数や執刀医の経歴や評判を気にするだろう。
平たく言えば、
何人切って何人助けて
何人死なせたか
が1番の関心事。
執刀を委ねるなら調べたり聞いたりするだろう。
ところが精神科にかかる時には、
どういうワケか、医師が「何人治した」とか「何人廃人にした」とか「何人殺した」を気にすることはまずない。
患者が気にするのは、
厳しく五月蝿いことを言わずに
自分に合う良いクスリを出してくれるかどうか?
自分の話を長い時間かけて、ウンウンと聞いてくれるかどうか?
自分に優しくしてくれるかどうか?
構ってくれるかどうか?
これが良い医師の基準だから。
「何人治したのか?」
「何人壊したのか?」
は余り問題にされないから、精神科医はラクな稼業なんです。
余るのも道理です。