久しぶりにコンサートホールのステージに立ってきました。
今から約50年前、名古屋市にある南山大学の男性合唱団”Male Choir"(メイル・クワイヤー、以下南山メイル)の部員だった私は、大学生活の4年間コーラスの魅力に憑かれて部活をしていました。
当時からカトリックの姉妹校として交流のあった上智大学のグリークラブ(以下上智グリー)とは、文化系体育系併せての大学対抗戦「上南戦」の一環として、一年毎に東京と名古屋で交互に交歓演奏会を開催してきました。
男声合唱の全盛期ということもあり、それぞれ多い時は60人前後の部員が在籍していて、盛り上がっていた記憶があります。(全国的に有名な大学合唱団、例えば関西学院グリークラブなどは、100人を超す部員を抱えていました。)
しかし、学生の趣味の多様化ということもあり、次第に団員が減り始め、交歓演奏会も1996年を最後に開催されなくなってしまったのです。
諸先輩の尽力で、2018年に久しぶりにOBを中心とした交歓演奏会が開かれました。
(その時の模様はこちら↓)
大変盛り上がって、5年後にもう一度開催しようとしたのですが、コロナ禍のために準備がなかなかできず、ようやく1年前に演奏曲目や開催日を含め具体的なスケジュールが決まりました。
去年の秋から週一回のペースで名古屋市内で練習が始まりました。大阪に住む私はなかなか練習に参加できず、本腰を入れて練習に参加し始めたのは今年の4月からでした。土曜日の練習を中心に参加して、なんとか着いて行けるようになったのは演奏会の直前です。
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9月23日祝日月曜日の朝8時過ぎ。前日に上智グリーのメンバーも名古屋にやってきて、最後の合同練習をした興奮も冷めぬ中、今回の演奏会場となった東海市芸術劇場に向かいます。
パート別に割り当てられた楽屋に入った後、9:00から練習室で発生練習。100人以上のメンバーが揃いました。
9:30からは、ステージリハーサル。演奏はもちろんですが、入退場の段取りや、照明の明るさなどを調整します。休憩時間にそれぞれ弁当などで昼食をとります。
(写真は合同ステージのリハーサルの模様)
13:00過ぎにリハーサルが終了し、13:30には演奏会場の入場が始まりました。
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14:00 定刻に開演しました。
オープニングは、上智大学校歌とNanzan Male Choir Club Song のエール交歓です。出演する上智のOBは46名+現役が11名。対する南山OBも46名ですが、現役がいないのが寂しい限りです。
(写真はMale Choirの団旗にスポットが当たっているところ)
客席をざっと眺めていると、思っていた以上にお客さんが入っています。1000人のキャパがあるホールなので、ざっと7割くらいの入りでしょうか。
(後で聞いた話では、前日に地元の中日新聞に掲載された演奏会の記事を見た?人が聴きに来てくれて、当日券が60枚も売れたそうです。写真はその記事の写メ。)
その後は、それぞれの団員の物故者を偲んで
”Requiem Aeternam"(レクイエム エテルナム、永遠の安らぎを)
というラテン語の宗教曲を、合同で演奏しました。
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🎵第 Ⅰ ステージ
「月下の一群」第1集
演奏は南山コールハーモニー(南山のOB合唱団)
アカペラで歌われることの多い男声合唱ですが、これはピアノ伴奏付きです。堀口大学の詩に南弘明さんが曲をつけたもので、よく演奏される有名な楽曲です。リズムなどが難しいところもあり、最後まで苦労した曲ですが、大きなミスもなく終了。
🎵第 Ⅱ ステージ
イタリア愛唱曲集
演奏は上智のOB合唱団
イタリア語の難しい楽曲を暗譜で演奏したのには驚きました。聞くと5,6年前からかなり歌い込んでいた曲集だそうです。音域もかなり広く、テナー系がかなりキツそうでした。
🎵第 Ⅲ ステージ
歌い継がれてきた愛唱曲集
演奏は南山コールハーモニー
三人の歴代指揮者が2曲ずつ指揮をしました。
・アメリカ民謡「 I've been wukkin' on de rail road」
・男声合唱組曲「わがふるき日のうた」から「鐘鳴りぬ」
・男声合唱組曲「雪明かりの路」から「春を待つ」
・アメリカ歌曲「Aura Lee」
・日本民謡「最上川舟唄」
・「ふるさと」室生犀星の有名な詩に磯部俶さんが曲をつけたもの
演奏を終えた後に会場にアナウンスをして、聴きにきてくれた南山メイルOBたちにステージに上がってもらい、「南山大学学生歌」を熱唱しました。
休憩を挟んで
🎵第 Ⅳ ステージ
合同演奏で
男声合唱組曲「月光とピエロ」
堀口大学の詩に清水脩さんが曲をつけた、男声合唱ではかなり演奏される機会が多い有名な組曲です。指揮は関学グリーのOBで、上智グリーOB合唱団の常任指揮者でもある太田務さん。
100人以上がステージに立つと、さすがに迫力が出ますね。よく響くホールでもあるので、歌っていても気持ち良かった。男声合唱独特のハモリを聴かせられたと思います。
演奏が終わって、大きな拍手をもらいました。
アンコールは太田さんが選んだ「白い火の姿」。大手拓次の詩に清水脩さんが曲をつけたもの。何回も転調があるので、初めて歌うメンバーは苦労したそうですが、私は現役時代に一度ステージで歌っているので、楽でした。
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16:00過ぎ、全ての演奏が終わって、気持ちが昂ったまま着替えをして、打ち上げが行われる名古屋市内のホテルに向かいました。
18:00 金山駅近くにあるホテルの宴会場で打ち上げ(祝賀会)が始まりました。
来賓などの挨拶に始まり、参加メンバーの中で指名された人たちがひな壇に立ってスピーチ。
そうこうするうちに、歴代指揮者が入れ替わり立って、愛唱歌の演奏が次から次へと続きます。最後は太田さんの指揮で男声合唱では広く知られた愛唱歌 "U-boj" の大合唱でお開きとなりました。
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今回は南山メイルの創立70周年記念を兼ねた演奏会でした。現役がいなくなって10年余り。OB団員の平均年齢も60代半ばとなり、5年ごとに行ってきた演奏会も次の開催は年齢的に無理だろうという意見が多数をしめ、最後の演奏会となるようです。
打ち上げでは、現役部員を復活させて演奏会をやろうというノリで盛り上がりましたが、高齢で声が出なくなっているメンバーが多くなっているので、現実問題としてかなりハードが高そうです。