テレビで流れていた Netflix のCMを見て、面白そう!と思って、わざわざ映画館へ観に行ってきました。( Netflix には入会してないので 笑)
あらすじー(映画.comより)
落ちこぼれ気味の天文学者ランドール・ミンディ教授はある日、教え子の大学院生ケイトとともに、地球に衝突する恐れがある巨大彗星の存在を発見し、世界中の人々に迫りくる危機を知らせようと躍起になる。仲間の協力も得て、オーリアン大統領とその息子で大統領補佐官のジェイソンと対面する機会を得たり、陽気な朝のテレビ番組「デイリー・リップ」に出演するなどして、熱心に危機を訴えてまわる2人。しかし人類への警告は至難の業で、空回りしてばかり。そのうちに事態は思わぬ方向へと転がっていき……。
映画の内容云々という前に、出演している俳優陣がすごい。
レオナルド・ディカプリオ(ミンディ教授)
ジェニファー・ローレンス(ケイト)
メリル・ストリープ(オーリアン大統領)
ケイト・ブランシェット(テレビ番組司会者)
ジョナ・ヒル(大統領補佐官)
ティモシー・シャラメ(町の青年)
マーク・ライアンス(IT企業CEO)
などなど、アカデミー賞級俳優が目白押し。アリアナ・グランデが本物のシンガー役で出演して歌うなど、これ以上ない豪華なキャストです。
聞くところによると、当初はパラマウントで配給予定だったのが、Netflix が配給権を買い取ったことで予算が大幅に増えたからだそうです。まさに今、飛ぶ鳥を落とす勢いの Netflix ならではですね。
肝心の映画の感想です。他の人のレビューとほぼ同じようになってしまいますが、とことん現実の人々の行動を皮肉るアダム・マッケイ監督の映画ということで、ブラックユーモア満載です。
最悪の事態が迫っているのにもかかわらず、現実から目を背けようとする( "Don't Look Up” )大衆心理。それを利用して、自分たちに有利になるように画策するする政治家や企業。匿名をいいことに、さまざまな悪意や嘲笑に満ちたSNSへの投稿。
大統領(政治家)は支持率と選挙のことしか頭になく、テレビ番組は視聴率ばかり気にする。どこぞの国も一緒ですね。
大女優のメリル・ストリープやケイト・ブランシェットが、ぶっ飛んだ演技を真面目に演じているのが良いですね。ディカプリオも真面目にセリフを言えばいうほど、可笑しく見えてくるのはさすがというべきか。
大学院生のケイトは、国連で地球温暖化問題を訴えたグレタさんがモデルでしょうか?彼女の演説について、当時のアメリカ大統領や一般の人々は冷笑に近い態度を取りました。問題を先送りにしても環境破壊は進んで行き、やがてこの映画と同様に破滅へ向かうのでしょう。
ひとつ個人的に不満だったのは、導入部で地球に衝突する彗星を発見するくだりを、もうちょっと丁寧に描いて欲しかったことです。SF映画っぽい雰囲気を出せば、その後の展開とのギャップがもっと面白かったと思います。
とにかく最後のオチまで丁寧に作られていて、エンドロールが終わるまで気が抜けません。こういうシニカルなエンターテイメント映画を作れるところが、アメリカらしいですね。私は映画館で観ましたが、 Netflix 会員の人は家のモニターで見ても(宇宙の場面以外は)楽しめると思いますよ。