コントラバスだけのコンサート | 晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

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大阪府豊中市には大阪音楽大学があり、日本センチュリー交響楽団(センチュリー響)の本拠地でもあるので、以前からいろいろな音楽イベントが行われています。今年も、10/1から12/10まで「とよなか音楽月間」と名付けて、60を越す音楽イベントが市内のあちこちで開催されています。

 

なかでも「豊中まちなかクラシック」は、センチュリー響の団員が市内の教会やお寺などで無料のミニコンサートを行うイベントです。今年も7公演が行われますが、無料とあって人気が高く、抽選に応募してもなかなか当選できません。

 

それでも今年は一つの公演に当選したので、早速聴きに行ってきました。

 

10月6日金曜日。会場は阪急宝塚線豊中駅近くにある、日本キリスト教団豊中教会です。教会があるのは知っていたのですが、中に入るのは初めてです。

 

公演はセンチュリー響のコントラバス奏者4人だけのカルテットコンサートで、とても珍しいと思って楽しみにしていました。

 

教会の中の礼拝堂がコンサート会場でした。普段は日曜礼拝が行われる場所ですが、思ったよりコンパクトな部屋にはパイプオルガンもあり、天井が高いので響きも良さそうです。

 

礼拝の時には説教台が置かれるステージに、4台のコントラバスが並んでいます。一口にコントラバスといっても、色合いや大きさが微妙に違いますね。

 

19時に開演。演奏順に曲目を紹介します。( )内は作曲家名

 

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● 羊は安らかに草を食み(J.S.バッハ)

 

懐かしい曲です。昔NHK-FMで放送していた「あさのバロック」のテーマ音楽でしたね。私は目覚まし代わりにこの番組を聴いていて、亡くなられた皆川達夫さんの解説でバロック音楽が好きになりました。

 

● ピンクの象

● パーティ!(共にT.オズボーン)

 

作曲したオズボーンはコントラバス奏者でもあるので、コントラバスのための作品がいっぱいあるそうです。「ピンクの象」(英語のスラングで”酔っ払い”のこと)は現代作曲家の作品らしく、ブルースっぽい曲調が親しみやすかったです。

 

● 犬小屋のシュトラウス(D.ランズウィック)

 

ヨハン・シュトラウス親子の有名な曲を繋ぎ合わせてメドレーのようにした作品。現代作曲家のランズウィックはジャズのベーシストでもあるので、コントラバスの特徴を生かしたアレンジが良かった。

 

● タ・タ・タ・タ(S.シェーファー)

 

こちらはベートーヴェンの曲をつなぎ合わせたもの。曲名はもちろんあの有名なメロディ「タタタター」でしょうね。「第九」のコントラバスの有名なフレーズも出てきて、思わずニヤリとしてしまいました。

 

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☆演奏の合間に、メンバー紹介とそれぞれの楽器の説明がありました。女性メンバーがいるのも珍しいですね。今年になって結成したカルテットで、センチュリー響の拠点がある服部緑地にかけて、「みどりのぞう」というユニット名にしたそうです。

 

(演奏中の写真は「みどりのぞう」の"X"からお借りしました。

 

それぞれの楽器は、100年前に作られたという物や、イタリア以外で作られたというものもありました。黒っぽい色目はニスではなく顔料を塗った珍しいものだそうです。

 

もちろん演奏はユニゾンではなく、4パートに編曲(作曲)されたものです。メロディーパートを交代で演奏するなどいろいろ工夫されていました。

 

高い音域をコントラバスで演奏できるの?と思っていたら、(普段ならまず使わない)1弦の高いB(H)を手を伸ばして押さえるという感じでした。もちろんコントラバス特有の「ボン!ボン!」というピチカートもいっぱい使われていました。

 

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● 星に願いを(L.ハーライン)

 

この日の曲目の中では誰もが知っている超有名曲。ディズニー映画「ピノキオ」の主題歌ですね。途中でテンポアップしてジャズっぽくなるのが面白いアレンジ。

 

● ブエノスアイレスの冬(A.ピアソラ)

 

アルゼンチンの作曲家ピアソラの有名なタンゴの曲。バンドネオンを始めいろいろな楽器で演奏されていますね。

 

● 夕暮れに(吉田有音)

 

同じようなコントラバスカルテット"Bass Bar"のメンバーである吉田さんが作曲したオリジナル曲。曲調が「夕暮れっぽい」という他のメンバーのコメントで曲名をきめたのだとか。

 

アンコールは今の季節にふさわしく「小さい秋見つけた」でした。

 

1時間ほどでコンサート終了。コントラバスは元々好きな楽器ですが、新しい魅力が発見できてよかったです。