6年ぶりに走った今年の大阪マラソンは、個人的には残念な結果に終わりましたが、それ以上に残念だったのは大会運営です。仮装をして楽しく走った2017年のイメージと全く印象が違う状況でした。
レース後のRUNNETの大会評価も、大都市マラソンではありえない41.2点という低評価(これを書いている2日現在)。同じ日に行われた姫路城マラソンが84.3点とそれなりに高い評価を受けているのと対照的です。
レース当日のレポでも少し触れましたが、今年の大阪マラソンは色々な意味でストレスになることが多く、大会組織委員会に改善をして欲しいことがいっぱいあるので、私なりにまとめてみます。
●エントリーについて
大阪マラソンに限らず、最近のマラソン大会はコロナ対策費用などの名目で、参加費が高騰しています。今年の大阪マラソンでも、最低でも¥19,100が必要で、これはコロナ前の¥10,800と比較するとほぼ倍増です。
その高い参加費を敬遠してエントリーしないランナーも多く、加えて去年は大会2週間前に一般ランナーの参加が中止になるという決定がなされ、ランナーの不信感を招きました。その為に今年の大阪マラソンの場合は32,000人の定員に届かず、慌てて7,000人もの追加募集をしたようですね。
参加費用の高騰はやむをえないとはいいものの、後に書くようにそれが適切に使われたのか疑問に思うことがありました。
●事前案内について
大会HPのレイアウトを含めて、とても分かりづらいです。おそらく外注にほぼ丸投げしていると思いますが、体調管理アプリなどのコロナ対策についての記述に偏っていて、肝心のスタート会場やフィニッシュ会場の案内が少な過ぎます。PDFの画面もただ貼り付けてあるだけで、字が細か過ぎる上に、ページ割がいい加減で印刷するにも一苦労でした。
(私は3月6日に行われる東京マラソンにもエントリーしていますが、こちらの案内は実にスマートで分かり易いページ構成になっています)
●ランナー受付とエキスポについて
コロナ前の2019年の大会からコースが変更になり、大阪城公園がスタート・ゴール地点になりましたが、ランナー受付とエキスポは相変わらず市内から遠い南港のインテックスのままです。
せっかくなら受付も大阪城公園にある大阪城ホールにして欲しいという声も聞きますが、使用料や使用権などの兼ね合いで大人の事情があるのでしょう。
ランナー受付では個人的に一つだけトラブルがありました。ナンバーカードの受け取りの際にチェック済みのセキュリティバンドをしてもらうのですが、ボラスタッフの手違いで?バンドをつけてもらえず、会場を後にしてから気がついたのです。あれほどコロナと騒いでいる割にはチェックが雑な印象をもちました。
以前2017年に参加した時より、受付の動線が複雑になり、エキスポブースも回りづらくなっていると思ったのは、私だけでしょうか。
またその時にもらった大会案内の冊子には、スポンサーの記事がやたら多くて、スタート・ゴールエリアの案内が一切なく、ネットでしか情報が得られないという不親切さ。
●大会当日スタートまで
大会案内の地図↓を見ると一目瞭然ですが
①仮設トイレ・更衣スペースが少なすぎる
②検温・手荷物預けからスタートブロックまでの動線がややこしすぎる(30分もかかるのは他の大会ではありえない)
ことがわかります。ランナー目線でなく、誰かが机上で作ったとしか思えません。
トイレについて言えば、会場内の仮設トイレが少ない上に、場所が分かり難いので、公園内の公共トイレは大行列でした。その反面、スタートブロック前の仮設トイレは数が多いのにガラ空きで、配置ミスが目立ちます。(中には待ちきれずに、公園の林の中で立ちションしたランナーもいたようです)
更衣スペースも、狭いテントにブルーシートを引いただけというお粗末なもの。狭い道の脇で着替えをしているランナーが多かったのも頷けます。なぜ、大阪城ホールや近くにある吉本系列のMMホール、TTホールなどを開放しないのでしょう?使用権の問題?汚されるから??
荷物預けも狭い通路に置いてある運送会社のカゴ台車に積み込むだけで、ゴールするまで野ざらし状態。大阪城公園がゴールになってからこの方式だそうですが、誰もが心配するように雨の降った時はどうするんでしょう?(ビニールカバーしてるから濡れてもいいのか⁈)
スタートブロックまでの案内板も少ない上に、小さくてわかりにくかった。大阪城公園をよく知っている私でも迷いそうだったので、馴染みのない人や、他府県から来た人はウロウロしてパニックになったかもしれません。せっかくブロックごとにランナーを分散させるための動線が、かえって複雑になって渋滞を招いていました。(しかも、同じ通路に観光客もちらほら見かけました!)
