随分前に、バンドをやっているという女性を接客した事がある。

バンドをやっているお客さんじたいは珍しくはない。ただ彼女は『一応プロとして全国ツアーもやっている』と言っていたので、へぇーと思った記憶がある。ただ、当時バンド名を聞いたけど知らない名前だったし、言われるまで彼女がプロのミュージシャンだとは一切思わなかった。バンドといえばラウドネスやアースシェイカーなどを好んでいた僕とは全く違うジャンルの音楽をやっているらしく、風貌も髪を染めたりソレっぽい感じは皆無な全く普通の女性だったから。

もう何年も前のそんな話を思い出したのは、ブロ友さんもそのバンドのメンバーと知り合いだと記事を拝見し知ったから。記事にはバント名などは書かれていなかったけど、もしかして…?と尋ねたら正解だった。

ただ、僕は何年も前に数回接客した事があるだけなのに対し、ブロ友さんはライブにまでご招待されるほどのガチでリアルなご関係。

そのブロ友さんが、例のバンドのライブを観に行くよと連絡をくださったので、僕も行く事にした。幸い平日で比較的余裕のある曜日だったから決行できた。

彼女に、都会までライブを観に行ってくると伝えたら驚かれた。そりゃそうだ、仕事を早く切り上げて片道2時間もかけて1人で遊びに行くなんてとても珍しく、彼女と知り合って初めての事だったから。しかも、夜に。

言い方が悪かった、と言ってから気付いた。
店に来てくれた事がある女性がやっているバンドのライブを観に行ってくる。ブロ友さんも行くらしいから、もしかしたら会えるかもしれない。

明らかに不機嫌な顔になっていた。
僕が彼女の知らないところで女性客と親しくしていて、彼女がやってるガールズバンドのライブに招待されて観に行く。仕事を早く切り上げてまで。片道2時間もかけて。しかも彼女の知らないブロ友さんともリアルに会おうとしている、と。

店に来てくれた事があると言っても随分前に2回くらいの事ですっかり忘れていた人だし、会えるかもしれないブロ友さんは男性だとも言い漏らした。

そんな事から、浮気とは何なのか…という議論に発展した。


報・連・相は大事だとあらためて痛感。




で、ライブの話。
ライブハウスをイメージしていたら、キャバレーの様相だった。キャバレーって今でもあるのか?僕自身キャバレーと名乗る店には行った事がないからイメージでしかないけど、Wikipediaによると

ダンスやコメディショーなどパフォーマンスをする舞台のあるレストランやナイトクラブのこと

とあるから、まあ当たっている。

ライブを主とするのがライブハウスなら、キャバレーは飲食や会話を楽しむのが主という事か。昔観た極妻の映画で親分が飲みに行くのは必ず一見さんお断りの高級そうな店で、綺麗なお姉さんがピアノの生演奏をしていた、あの雰囲気だ。

バンドがライブをする=必ずしもライブハウスでガンガン縦ノリでというわけではないらしい。こういう大人の娯楽的な世界もあるんだと知った。

そして肝心のブロ友さんとは会えず。 
いや、もしかしたら同じ空間にいたのかもしれないし、すれ違っていたのかもしれないけど、僕自身行けるかどうか分からない状況だったから、行くとは断言できず事前に伝えていなかった。実際僕は店を見つけるのに手間取り、予定より1時間も遅く入店した。

せっかくの機会だし約束しておけばよかったな。