政治的なことには関心が薄いのですが、このところきな臭い匂いがしているのが、ちょっと気になります。
そんな折に出会った一冊の絵本。
この「絵本」が最初につくられたのは2004年です。あとがきによると、当時新聞やテレビで報道される”パズルのピース”に漠然とした不安を感じた、年齢も職業も住む地域も違う20人あまりの人たちが、話し合ってできたそうです。
それから10年が経ち、世の中が少しずつ変わっていき、ぼんやりとしていた、どこかおかしい感じが、だんだんはっきりしてきたため、2014年に当時の状況を踏まえて出版されたのが、この改訂版「新・戦争のつくりかた」です。
本文はたった18ページ、挿絵を入れても30ページほどしかありません。大きなフォントを使い、やさしい言葉で書かれているので、小学校高学年以上ならすらすら読める内容です。
「絵本」という体裁をとっていますが、中身はとても深い内容が書かれています。
少しだけ抜粋するとーー
「わたしたちの国は、60年ちかくまえ*に、『戦争をしない』と決めました。」*①
(中略)
「でも、国のしくみやきまりをすこしずつ変えていけば、戦争をしないと決めた国も、戦争できる国になります。」*③
(中略)
「戦争のことは、ほんの何人かの政府の人たちで決めていい、というきまりを作ります。」*②
(後略)
巻末には、それぞれの文章のもとになった法令や政府発表などの資料が詳しく掲載されています。
例えば
上記*①は、いうまでもなく「日本国憲法」(1946年)前文と第9条
*②は、自衛隊法(1954年)や、武力攻撃事態対処法(2003年)、国民保護法(2004年)国家安全保障会議設置法(2013年)、特定秘密保護法(2013年)、など
*③ は、日本国憲法改正草案(2012年)などに現れています。
そのほかに、日本国憲法が施行されてから2014年までの年表があり、片側には世界で起きた出来事が時間軸で並べられ、もう片方にはそれに対応して作られた法律や政府の方針などが書かれています。これを見ると直接日本に関わりのない出来事が、実はとても絡んでいることが分かります。
じっくり見ると、いつの間にこんな法律が作られていたのか?なぜ昔の法律が変わったのか?自分なりに新しい発見があるかもしれません。
こういった法律を普通に読むと、一見して我々国民に良いことばかり書かれているように見えますが、時々思いがけないものが隠されていることがあるので、注意しないといけませんね。
でも、法律の専門家でない限り、なかなか分かりにくいのも確かです。著者も指摘しているように、「〇〇の場合を除き、⬜︎⬜︎できない」とあったら、「〇〇の場合は⬜︎⬜︎できる」と読んだほうがよいときがあるので、気をつけないといけません。
私と同じように、漠然とした不安を持つひとに読んで欲しい本です。最近制定された法律が反映されていないのが残念ですが、基本のスタンスは変わらないと思います。
太平洋戦争が終わって80年。いつか来た道をたどらないために。
