京都寺町二条にある、天保九年(1838年)創業という錫工房の老舗「清課堂」。その7代目当主でもあり、ラン仲間でトライアスリートでもある源兵衛さん(源さん)から、5年振りに工房見学会をやりますと告知があったので、面白そう!と思って参加してきました。
マラニックや観光で寺町通は何回も行っているので、店の前は必ず通っているはずなのに、今まで店の存在に気がついていませんでした。
典型的な京町家の作りの建物は、一度焼けてしまって建て直したものだそうです。扁額と暖簾に風情がありますね。暖簾は6色あるものを季節毎に架け替えているそうです。この井桁紋はなかなか見ないもので珍しい。この門構えを見ると、敷居が高そうでなかなか入りづらいですね、と言うと苦笑いされました。
店の中に掲げられている扁額は、この店の名前を命名した文人画家の富岡鉄斎(銘は鉄崖)の書によるものだそうです。
入ってすぐに様々な錫製品が展示販売されています。やはり圧倒的に皿などの食器や、徳利・お猪口などの酒器、急須や茶筒などの茶器といったものが多いですね。他にも花器や香炉、線香立てや根付けなどもありました。
中でも面白かったもののひとつ、火鉢を改良したワインクーラー!
錫製品だけでなく、銀製品や鉄器などもありました。様々なオーダーメイド(お誂え)にも対応されているそうです。
細長い町屋の奥に進むと、明かり取りを兼ねた中庭があり
その奥には常設のギャラリーがあり、いつでも見ることができるそうです。
展示場所は、以前は住居になっていた和室や
茶室をそのまま利用したものなど
一番奥には、唯一火災を免れたという蔵を改修したスペースもあります。
蔵の中央には作家さんが作られた兜(これも値札がついた販売品)があり
鈍く輝くカウンターなどは、商業施設の内装の需要があるのだとか。
蔵の横には、茶室の躙口に通じていたと思われる、鹿脅しや石灯籠のある中庭があります。
ギャラリーをひと通り見た後は、メインの工房見学です。ギャラリーの地下に通じる階段を降りていくと、工作機械や工具が所狭しと並んだ工房がありました。
錫製品の製作にも様々な工程があります。これは横に取り付けられたろくろに円筒の半完成品を取り付けて研磨する機械。
源さんも職人なので、自ら制作の様子を実演してくれました。
(余談ですが、源さん自身は理系でIT関係の仕事をするつもりが、とある事情で家業を継ぐことになり、他の工房で修行されたそうです)
金槌などの工具も何十種類もあり、主に表面の加工に使われます。
これも源さんが実演してくれて、細かい模様の違いがよく分かりました。
「やってみますか?」と言われて、私もトントンしてみました。柔らかい素材なので力の入れ具合が微妙で、均等に叩くのがなかなか難しかった。
(これが私の叩いた板目です。お土産?に持ち帰ることができました)
錫は鉄など他の金属に比べて桁違いに融点が低い(鉄は1,500度、錫は230度くらい)ので、溶接も気を使います。
こんな小さなバーナーを使って溶接とかするそうです。
火に弱い錫製品は取り扱いも慎重さが求められます。洗って火器の近くで乾かすのはもっての他だそうです。燻んできたあとの手入れには、歯磨き粉が良いと言うのも意外でした。
ざっと1時間くらいで見学会は終了。ラン姿しか知らない私には、真面目に説明する源さんには違和感がありました(失礼)。原材料の値上がりや何人もの職人さんを抱えて大変そうですが、伝統工芸を絶やさない工夫をいろいろ考えている姿勢は尊敬しかありません。
見学会は今後不定期で開催されるそうですので、興味のある方はHPなどで覗いてみてください。清課堂のHPはこちら↓すごくよく出来ています。
店を出てちょうど昼時だったので、寺町通にあるレトロな定食屋さんで昼食。
思ったより量があり、お腹いっぱいでした。
梅田に用事があったので、帰りは河原町駅から阪急電車の有料座席指定車両”PRIVACE”に初乗り。なかなか快適でした。
追記:
ランナーと職人の両方の源さんが見られる動画です。























