晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜 -29ページ目

晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

晴れた日は山に登り街を走り、 雨の日は好きな音楽を聞きながら本を読む
そんな暮らしがいい!

2025年の「このミステリーがすごい!」大賞(「このミス」大賞)の受賞作。豊中市内のパン屋さんが舞台ということで人気があり、市内の図書館でも貸出希望者が数百人待ちで、半年かかってやっと順番が回ってきました。

 

 

公式サイトの内容説明

「焦げたクロワッサン」「夢見るフランスパン」「恋するシナモンロール」「さよならチョココロネ」「思い出のカレーパン」……
章タイトルも魅力的な今年の大賞受賞作は、パン屋を舞台にした〈日常の謎〉ミステリー。明るさと優しさに包まれた、読み心地のよい作品です。
パンへの情熱をいつも暑苦しく語る店長や、お調子者だけど人情に厚い先輩など、賑やかなパン屋〈ノスティモ〉(ギリシャ語で「美味しい」という意味!)の面々に囲まれて、アルバイト店員・市倉小春は、漫画家を目指すゆえの鋭い観察眼で謎を解いていく――。

 

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大きな勘違いをしていました。

「このミステリーがすごい!」(このミス)と「このミステリーがすごい!」大賞は、全く別物であることを。

 

「このミス」は、その年の本格ミステリーの傑作のベスト10を決めるもので、過去取り上げられた作品の作者は大御所とか有名作家が名前を連ねています。

 

それに対して「このミス」大賞は、主に新人のミステリー作家の作品を選考対象にしたものでした。

 

それを知らずにこの本を読み始めて、複雑なプロットもなくて、人も死なず、伏線をちりばめることもなく、スリリングな場面があるわけでもなく、日常の出来事が書かれているだけだったので、「アレ、これはミステリーか?」と思いながら読み進めました。

 

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豊中市のパン屋「ノスティモ」でアルバイトをする漫画家志望の店員・小春は、作者である土屋うさぎさんの実際のバイト体験を元にしていて、彼女も漫画家でこの小説で小説家デビューをしたばかりだそうです。

 

彼女がパン屋で働く中で起きた、ちょっと変わった出来事を、独特の勘で謎解きをする短編集です。公式サイトにあるように、5種類のパンにまつわるストーリーですが、それぞれのパンの特徴を捉えた文章が食欲をそそります。

 

加えて、主人公はもちろん、パン屋の店長や同じ店で働く先輩や同僚などのキャラが際立っていて、その間で交わされる会話も楽しめます。作者は元々漫画家なので、展開や会話が漫画みたいと言われていますが、読んでいてほんわかした雰囲気に包まれるので、それほど気になりませんでした。

 

この小説のもう一つの魅力、それは登場するパン屋さんが、実際にある豊中の店がモデルになっていることです。もうあちこちで紹介されているので、ネタバレにはならないと思いますが。

 

小春がバイトしていた「ノスティモ」→石橋にある LOAF Bakery

「トリコ」→蛍池にある「トリーゴ」

「ジローパン」→石橋の「タローパン」

「メルン」→岡町にある BOULANGERIE DE MELK(ブーランジュリーメルク)

「ル・マレ」→柴原にある Pane Volare(パネ ヴォラーレ)

「ベーカリーまんぷく」→少路にある「まん福ベーカリー」

 

この中で行って買ったことがあるのは「メルク」だけですが、どの店も近くにあるので、一度訪問してみて、小説に書かれている雰囲気を感じてみたいと思っています。

 

本格的なミステリーファンには物足りないと思いますが、パンを片手にさらっと読める本です。