スタートブロックに入る時に、セキュリティバンドなどのチェックがあるはずでしたが、担当のボラの人はそんなそぶりも見せず、ノーチェックでした。何のための安全対策だったんでしょう。
ランナーのブロック分けも疑問が残ります。追加募集の影響でしょうか、サブ3レベルのランナーが第2ウェーブのFブロックになったりと、基準がめちゃめちゃでした。スタートしてから、速いランナーが渋滞にイライラして、他のランナーにぶつかりながら走り抜けていく危ない場面をかなり目にしました。これは速いランナー遅いランナーそれぞれにストレスになります。
スタート時間が違うのに、ブロック入場閉鎖が全て9:00というのも疑問ですね。おかげで、一番遅い9:45スタートの第ウェーブのランナーは、寒さに震えながら待たなければならなかったようです。
(東京マラソンの真似をして?)府庁前をスタートにするなら、耐震工事中のシートを被せたままの状態はどうかと。おまけに、大阪を盛り上げるイベントと言いながら、府知事も大阪市長も来ていないのは腑に落ちません。
●給水・給食について
おそらくこれが、今大会で一番ランナーからブーイングを浴びたことでしょう。コースの途中で4ヶ所あるはずの給食エイドが、(私もそうでしたが)遅くに到着したランナーには全く支給されませんでした。
事前の発注数量の見込み違いなのか、当日の想定外のことだったのか?少なくても約30,000人が参加するイベントでどれくらい必要なのか、過去の実績で把握できるはずですよね。まさか予算をケチった??サブ4レベルのランナーはなんとかありつけたそうです。
以前あった「まいどエイド」は、一ヶ所に集中しすぎるとの批判もあってか、今回は設置されませんでしたが、それでも遅いランナーにも少しは残っていました。
「”くいだおれ”の大阪マラソンの名前が泣くぞ!」
「”ランナーを支える豊富な給食ラインナップ” なんてアピールするなら、ちゃんとやれ!」
など、厳しいコメントでいっぱいです。
私は補給用のジェルを携帯して都度口にしていたので、ハンガーノックにはならなかったものの、遅いランナーで何も持たずに走っていた人は、水分だけの補給で大変だったと思います。後で聞いたら、ボランティアの人が自分の責任でもないのに、「すみません、もう無いんです.....。」としきりに謝っていたとか。
●ランナーのマナーについて
スタート前の立ちションもありましたが、コースの途中でもトイレの行列に並ばずに、陰で立ちションしていたランナーがいたとか。
給食エリアでは、路上には支給されたと思われるお菓子などが、封も切らずに散乱していたり、空袋があちこちに放ってあったり、ランナーのマナーも悪かったですね。
また、給水コップの散乱も、今まで目にしたことがないくらい酷かった。給食にありつけなかった腹いせか、ゴミ箱とは全く反対側に捨てられた紙コップの多かったこと。ボランティアの人に本当に申し訳ないですよ。
●ゴール後の対応について
ゴールしてから、スポドリをまるまる一本、他にスポンサーのお菓子を3種類もらいました。途中の給食エイドでは何も食べられなかったのに、この需給のタイミングのアンバランスには呆れてしまいました。
着替えについてはスタート前と同じ状況です。ところお構いなく着替えをするランナーの多いこと。雨の日だったらどうするんでしょうか。
たまたまなのか、この日隣接する大阪城ホールでは、ジャニーズ若手のコンサートが行われて、最寄の大阪城公園駅は大混雑していたようです。
「今日すごい人なんだけど、何かあるん?」
と若い女子たちが話していましたが、どちらが先だったのか、同じ日にイベントをぶつけるというのもどうかと思います。
いろいろ書き込みましたが、大会運営、ボランティア、ランナー含めて、いろいろ問題ありの大会でした。コロナのあった3年間に過去のノウハウは無くなってしまったかのような、グダグダの大会でしたね。大会後にアンケートを求められたので、全てではないですがいっぱい書き込んで返送しておきました。
その中でも唯一の救いは、一般の人やラン仲間の沿道応援でした。声援や私設エイドのおかげで、落ち込む気持ちを何度盛り上げてくれたことか!
全体を見ると、大阪城公園をゴールにしたことが、あちこちで運営上の歪みを生んでいる気がします。引き続き公園を大会会場として使うなら、ホールを含めた公園内をすべて閉鎖して、ランナー目線での施設配置を熱望します。
エントリー代が高いのも、必要なところに費用を注ぎ込んで、簡素化できるものは縮小するなど、メリハリのある配分をするなら納得しますが。
おそらく来年の大阪マラソンは、エントリーが今年とは比較にならないくらい激減すると思います。私はと言えば、もちろんエントリーせず、1年様子を見ることにします。