霧氷を求めて近畿のマッターホルンヘ | 晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

晴れた日は山に登り街を走り、 雨の日は好きな音楽を聞きながら本を読む
そんな暮らしがいい!

「今年は寒波が強いから、霧氷がきれいな高見山へ行きませんか?」と、ラン友さんからお誘いがあったのが1月の末でした。「近畿のマッターホルン」と呼ばれる高見山は登ったことのない山だったこともあり、「行きます!」と手をあげて、2月20日に行く予定を組んで楽しみにしていました。

 

ところが、その後気温が上がったりして霧氷が消えたという情報もあり、てんくらの予報は風の強い曇り空のCランク。しかも前日は雨だったのであまり期待もせずに、今年2座目の雪山登山に向いました。

 

最寄駅は近鉄大阪線の榛原(はいばら)駅。漢字も読めなくてあまり馴染みがない駅ですが、長谷寺と室生寺の間にあります。鶴橋駅から乗り込んだ時、車内はザックを背負った登山者がほとんどでした。

 

8:00榛原駅に到着。すぐに駅前のバス停に向かいます。というのも、ここから登山口まで奈良交通の通称「霧氷バス」が出ているのです。駅前からは高見山とは別に、同じように樹氷が見られる三峰山(みうねやま)の登山口行きのバスも出ていますが、人数は圧倒的に高見山行きの登山者の方が多かったですね。その数ざっと100人以上、バスも3台ほど用意されていました。

 

40分ほどで登山口に到着。ここでトイレを済ませ、ゲイターとザックカバーを付けます。しばらく雪道はなさそうだったので、アイゼンの装着は登山道の様子見で決めることに。

 

9:00 登山スタート。民家の横にある階段が登山口(標高460m)でした。

 

ラン友さんが作ってくれたコースはこんな感じで、山頂を中心に反時計回りで登り下りします。

 

最初は旧伊勢南街道と呼ばれる、緩やかな上りの山道を進みます。

 

昔の街道らしい石積みや石畳の道。

 

標高が上がるにつれて、うっすらと雪の跡が見られるようになってきました。

 

枯れていないススキの上にも雪が残っている珍しい風景。

 

路面が凍結して滑りやすくなってきたので、ここで他の登山者と同じようにアイゼンを付けます。

 

杉林を抜けて

 

スタートしてから1時間ほどで分岐のある小峠(地図①)に到着。この辺りも暖かい時期は熊が出るみたいですね。

 

ほとんどの登山者が、鳥居を潜って階段を登り北側の尾根道を進むルートを行くのに対して、我々は南側になる写真の右手の車道(今は車両通行止め)を進みます。

 

何人かはこのルートを先行して歩いているようです。

 

しばらく歩いて、南斜面をトラバースするルートに入ります。

 

踏み跡が少ない分だけ、ロストしないように気をつけて進んでいきます。

 

さらに先に進むと、こんな景色が!

 

風もないのであまり期待していませんでしたが、霧氷がちょっとできています。

 

しかし、その先の展望ポイントはガスで真っ白.....。

 

灰色と白の世界も、それなりに美しいですけどね。

 

これもいい感じ。

 

分岐の高見峠(標高910m 地図②)に着いたのは10:30過ぎ。ここまでは車で上がって来ることができるので、この分岐から登り始める人もいます。ここから山頂までの約1kmで、標高差350mを上がる急登になるので、ストックを取り出しました。

 

その先からは、予想もしていなかった銀世界が広がっていました。

 

あちこちに広がる霧氷の世界。

 

歓声を上げながら、度々止まっては写真を撮るので、なかなか先に進めません。

 

写真ではその美しさが伝えられないのが残念です。

 

予定では休憩ポイントのベンチで昼食を取る予定だったのですが、寒風が吹き荒ぶ中では5分と止まれないので、ここはスルー。ガスがなければ三峰山などの山容が見えるはずなのですが、真っ白でした。

 

その先も霧氷の世界が広がっています。

 

山頂に近づくにつれて、すれ違いで降りてくる登山者も多くなってきました。これはそのうちの1人が書いたと思われるニコちゃんマーク。

 

山頂まであと300mの標識を過ぎて

 

11:30 高見山(標高1,248m 地図③)に登頂。流石に人がいっぱいでした。

 

山頂のお社の前には、SNSでよく見かけたキティちゃんの雪だるまがありました。

 

お社の裏には、誰が作ったかこんな○ンコの雪塊も(笑)

 

とにかく風が強いので寒さが半端ないです。

 

展望台からの景色もこんな感じで真っ白だったので、そくさと下山しようと思ったその時!

 

強風のおかげでガスが飛ばされ、北側の山並みが見えたので、思わずパチリ。ほんの10秒ほどの出来事で、またすぐにガスに覆われてしまいました。

 

北側の尾根道は、予報通り風速18m前後の暴風が吹き遊び、体が飛ばされそうになります。

 

そんな中、日が差してガスが飛ばされた瞬間に見えた絶景に歓声を上げながら、寒さで指先の感覚が無くなりそうになるのを耐えて、スマホのシャッターを押し続けて撮れた奇跡の一枚。

 

その先の道は、霧氷のトンネルが続き

 

”エビのしっぽ”も、しっかりできていました。前日の雪風がすごかったのがわかりますね。

 

標高が下がると風も穏やかになりましたが、気温が低過ぎて(おそらく零下5-6℃の世界)動き続けないと体が持ちません。

 

この道沿いにはいろいろな奇岩があり、それぞれに名前が付けられているようですが、ゆっくり眺める余裕もなくて、ひたすら降り続けます。

 

12:10 杉谷との分岐(地図④)に到着。これを右(南)に進むと小峠に繋がる道ですが、我々は西にある平野地区を目指します。ここから先は緩やかな下りが続きます。

 

流石にお腹が空いてきたので、途中に腰掛けるのにちょうどいい倒木があったので、ここで昼食タイム。それぞれが持ってきたおにぎりやカップ麺を食べ、暖かいコーヒーで冷え切った体を温めます。

 

残雪も少なくなってきたので、その先の避難小屋のあるポイント(地図⑤)でアイゼンを外しました。ここには高見杉と呼ばれる杉の大木があります。

 

さらに標高を下げ

 

道に雪が無くなると

 

13:50 ゴールにしていたたかすみ温泉に到着した時には、青空が広がっていました。予定より1時間以上も早く、約8kmを5時間弱での雪山ハイクでした。

 

ここから帰りの霧氷バスが出るのが16:00なので、ゆっくり温泉に入り、体の芯から温まりました。

 

バスの出発時間まで、温泉の横にある食事処「天好園」で、ビールとつまみでまったりと時間を潰します。

 

16:00前、同じような登山者を乗せて、満員のバスは榛原駅に向かいました。

 

天気予報が良くなくて諦めていた霧氷登山でしたが、予想外の絶景がたくさん見られて大満足です。山頂から続く尾根道の暴風には参りましたが.....。